ケンウッド、米国の無線通信システム事業会社「Zetron社」の子会社化を完了
米国無線通信システム事業会社の株式の取得(子会社化)の完了に関するお知らせ
株式会社ケンウッド(社長:河原春郎、本社:東京都八王子市)は、平成19年4月4日に発表いたしました米国の無線通信システム事業会社、Zetron Inc.(以下「Zetron社」という。)の全株式の取得について、本日付ですべての手続きを完了し、子会社化を完了いたしましたので、お知らせいたします。
記
1.株式取得の理由と今後の見通し
当社は、平成18年3月期より企業価値拡大に向けた第二次中期経営計画「バリュー・クリエーション・プラン」に取り組んでおり、M&Aを通じた戦略的な成長戦略への取り組みを強力に進めてまいりましたが、業務用無線分野においては、無線通信トータルシステムとしてのターンキーシステム*受注の拡大により、世界市場におけるプレゼンスをさらに増大して、無線端末の供給からシステムソリューションへの供給へと事業領域の拡大をはかるものです。
Zetron社は、官公庁向けおよび世界各国の航空会社、各種施設をはじめとする一般業務用の無線通信指令・管制システム分野や無線通信ネットワークシステム分野で多くの実績を有しています。このZetron社を当社の子会社としたことによって、当社は、Zetron社の主力である高信頼性無線通信システム事業を傘下に有し、これまでの無線端末を主体とした事業を指令・管制システムやネットワークシステムも加えた無線通信トータルシステムとしてのターンキーシステム*事業へと飛躍させ、官公庁や交通、航空、保安需要をはじめとする新たなビジネスチャンスを獲得できることに加え、それらを通じて新規顧客を獲得したことになります。
当初、この新しい事業展開は、当社およびZetron社にとっての最大市場である米国が中心となりますが、将来的には両社の有するグローバルネットワークを活かして全世界に展開していく構想です。
また、当社の無線端末技術とZetron社の無線通信システム技術を組み合わせることにより、当社がシステムソリューション分野と並行して事業強化を推進しているデジタル業務用無線分野においても、今後のビジネスチャンスに向けて大きなリソースを獲得したことになり、先般発表いたしました欧州航空宇宙防衛大手EADS社グループとの北米公共安全向けデジタル業務用無線機器の相互供給なども相まって、デジタル業務用無線機器分野の基盤形成を一段と推進できるものと考えております。
以上のように、当社の無線端末を主体とした技術・リソースと、Zetron社の高信頼性無線通信システムを主体とした技術・リソースを組み合わせることにより、当社の収益基盤を拡大・強化し、全社的成長戦略を加速させてまいります。
具体的には、当社コミュニケーションズ事業の売上の約1割(2006年3月期実績)に相当するZetron社の売上が加わるのみならず、当社の無線端末や無線システム、無線中継機がターンキーシステム*に組み込まれることにより、当社既存業務用無線分野の売上拡大に対しても大きなシナジー効果が期待できます。現状のZetron社の売上規模は50億円程度ですが、3年後を目処に、上記のシナジー効果も合わせて2倍程度の売上規模まで拡大することを目標に取り組んでまいります。
*ターンキーシステム・・・
基地局設備から端末までを備えた包括的な無線通信トータルシステムで、納入後にすぐに顧客が使用可能なようにセットアップされたもの。標準的なシステムで数億円、大きなシステムでは数十億円規模に達する。
2.異動した子会社(Zetron社)の概要
※添付資料を参照
3.株式の取得先、取得価額および取得前後の所有株式、財務状態の変動状況
当社は、平成19年5月10日付で、Zetron社の全株式をZetron社の100%持株会社であるZetron Holdings,Inc.より取得し、Zetron社を100%子会社化いたしました。
株式の取得価額は、諸費用を含めて80億円余りです。
なお、Zetron社の全株式の取得(子会社化)にともない、当社の投資有価証券が増加することに加え、Zetron社の資産が連結されるため、当社の資産合計は90億円程度増加いたします。また、負債合計は、Zetron社が有する負債と当社がZetron社の株式の取得のために新たに借り入れた負債を合わせて90億円程度増加いたします。
以 上
※参考資料は添付資料を参照