日立ビルシステム、地震時のエレベーター自動診断・復旧システムのサービスを8月から提供
地震時エレベーター自動診断・復旧システム
「ヘリオスドライブ」のサービス提供を開始
株式会社日立ビルシステム(取締役社長:池村敏郎/以下、日立ビルシステム)は、株式会社日立製作所 都市開発システムグループ(グループ長&CEO:高橋秀明/以下、日立)と共同で開発したエレベーターのメンテナンスサービス「ヘリオスドライブ」を、8月1日から提供開始します。
本サービスは、震度5弱程度の地震発生時に運転を休止したエレベーターを自動で診断し、仮復旧するシステムです。業界最高となる建物高さ60m(20階床程度の建物)までのエレベーターに対応可能*1です。
*1 当面の対象機種は、2006年12月に発売した日立の標準型エレベーター「アーバンエース」とし、順次対象機種を拡大する予定です。また、日立ビルシステムと保全契約を結んでいるお客様が対象となります。
従来、地震時のエレベーター機器の損傷や乗客の乗りかご内への閉じ込めを防ぐ対策として、初期微動(P波)、あるいは主要動(S波)を感知する加速度式地震感知器をエレベーターの機械室などに設置し、一定の加速度以上の地震動を感知した際に、エレベーターを最寄階に停止させ、運転を休止する「地震時管制運転システム」が、多くのエレベーターに採用されています。しかし、近年多発している大規模(震度5程度)の地震においては、多くのエレベーターが同時に運転を休止することによる復旧の遅れが発生していました。
このたび、日立ビルシステムがサービスを開始する地震時エレベーター自動診断・復旧システム「ヘリオスドライブ」は、エレベーター遠隔監視診断システム「ヘリオス」により、地震によるエレベーター機器の損傷やロープなどの長尺物の引っ掛かりを自動診断し、運行に支障がない場合には、エンジニアの到着を待たずに仮復旧させることで、長時間の運転休止を回避するものです。
日立および日立ビルシステムでは、これまでも、迅速かつ正確な被害状況把握とエンジニアへの効率的な連絡を可能にする「広域災害時エレベーター復旧支援システム*2」を構築するなど、業界に先駆けて、大規模地震時のエレベーターの早期復旧に向けた取り組みを進めてきましたが、本システムの導入により、従来震度5弱程度の地震発生時に長時間の運転休止となっていた、建物高さ60mまでのエレベーターを30分程度で仮復旧することが可能となります。
*2 エレベーター遠隔監視診断システム「ヘリオス」に、地震感知器の作動を自動通報する機能を追加し、広域災害時におけるエレベーターの被害状況の迅速な把握を実現するモニタリングシステムと、携帯電話のパケット通信機能を活用し、地震時のエンジニアの安否確認や迅速な出動指示、復旧報告などを可能にした連絡システムを組み合わせた日立独自のエレベーター復旧支援システム。
【 地震時エレベーター自動診断・復旧システム「ヘリオスドライブ」の特長 】
1.業界最高となる建物高さ60mまでのエレベーターに対応*1
●建物高さ60m(約20階床に相当)までのエレベーターに対応します。
●建物高さ30m(約10階床に相当)のエレベーターでは約17分、建物高さ60mのエレベーターでは約30分で、機器の損傷やロープなどの長尺物の引っ掛かりを自動的に診断し、仮復旧します。
2.震度5弱程度の地震発生時に有効
●震度5弱程度(地震加速度:60~100Gal*3)の地震発生時に本システムは作動*4し、地震時管制運転システムによって運転を休止したエレベーターの仮復旧を行います。
*3 機械室レスエレベーターの場合。機械室のあるエレベーターの場合には、震度5弱程度の地震動は、150~200Gal程度の地震加速度として検出されます。地震加速度は、エレベーターの機種や耐震強度、地震感知器の設置場所などで異なります。
*4 地震時管制運転システムは、震度4程度以上の地震発生時に作動しますが、震度5弱未満では、一度停止した後、エレベーター機器の損傷などがない場合には、本システムに関係なく自動的に運転を再開します。
(※ 添付資料あり。)