2007.4.18 和歌山印南祭『濱，獅子舞唄』CDが地元で話題

和歌山印南祭『濱，獅子舞唄』CDが地元で話題

「子孫に伝統文化を残したい」
発案者みずから歌って3年がかりで自費制作

和歌山県日高郡印南（いなみ）町の岡本殖産株式会社会長である岡本崇さんは、地元の印南町濱区に伝わる「獅子舞唄」を忠実に再現した音楽CDを3年がかかりで完成させ、その動機や制作過程が地元紙に取り上げられるなど話題をよんでいます。
 
『濱，獅子舞唄』は、紀南地方の秋祭りの印南祭（10月上旬）の山口八幡神社で濱区に伝わる獅子舞（約50分）の獅子が眠る場面（約15分）で若衆が太鼓や笛に合わせて唄われていました。数年前、岡本さんが印南祭で久しぶりに唄を歌った際、若衆がまったく口ずさまないことに驚き、「このままでは、何世代にもわたって伝承されてきた獅子舞唄が消えてしまう。なんとしてもこの伝統文化を子孫に残したい」と「獅子舞唄」の音楽制作に取り組みました。

一番苦労したのは終盤の伊勢音頭のところ。歌える人がいないうえに岡本さん自身も聞いたがありませんでした。しかし、伊勢音頭にはお囃子が付きものであることに気づき、手探りでお囃子を入れて歌っているうちにうまく当てはまる箇所があるのを発見。そして昨年の祭りで、知人が経営する音楽制作会社に依頼をして笛太鼓の録音を行い、後日、岡本さん自身がレコーディングをして、発案から3年の歳月をかけて完成させました。
 
「笛の旋律が昔から正確に受け継がれていたので再現することができました。地元に残る伝統文化を形にすることで、役立ってくれるとうれしい。『濱，獅子舞唄』のCDの希望者があれば譲ります」と岡本さんは地元の伝統文化の継承を促しています。

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