凸版印刷、博物館・美術館向け収蔵品管理ASPサービス「MuseScopeVer1.3」を開始
博物館・美術館向け収蔵品管理ASPサービス『MuseScopeVer1.3』を開始
~他館の収蔵品情報を検索できる「横断検索機能」を実装~
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下 凸版印刷)は、博物館・美術館の収蔵品情報を管理するASPサービス『MuseScope(ミューズスコープ)Ver1.3』(サイトURL http://www.musescope.com)
を3月29日に開始します。
博物館・美術館が保有する膨大な収蔵品の管理業務は、各館ごとにノウハウがあり、その方法は多様です。専用システムを構築するには、多額の初期投資やそのシステムを運用する専門知識を有した職員が必要であり、財政面・人材面からみて博物館・美術館にとっては大きな課題の一つでした。
凸版印刷では、簡易で効率的に収蔵品資料情報を管理できる仕組みとして2006年4月に「MuseScope Ver1.0」を販売開始、2007年1月には管理している収蔵品情報を専用Webページに掲載し、一般の人に公開できる機能を実装したサービス「MuseScope Ver1.2」を開始し、収蔵品情報管理に必要な機能を拡充してきました。『MuseScope Ver1.3』では、自館だけでなく他館の収蔵品情報を横断的に検索・閲覧できる機能を実装しました。
博物館や美術館では、他館の収蔵品を借りて自館の企画展や特別展に活用することが少なくありません。しかし、これまで収蔵品の情報を網羅的に検索・閲覧できるシステムはなく、そのため他館の収蔵品情報を得るには、各館が発行する収蔵品目録を調べたり、学芸員の知識や記憶に頼るところが大きく、多くの時間と労力を必要としていました。
『MuseScope Ver1.3』では、自館が管理する収蔵品情報について、他館に対して「公開・非公開」するかを収蔵品項目単位で設定することで、横断検索の対象となる情報を柔軟に管理することができます。
横断検索設定が施されたすべての情報を対象に、『MuseScope Ver1.3』を利用するすべての博物館や美術館が、それらの情報を横断的に検索・閲覧することができます。
このように館同士が収蔵品情報を共有することで、各館がこれまで以上にスピーディかつ柔軟に収蔵品情報を収集でき、業務の効率化が図れます。
<主な機能>
・収蔵品情報(作品名、制作者、技法、材質、寸法など)の検索・閲覧・登録・編集
・収蔵品画像情報の登録・編集・閲覧(拡大閲覧可能)、複数画像の登録
・収蔵品情報の一括登録・一括出力(CSVデータ)
・収蔵品情報のPDFファイル出力
・権限に応じた機能制限(管理者、学芸員、職員の3つの権限レベルで利用可能)
・収蔵品画像情報の一般公開機能
※MuseScopeドメイン内に各館別の公開ページを提供 他
<Ver1.3の主な追加機能>
・他館の収蔵品情報の横断検索・閲覧(横断検索対象設定済のすべての収蔵品が対象)
・管理項目の各種カスタマイズ設定強化 他
<「MuseScope」のサービスの特長>
1.ASP方式による管理システム
インターネットを通じてWebブラウザ上でサービスが利用できるため、新しくハードウェアやソフトウェアを導入する必要がありません。
※動作保証環境 OS:Windows XP/2000、Webブラウザ:Internet Explorer 5.5以降
2.低コスト・管理負荷軽減
ASP方式による管理システム、ならびに年間定額制による利用形態のため、初期投資・導入後の保守費が不要で、短期間での導入が可能、また、専門知識を必要としないシステムのため、専任のシステム管理者が不要で、低コスト・管理負荷軽減を実現します。
3.高いセキュリティで信頼性十分なサーバ環境
収蔵品情報の各種データ管理は、凸版印刷が運用するインターネット・データセンターサービス「TOPICA(トピカ)」(※1)を利用。
堅牢で信頼性の高いセキュリティを確保します。
4.館相互の情報共有も視野に入れた収蔵品管理項目
東京国立博物館を中心としたプロジェクトによって策定された「ミュージアム資料情報構造化モデル」(※2)をベースに、
収蔵品管理項目を拡張利用。標準的な管理項目の基盤として、博物館・美術館相互の情報共有の可能性を視野に入れたサービスです。
<価格>
初期登録料100,000円~、年間利用料960,000円~
※登録管理する収蔵品情報点数別に料金体系を設定
※データ一括登録、収蔵品情報のデジタル化は別途見積
※1 TOPICA http://www.topica.ne.jp
企業のインターネットサーバ構築や、運用を受託するアウトソーシングビジネスとして1996年10月からサービスを開始。2001年12月には、ISMS認証を取得するなど、セキュリティマネジメントにも積極的に取り組んでおり、これまでに300社以上の導入実績をあげています(2006年12月末現在)。
※2 ミュージアム資料情報構造化モデル
東京国立博物館を中心とした博物館情報処理に関する調査研究プロジェクトチームが、全国レベルで提案・推進する、収蔵品を管理する際の記述項目・方式のモデル。効果的な情報処理・情報共有を可能とし、博物館・美術館を業務支援することを主な目的としています。凸版印刷もプロジェクト立上げ時から、モデル策定メンバーとして参画。なお、このモデルの文書の著作権は、独立行政法人国立博物館に帰属します。
以 上