アイシン精機、最新レーザー搭載LASIK手術システムをドイツ医療会社が欧米で発売
イムラ・アメリカ社の最新レーザー搭載LASIK手術機がカール・ツァイス社から発売
ドイツの医療会社であるカール・ツァイス・メディテック(本社:ドイツ イェナ市 社長:ウーリック・クラウス)は、アイシン精機株式会社(本社:愛知県刈谷市 社長:山内康仁)の米国研究開発会社イムラ・アメリカ(本社:アメリカ ミシガン州アナーバー市 社長:大光敬史)が開発したフェムト秒ファイバーレーザー「FCPAマイクロジュエル」※1搭載の最新LASIK※2手術システム「VisuMax」を、2007年後半から欧米市場で販売開始します。
LASIKは近視や乱視などを外科的に矯正する手術としては最も広範に行われている療法で、アメリカでは毎年100万人以上が手術を受けていると言われています。日本でも2000年頃から広まり、年間数万人が手術を受けています。今回の「VisuMax」は、カール・ツァイスの持つ世界最高峰の光学レンズ技術と、世界最先端を誇るイムラ・アメリカのフェムト秒レーザー技術の融合で、LASIKのフラップカット手術※3での安全性と信頼性を大きく高めることに成功しました。
カール・ツァイス・メディテック社は、昨年末に米国食品・薬品管理局(USFDA)より、フェムト秒レーザーシステムでのLASIK用途市場参入の認可を既に受けており、「VisuMax」を米国市場にも投入する予定です。日本でも厚生労働省の認可を得た後に、販売を開始します。本製品の普及により、多くの患者がより安心してLASIK手術を受けられることにつながると期待しています。アイシンはこれまでも光分野で長年先端技術開発に取り組んできました。こうした蓄積を生かし、今後も様々な製品・サービスを通じて、社会に貢献することをめざしていきます。
※1 フェムト秒ファイバーレーザー・・・
断続的に光を発する「パルスレーザー」の一種で、レーザーパルスの持続時間をフェムト秒(10-15、1フェムトは1000兆分の1)まで短くしたもの。パルスの持続時間が極めて短いため、対象を熱によって損傷させたり、変形させたりする可能性が低いのが特長です。また、対象の表面を傷つけずに内部を加工できるという特長も持っています。今後の用途としては、通信をはじめ微細加工、計測、医療などの分野で利用が期待されています。イムラ・アメリカ社はこの分野で最も先進的な技術を持つ研究機関です。
※2 LASIK(レーシック)・・・
レーシックとは、レーザー装置を使って目の角膜の形を変え、近視や乱視などを手術によって治す治療法です。手術自体は10~20分程度で終了し、手術中の痛みもほとんどないことから、世界的に普及しはじめています。
※3 フラップカット手術・・・
LASIK手術は二つのステップからなります。
1.まず角膜を薄く切り取ってめくる「フラップカット」を行い、
2.めくったあとに向けてエキシマレーザーを照射、屈折率の矯正を行います。
現在「フラップカット」は、「マイクロケラトーム」と呼ばれる「かんな」のような刃物で行うのが主流ですが、今回の「VisuMax」はこの作業をイムラアメリカ製のフェムト秒レーザーで行います。
<従来機と比較した「VisuMax」のフラップカット手術の特長>
(1)フェムト秒レーザーによる熱の入らない手術で、術部周辺の変性が極小。
(2)物理的接触がなく感染症の心配が低い。
(3)極めて高い精度のフラップカット
(※ 製品画像などは関連資料を参照してください。)