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2025'12.06.Sat
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2006'11.30.Thu
Googleは大帝国建設の途上にある。

 米国時間10月31日、主に企業顧客向けにホステッドサービスでWikiシステム構築を行うJotSpotは、同社がGoogleに買収されたことを発表した。JotSpotは創立後3年になる企業で、同社幹部はGoogleによる買収額を明らかにしていないものの、当然のことながら、JotSpotとGoogleがそれぞれに提供するオンラインサービスの相互補完性を力説した。

 JotSpotの創立者の1人で最高経営責任者(CEO)を務めるJoe Kraus氏は、この買収成立を伝えるブログの中で、「われわれは、Googleが『Writely』を取得し、『Google Groups』『Google Spreadsheets』『Google Apps for Your Domain』を立ち上げるのを見てきた。複数の人々がオンライン上で情報を作成、管理、共有する手法において、Googleがわれわれと共通のビジョンを持っているのは明らかだった」と書いている。

 JotSpotの主力製品は、Wikiベースのアプリケーションを作るためのプラットフォームで、一部には、完成されたアプリケーションがGoogleの既存のウェブアプリケーションと機能的にさほど変わりがないケースもある。たとえば、複数のユーザーが編集できるオンラインの表計算ソフトやカレンダーなどだ。

 JotSpotの買収に先がけて、Googleがビデオ共有サイトYouTubeを16億5000万ドルの株式交換で買収すると報道された。中には、この大規模なYouTube買収戦略を、Googleが自社のビデオ共有サイトに見切りをつけたしるしと見る向きもある(ただし、Google幹部はこうした見方を否定し、YouTubeも「Google Video」も、既存ブランド名のもとに運営を継続すると述べている)が、JotSpotの買収については、Googleウォッチャーは同様の判断を性急に下すべきではないと、複数の専門家が指摘している。

 オンライン市場に的を絞ったコンサルタントおよび調査を手がけるSterling Market Intelligenceの創設者Greg Sterling氏は、「興味深いのは、Googleが最近、Google Groupsのアップデートや、同サービスへのWiki機能追加に相当多くの時間を費やしたことだ」と語る。JotSpotには、ユーザーとブランド名のほかに「(コラボレーション可能な)開発プラットフォームや見事にパッケージ化されたアプリケーション群」があり、「Googleは今後、共通項のないパーツを組み合わせて同じものを一から作り上げる必要がなくなる」とSterling氏は話す。

 Sterling氏の発言を解釈するとこうなる。買収によって優れたテクノロジと技術者が手に入るのなら、製品が少しばかり重複してもGoogleは気にしていないのは明らかだ。さらに、Microsoftが持つ「Office」デスクトップソフトウェアスイートが抱える膨大な顧客に比べれば、ウェブベースのアプリケーションの利用者の数はごくわずかなのだから、GoogleはOfficeに正面から立ち向かう前にいろいろなやり方を試し、うまい組み合わせを見つけようとするのも良いだろう、というわけだ。

 もちろん、Microsoft Officeに関連するGoogleの取り組みを「正面」攻撃と表現するのは、誤解を招くことになるだろう。実際、Microsoftに闘いを挑んで敗れ去った、Novellをはじめとする企業がかつて通った道をGoogleも歩むと考える者はほとんどいない。Googleの意図は、MicrosoftのOfficeをそのまま模倣するのではなく、Microsoftそのものを打ち負かすことにあるように見受けられる。そう遠くない将来には、企業および個人ユーザーの利用するアプリケーションの大半がPCにインストールされたソフトウェアから、ウェブベースのサービスに移行する時期が訪れるとみられているからだ。

 「GoogleがMicrosoftのOfficeに真っ向から勝負を挑むこと多くの人が期待している」と、調査会社Burton GroupのアナリストPeter O'Kelly氏は言う。「だが、将来ウェブが向かう先を誰もが予想できるのに、今のOfficeの地位を狙って戦いを挑むなど、ありえないことだ」と同氏は指摘する。

 今のところ、Googleは自社で生産性アプリケーションを提供している。その中には、「Google Calendar」、買収したWritelyを元に開発したワードプロセッサの「Google Docs」、それにGoogle Spreadsheetsがある。また、Google Apps for Your Domainでは、ウェブベースで電子メールやスケジュール管理、チャットやホームページ作成ができる各種アプリケーションを提供している。さらにGoogleは、最近になって「Google Docs & Spreadsheets」のベータサービスを立ち上げた。これは、オンラインで利用できるワードプロセッサとスプレッドシートの各プログラムを統合し、1つのフリープログラムとしたものだ。Goolgleのアプリケーションが、機能豊富なMicrosoftのOfficeに今の段階で追いつけるところまで来たと考える人はほとんどいないだろうが、着々と機能向上を進めていることは、こうしたアプリケーションに懐疑的な人たちも認めるところだ。

 一方、JotSpotの製品を使えば、簡単なエディタ、スプレッドシート、カレンダー、ブログなどのアプリケーションを簡単に作成でき、複数のユーザーがインターネット上で共同編集することも可能だ。JotSpotは2006年7月に自社製品をアップデートし、異なる「Officeライクな」製品間で複数ユーザーによる共同編集ができるようにしている。また、顧客のサーバにダウンロードして利用できるソフトウェア版をテスト中であることも明らかにしている。

 「Googleなら似たようなものを作ることもできるだろうが、それよりも製品を買収してGoogleの持つ強みと組み合わせる方が早い」と、「The Google Legacy」の著者Stephen E. Arnold氏は言う。確かに両社には重複している部分はある。しかし、JotSpotがもたらす、共同編集が可能なWikiベースのサービスは、Googleが自前では持っていないものだ。

 今のところ、GoogleはKraus氏率いるJotSpotと共同で何をする計画なのか説明していない。「現時点で発表できるような今後の計画はないが、JotSpotのサービスは、ウェブ上での情報作成と共有を可能にするGoogleのサービスとぴたりと適合する」と、Googleの広報担当Jon Murchinson氏は述べている。

 当然のことだが、Microsoftは新製品の「Windows Live」と「Office Live」を導入してWebサービスに重点を置き、自社のビジネスのてこ入れを図ろうとしている。こうしたMicrosoftの動きは、ウェブベースのOfficeライクなアプリケーションに進出するGoogleの取り組みへの対抗策とみられている。

 O'Kelly氏は、Googleのこの分野における取り組みが、小さな企業を買収しただけで終わるとは思えないとしている。「今回の買収は、これまでのWiki開発者とは異なる、通常業務の片手間に開発を行うような人たちが仕事にWikiを利用するうえで、画期的な出来事になるだろう。対象となるのは、例えばExcelのマクロやスクリプト言語を使いこなせるような人たちだ」とO'Kelly氏は予測する。

 JotSpotの競合企業SocialtextのCEO、Ross Mayfield氏は、今回のGoogleによる買収によってWikiベースのアプリケーションの重要性が証明されたと、自身の ブログ で語っている。しかし、同時にMayfield氏は、JotSpotのソフトウェアは「独自仕様」だが、Socialtextが提供するソフトウェアは標準に準拠しているとして、対抗意識を表している。

 また、Mayfield氏は「今回の買収によって、市場のローエンド側での普及がさらに進むだろう。これは、わたしたちが『Socialtext』と『SocialCalc』のオープンソース版を提供することで推し進めている戦略だ」と述べている。

 一方、YahooはPBWikiと提携して、 「Yahoo! Groups」のユーザー向けにWiki作成サービス を提供している。

 両社の持つテクノロジの重複、および競合他社からの不満の声を別にすれば、GoogleとJotspotは興味深い組み合わせとなる可能性を秘めている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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[CNET Japan]
http://japan.cnet.com/
(CNET Japan) - 11月1日
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