旭化成ファーマ、抗血液凝固剤「ART-123」の製造販売承認を申請
ART-123の国内製造販売承認申請について
旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区 社長:大江 啓)は、2006年8月29日に当社が開発中の抗血液凝固剤ART-123[一般名:トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)]の製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。
1. ART-123について
一般名 :
トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)
商品名(予定) :
リコモジュリン
剤型 :
注射剤
適応症 :
DIC(基礎疾患が造血器悪性腫瘍あるいは感染症の患者に限る)
特徴 :
トロンボモジュリン(ヒト)を遺伝子組換え技術を用いて生産した蛋白質。天然型のトロンボモジュリンは血管内皮細胞上に存在する膜蛋白質で難溶性である。医薬品への応用では可溶性であることが好ましいことから、トロンボモジュリンの細胞外部分のみを可溶化型分子として遺伝子工学的に生産したものがART-123。トロンボモジュリンは、血液凝固の原因物質であるトロンビンの生成を抑えることにより抗凝固作用を発揮する。また、トロンボモジュリンは抗炎症作用ももつことが近年報告されている。
2. DIC(disseminated intravascular coagulation:汎発性血管内血液凝固症)について
症状 :
播種性に全身の微小血管内に血栓形成が起こり、虚血などによる血管内皮細胞障害により臓器障害を呈するとともに、止血系因子の消費性低下および二次線溶亢進による著明な出血傾向を生ずる症候群で、悪性腫瘍、感染症や産婦人科疾患などに高頻度に合併して発症する。
(以上、日本血栓止血学会ホームページ「用語集」より抜粋。)
「播種性血管内凝固症」、「播種性血管内血液凝固症候群」と呼ばれることもある。
患者数 :
国内では7万人強
(うち、造血器悪性腫瘍あるいは感染症を基礎疾患とするDICは5割強)
既存薬 :
ヘパリン、低分子ヘパリン、低分子ヘパリノイド、メシル酸ガベキサート、 メシル酸ナファモスタット、乾燥濃縮人アンチトロンビンIII
以上