アジレント、不揮発性メモリセルの特性評価時間を短縮するソフトなど発表
不揮発性メモリセルの耐久試験時間を数日から数時間にまで短縮
パルスジェネレータおよび特性評価向けのソフトウェアを拡張
アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、「Agilent B1500A 半導体デバイス・アナライザ」および半導体パラメトリック解析ソフトウェア「EasyEXPERTソフトウェア」向けに新たなハードウェアおよびソフトウェアを発表します。今回発表の製品は、最先端の不揮発性メモリセルおよび次世代半導体デバイスのテストや特性評価にかかる時間を短縮するものです。
このたび、EasyEXPERTを搭載したB1500Aは、2種類の高電圧半導体パルスジェネレータ・ユニット(HV-SPGU)モジュールに対応します。これは最先端の不揮発性メモリセル評価の要求に対応したものです。特に研究用途に向けた製品で、単体測定器で不揮発性メモリセルのテストを行なうことができる業界初のソリューションとなります。
今回の製品投入により、当社では研究向けのB1500Aから量産向けのAgilent 4080(2007年4月発表)まで、不揮発性メモリセル評価用のパルスソリューションを幅広く提供できるようになりました。両プラットフォームで共通のパルスモジュールを使っているため再現性に優れ、開発から量産への移行も容易となります。これらのソリューションは、最先端の不揮発性メモリを開発しているお客様と協力して開発したものです。
さらに、Agilent B1500Aに標準搭載のEasyEXPERTソフトウェアの機能も大幅に拡張し、高誘電率(high-k)材料を用いた絶縁膜評価などに必要なQSCV測定に対応します。また、デスクトップ版のEasyEXPERTについては、新たにAgilent 4155B/Cおよび4156B/C半導体パラメトリックアナライザにも対応、さらに多くのユーザが統合されたパラメトリック・テスト環境を利用できるようになります。
長期間使われる最終製品の信頼性を確保する上で、不揮発性メモリセルの書き込み/消去性能のパラメトリック特性評価は不可欠となっています。たとえば、最新のフラッシュメモリのプロセスでは、チャージ・トラップ・フラッシュ(CTF)やマルチレベル・セル(MLC)といった最新技術が使われると同時に、大きさもますます小さくなっています。これらの最先端技術では、不揮発性メモリ特性のより厳密な評価が必要となっています。
Agilent B1500Aは、MRAM、PRAM、RRAM、NAND、NORフラッシュなどの最新の不揮発性メモリ技術の要求に対応した単体測定器です。たとえば、20Vを超える電圧レベルのパルスや、立ち上がり/立ち下がりの正確な制御を行なうことができます。EasyEXPERT搭載のB1500AおよびHV-SPGUを使うと、不揮発性メモリセルの耐久試験を従来の10倍以上、高速に行なうことができるようになります。
半導体パラメトリックテスト事業部長の海老原 稔は次のように語っています。「当社は、次世代の課題に取り組むお客様のニーズに合わせて計測ソリューションを継続的に改良を続けております。このたび発表いたしましたAgilent B1500AおよびEasyEXPERTの改善は、さまざまな最新デバイスの評価に必要な機能や性能を実現したものです。当社のお客様は、使い慣れたEasyEXPERT環境から、その他の半導体パラメータ・アナライザを制御いただけるようになりました。」
●不揮発性メモリおよびMOSFETテスト用の新ハードウェア・モジュール
今回の機能拡張により、Agilent B1500Aは最先端の不揮発性メモリセル評価ニーズに対応すべく、HV-SPGUモジュールおよびアドバンストHV-SPGUモジュールに対応しました。両HV-SPGUは、モジュールごとに2つのチャンネルを有しています。最大5個のモジュールをB1500Aに搭載することが可能です。両モジュールとも、20ナノ秒の立ち上がり/立下り時間、2mVの電圧分解能で、±40Vのパルス(80V ピーク・トゥ・ピーク)を出力することができます。さらに、アドバンストHV-SPGUでは、簡単な設定で複雑な波形を生成したり、チャネルごとに3値パルスやオープン・ステート・パルスを生成したりできる機能を搭載しています。業界をリードするHV-SPGUのパルスレベルの正確さにより、信頼性の高いMLCメモリ評価が可能となります。
●完全な単体計測器パラメトリック・テスト・ソリューション
EasyEXPERTソフトウェアの最新版であるEasyEXPERT 3.0は、B1500Aのパラメトリック測定機能を高める新機能を搭載しています。DC IVから5MHzのCV測定まで幅広い測定を1台の測定器で簡単に行なうことが可能となります。
EasyEXPERT 3.0は、B1500A上のSMUリソースを使ったQSCV測定に対応します。
1KHzから5MHzの範囲で容量対電圧の測定ができるマルチ周波数容量測定ユニットとの併用により、B1500Aは、QSCVから5MHzまでに対応するCV測定機能を実現する業界で唯一の測定器となります。
EasyEXPERT 3.0はダイレクトコントロール・モードに対応しています。この機能は、EasyEXPERTのユーザインタフェースからB1500Aに直接Agilent FLEXコマンドを送ることができるアプリケーションテスト作成に役立つものです。
これにより、EasyEXPERTのクラシックテスト・モードでは対応していなかった機能も含め、B1500Aのすべての機能を制御できるようになりました。
EasyEXPERT 3.0では、パラレルでのタイミング・オンザフライNBTI(負バイアス温度不安定性)テストにも対応しました。最新の半導体プロセスの信頼性評価では、NBTIテストは不可欠となっています。当社は業界で初めて、この機能を単体計測器で実現しました。
2007年6月には、当社は外部のPCからB1500Aを制御可能な高機能のデスクトップEasyEXPERTソフトウェアの最新版を無償提供する予定です。デスクトップEasyEXPERT 3.0は、4155B、4156B、4155C、4156C 半導体パラメータアナライザの基本的なIV測定制御も可能となります。これらの機器のユーザもEasyEXPERTソフトウェアを使って生産性を高めることが可能になると同時に、B1500Aと同様のパラメトリック・テスト環境を構築することができるようになります。
【 販売方針 】
*参考販売価格:EasyEXPERT 3.0 無料
デスクトップEasyEXPERT 3.0 無料
HV-SPGU 120万円~240万円
*販売開始日:HV-SPGU 2007年7月1日
*出荷開始時期:EasyEXPERT 3.0ソフトウェア 2007年6月
B1500用 HV-SPGU 2007年12月予定
Agilent B1500Aの高解像度画像は以下のウェブサイトからダウンロードいただけます。
http://www.agilent.com/find/B1500A_image
◆お客様からのお問い合わせ先:
計測お客様窓口 電話:0120-421-345
アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2006年度、50億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp