NHKなど、AVC/H.264方式のスーパーハイビジョン符号化実験装置を開発
AVC/H.264スーパーハイビジョン符号化実験装置を開発
~高圧縮・高画質符号化の研究を加速~
○ NHKは、(株)富士通研究所と共同で、動画像符号化の国際標準規格AVC/H.264方式(*1)を用いたスーパーハイビジョン符号化実験装置の開発に世界で初めて成功しました。
○ スーパーハイビジョンは、画素数がハイビジョンの16倍の超高精細映像システムで、約24Gbpsという非常に大きな情報量を持ち、衛星や商用のIP回線による放送を実現するには、効率的な圧縮符号化が必要です。
○ NHKは、先にMPEG-2方式を用いたスーパーハイビジョン信号の圧縮符号化装置を開発し、平成18年大晦日には紅白歌合戦のIP回線での長距離伝送(東京~大阪間)に成功しました。
○ 今回開発したAVC/H.264方式による符号化装置は、スーパーハイビジョンの画面を16分割し、各々をHDTV用符号化ユニットで圧縮するもので、16台のユニットが同期して信号処理するように制御しています。
AVC/H.264方式を採用することでスーパーハイビジョン映像をMPEG-2方式より少ない200Mbps以下に圧縮可能となりました。
○ 各符号化ユニットは、信号処理プログラムの書換えが可能なデバイスで構成されています。このため、ユニット毎の情報量の割り当て制御など、信号処理の方法を変更することができ、今後開発する画質改善の手法などを容易に適用できます。
○ この装置を用いることで符号化実験がリアルタイムで可能となり、スーパーハイビジョン映像符号化の高圧縮、高画質化の研究を加速させることができます。また、家庭へのスーパーハイビジョン放送の実現に向けて、衛星やIP回線などによる様々な伝送実験も本装置を用いて可能になります。
○ この装置は、平成19年5月24日から27日に開催する放送技術研究所の一般公開で展示します。
(*1) AVC/H.264:ISO/IECとITU-Tが共同で標準化した最新の映像圧縮符号化方式
* 関連資料「別紙」 参照
表1 圧縮符号化装置仕様
図1 スーパーハイビジョン符号化・復号系統図
図2 圧縮符号化装置外観