ルネサステクノロジ、M0プロファイル対応の携帯向けアプリケーション開発用ソフトを提供
「Windows Media(R) Audio 10 Professional M0プロファイル」に対応した、SH-Mobile用ソフトウェア「WMA Pro LBRデコードミドルウェア」を提供開始
― 「Windows Media(R) Audio」最新版に対応したアプリケーション開発のソリューションを提供 ―
株式会社ルネサス テクノロジ(本社: 東京都千代田区、会長&CEO 伊藤 達)は、このたび、アプリケーションプロセッサ「SH-Mobile(注1)」を使用する携帯電話向けのアプリケーション開発用ソフトウェアとして、米国Microsoft Corporation(以下、マイクロソフト社)のオーディオ圧縮技術「Windows Media(R) Audio(以下、WMA)10 Professional(注2)」のM0(エムゼロ)プロファイル(注3)に対応した「WMA Pro LBRデコードミドルウェア」を開発しました。2007年8月から提供を開始します。
<製品化の背景>
近年、携帯電話には多様な機能が搭載されています。その機能の中で、オーディオ再生機能へのニーズは高く、パソコン経由、あるいは通信回線で直接ダウンロードしたオーディオデータを、携帯電話で本機能により再生して音楽を楽しむことができます。
これまで、パソコンをはじめ、携帯電話や携帯オーディオプレーヤ、車載・据置オーディオシステムなどで広く使われているオーディオフォーマットの1つとして、マイクロソフト社によって開発されたオーディオ圧縮フォーマットである「WMA Standard」があります。そして最新フォーマットとして、「WMA 10 Professional」が、「Windows Media(R) Player」の最新版(バージョン11)からサポート開始されています。「WMA 10 Professional」は、従来の「WMA Standard」や「WMA 9 Professional」より高音質・低ビットレート化が図られています。低ビットレート化は、同じ楽曲であればデータサイズがより小さくなり、ダウンロード時間を短縮できます。また、同じ容量のメディアであれば、格納できる楽曲数を増加できる利点があり、今後、携帯電話や車載・据置オーディオシステムへの「WMA 10 Professional」の搭載が拡大することが予想されます。
一方、当社は、携帯電話でのアプリケーションを専用に処理するアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」を製品化し、多くの携帯電話に採用されています。このような背景から、当社は、「SH-Mobile」を使用した携帯電話におけるアプリケーションの開発ソリューションを提供するため、「WMA Standard」および「WMA Professional M0プロファイル」に対応した「SH-Mobile」向けミドルウェア「WMA Pro LBRデコードミドルウェア」を開発しました。また、本ミドルウェアは、車載・据置オーディオ向け「SuperH」プロセッサにも対応しています。
<製品の特長>
本ミドルウェアの特長は以下のとおりです。
(1) 「WMA 10 Professional M0プロファイル」に対応
本ミドルウェアは、Low Bit Rate (LBR)拡張に対応した「WMA 10 Professional M0プロファイル」をサポートしています。この機能により、同じ音質であればよりコンパクトなデータサイズ、また同じビットレートであれば、より高音質であるLBR対応のストリームを再生できます。
また、本ミドルウェアはマイクロソフト社のWindows Media(R) Technology認証を取得済みであり、ユーザは安心して本ミドルウェアを使用することができます。
(2) 短期間で容易なアプリケーションプログラム開発
WMAフォーマットのデータは、マイクロソフト社によって開発されたASF(Advanced Systems Format)というファイルフォーマットの中に格納されています。このため、ASFファイルの中からWMAフォーマットのデータを取り出して処理することが必要です。
本ミドルウェアは、ASFファイルを入力してWMAフォーマットのデータを取り出し、デコードするまでの一連の動作を実行するAPI(Application Programming Interface)を備えています。ユーザは、プログラムの中に本APIを記述して「WMAオーディオプレーヤ機能」を容易に実現できるため、アプリケーションの短期開発が可能です。
さらに、本ミドルウェアは、WMAフォーマットのデータを入力してデコードするためのAPIも備えています。これにより、ビデオのようにオーディオと画像データを処理するアプリケーション、例えば、WMAと同時に「Windows Media(R) Video」もデコードして再生するようなプレーヤの作成も可能です。
(3) 著作権保護されたWMAフォーマットデータへの対応が容易
本ミドルウェアは、当社製の「WMA/DRM(Digital Rights Management) デコードミドルウェア」と連携することにより、「Windows Media(R) DRM 10(注4)」の機能をサポートすることが可能になります。著作権保護されたWMAフォーマットのオーディオデータを再生する処理は、暗号解読処理のAPI関数呼び出しの命令を挿入するだけで容易に実現可能です。
今後も、デジタル機器における様々なマルチメディア・アプリケーションの開発効率向上に貢献し、市場ニーズに対応するミドルウェア製品を開発していきます。
■ 注記
(注1) SH-Mobile(SuperH(TM) Mobile Application Processor): 携帯電話システム向けに、ベースバンドLSIと接続して、オーディオや動画などのマルチメディア・アプリケーションを専用に処理する当社独自のプロセッサ。
(注2) Windows Media(R) Audio 10 Professional: Microsoft Corporationによって開発されたオーディオフォーマットの一つで、高音質(24bit PCM、高サンプリングレート)・マルチチャネルに対応しています。
(注3) M0プロファイル: WMA Professional技術で、ポータブルデバイスをターゲットとしたステレオのみのプロファイルです。
(注4) Windows Media(R) DRM(Digital Rights Management) 10: Microsoft Corporationによって開発されたデジタル著作権管理技術で、コンテンツ配信サーバ、ライセンス発行サーバ、PC、携帯機器、ネットワーク接続機器といった種々の機器で構成される著作権管理システム全体をカバーしています。
* SuperHは、(株)ルネサス テクノロジの商標です。
* Microsoft、Windows、Windows Mediaは、米国 Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
* その他記載の製品名、会社名、ブランドは、それぞれの所有者に帰属します。
■ 製品提供の条件について
本製品は、Microsoft Corporationの知的財産権によって保護されており、Microsoft Corporationからのライセンスなしで使用あるいは配布することは出来ません。
本製品の購入、使用に際しては、Microsoft Corporationと「Windows Media(R) Audio」のライセンス契約が必要です。
■ 応用製品例
・ 「SH-Mobile」を使用する携帯電話システムで、Windows Media(R) Audioデータ再生に対応したポータブルプレーヤアプリケーション
・ 「SuperH」プロセッサを使用するシステムで、Windows Media(R) Audioデータ再生に対応したアプリケーション
■ 仕様
※ 関連資料 参照
■ お客様からの問い合わせ先
株式会社ルネサス テクノロジ システムソリューション統括本部
システムソリューション第二事業部 モバイル製品技術部
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)
電話 03(5201)5234 (ダイヤルイン)
以 上