栄研化学と第一化学薬品、「新規遺伝子増幅法」の実施権で契約
栄研化学と第一化学薬品
医療分野(感染症、癌)でのLAMP法の実施権許諾で契約締結
栄研化学株式会社(本社:東京都文京区、以下栄研化学)と第一化学薬品株式会社(本社:東京都中央区、以下第一化学薬品)は、栄研化学の独自技術である新規遺伝子増幅法(LAMP法(*1))の通常実施権許諾契約を9月29日付けで締結いたしましたのでお知らせいたします。
これにより、第一化学薬品は、医療分野(感染症、癌)においてLAMP法を使用した臨床診断用DNAチップの開発、製造および販売を行います。
栄研化学は、日本および世界におけるLAMP法の普及を図り、ライセンスビジネスを積極的に展開するため、日本および海外の企業、研究機関との交渉を続けてまいりました。その中で、特に医療分野における遺伝子検査市場の拡大、LAMP法の認知度アップに相乗的な効果が期待できると考え、第一化学薬品との交渉を進め、今回の締結に至りました。
一方、第一化学薬品は、電流検出型DNAチップ(*2)による感染症および癌の遺伝子診断を対象分野とした体外診断薬の実用化に向け準備を進めてまいりました。そして、当該チップシステムにおいても遺伝子増幅技術が必須であることから、簡易、迅速、特異性の利点を有するLAMP法との組み合わせが適切であると判断し、LAMP法の実施権許諾を希望いたしました。第一化学薬品は、これにより、電流検出型DNAチップによる感染症および癌の遺伝子診断、特にヒトパピローマウイルス(*3)(以下、HPV)を型判別する体外診断薬の開発に注力し、医療診断用DNAチップの早期実用化を目指します。
【用語解説】
(*1) LAMP法
Loop-mediated isothermal amplificationの略で、2本鎖DNA、6つの領域を認識する4つのプライマー、鎖置換型DNA polymerase、基質等を同一容器に入れ、一定温度(65℃付近)下で、増幅から検出までを1ステップで行うことができます。増幅効率が高く、DNAを15分~1時間程度で109~1010倍に増幅することができ、また、極めて高い特異性をもつため、目的とするDNA配列の存在を増幅産物の有無で判定することができるなど「簡易、迅速、精確、安価」を特徴とする遺伝子増幅法です。
詳細 http://loopamp.eiken.co.jp/
(*2)電流検出型DNA チップ
従来の光学系による検出方式とは異なる電流検出方式を用いたDNAチップシステム。第一化学薬品は平成18年7月11日付けで、株式会社東芝、東芝ホクト電子と、株式会社東芝が開発した電流検出方式を用いる「DNAチップ共同開発及び事業化に関する基本的合意契約」の締結を発表しています。
(*3) ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus;HPV)
子宮頸癌の原因となるウイルス。発がんとの関連性が高い13のウイルス型が知られています。子宮頸癌の診療およびワクチン接種の効果を最大限に発揮させるためにもウイルス型判別のニーズが高まっています。