三菱重工、小型ターボチャージャーの生産能力強化で約35億円投資
小型ターボチャージャー世界シェア2位を目指して
2007年度上期までに年間360万台体制へ
三菱重工業は、小型ターボチャージャーの生産能力を現状の年間300万台から2割強増強し、2007年度上期までに年間360万台の生産体制を構築する。排気ガス規制の強化に伴い、欧米・アジア各国の自動車メーカーから、エンジンの燃焼効率を高める小型ターボチャージャーの新規受注が相次いでいることに対応するのが狙い。そのため、2006年度に約35億円の設備投資を行い、2007年度から順次、設備を稼働させていく。
今回、設備投資を行うのは、乗用車用の小型ターボチャージャーの生産ラインで、対象機種は、ディーゼルエンジン排気量2.0リットル以下クラス対応の「TD025」と同2.0~3.0リットルクラス対応の「TD04」。このクラスは、環境規制強化の動きに伴い、欧州、アジア、北米などの市場で拡大基調が続いており、これを受けて、2005年度250万台であった当社の小型ターボチャージャーの販売台数は0(TM)今年度約300万台、2007年度には約340万台、2008年度には約360万台に達し、近い将来400万台を超える見通し。
生産能力増強投資は、汎用機・特車事業本部本工場(神奈川県相模原市)において小型ターボチャージャーの主要部品であるタービンローターやコンプレッサーホイールなどの部品加工ラインと組立てラインが対象。国内本工場への集中投資により、生産の効率化と保有能力のフル活用をはかるもの。
具体的には、ライン内の部品搬送と部品加工を高速化するとともに、生産機種切り替え時の工程変更を更に自動化することで設備停止時間を低減、ラインの高稼働化を達成する。また、検査工程においても計測の自動化を更に進めるなど、合理化技術をふんだんに織り込み、品質の高い製品を安定して量産できるラインの構築を進めていく。
今回の能力増強にとどまらず、今後も積極的に投資を行い、品質と納期の両面で顧客のニーズに的確に応えながら、小型ターボチャージャー市場で一層シェアを拡大、世界シェア第2位の地位を目指す。