富士通、ミッションクリティカル分野のビジネス強化・拡大で新会社を設立
ミッションクリティカル分野のビジネス強化について
~「株式会社富士通ミッションクリティカルシステムズ」を設立~
当社はこのたび、社会性の高い大規模システムや企業の基幹システムをはじめとするミッションクリティカル(以下MC)システム(注1)において、約40年にわたり培ってきたMCシステム特有の技術やノウハウを今回設立する新会社「株式会社富士通ミッションクリティカルシステムズ」に集約させ、ビジネスを強化・拡大します。
当社は、新会社をMCシステム事業の中核に位置づけ、当社が提供するサーバ・ストレージ・ミドルウェアなどのプラットフォーム製品と、新会社が行うMC基盤ソフトウェアの開発・提供、システム構築、運用・保守サービスの提供を合わせ、当社グループ全体で、総合的なソリューションを提供し、MC分野でナンバーワンベンダーを目指してまいります。
昨今、国民サービスを行う公共システムや金融機関の決済ネットワークシステムなどのMCシステムは、システムトラブルによるサービスの中断や停止が社会に多大な影響を及ぼす可能性が高いため、重要性が一段と高まっており、可用性の高い(高信頼、高性能、高い保守・運用性)システムが求められています。また、これらの大規模・基幹システムでは、サービスの多角化や国際競争力強化への対応などに向け、次世代システムの設計が本格化しています。当社はこのような状況を踏まえ、当社が長年にわたり培ってきたMC技術やノウハウを結集し、「株式会社富士通ミッションクリティカルシステムズ」を設立いたします。
新会社では、業界ではじめて、システム構築に「セル生産方式マネジメント」を採用し、システム構築を改革します。従来MCシステムの構築では、MC技術者による専門のプロジェクトチームがお客様の仕様に合わせて、個別にシステムを構築してきましたが、1つのシステムに数千人(延べ)もの技術者が必要になるほどシステムが大規模・複雑化しています。また技術者に高度なスキルが要求されるとともに特定の技術者への比重が高まり、かつノウハウの共有が円滑に進まないことが課題となっています。「セル生産方式マネジメント」では、データベース設計、ネットワークなどの機能単位に専門化したメンバーで構成する小集団(セル)から、プロジェクトの特性や規模・工程に応じて必要なスキルをもつメンバーを選出し配置します。各メンバーは複数プロジェクトに参加し、改善を繰り返すことで、各々の専門性を高め、さらに、それらのノウハウを標準化しテンプレートとして蓄積します。高い専門性を備えた各分野のエキスパートがスキルとテンプレートを活かしながら協力し、柔軟かつ効率的にプロジェクトを推進することにより、高信頼・高性能で大規模かつ複雑なシステムを短期間で構築できます。
当社グループは、メインフレームビジネスで長年培ってきた高信頼・高性能なシステム構築ノウハウを継承し、MCシステム事業を強力に推進してまいります。また、新会社を通じて、MC分野の将来を担う重要な人材を育成してまいります。
*セル生産方式マネジメント参考図、株式会社富士通ミッションクリティカルシステムズの概要は添付資料をご参照ください。
【 注 釈 】
注1 ミッションクリティカルシステム:
24時間365日止まらないことが要求される社会の基盤システムや企業の基幹システム。障害の発生による中断や停止が社会に多大な影響を及ぼすシステム。