中国における冷熱・コマーシャル事業を大幅に強化、最適地生産を加速
―日系企業初の大規模熱交換器製造会社設立、コンプレッサの開発拠点を中国企業と共同で開所―
三洋電機株式会社は、90年代初めより、競合他社に先駆けて中国(大連地区)に業務用空調機器、ショーケース、コンプレッサなどの冷熱・コマーシャル機器の製造・販売・サービス拠点を設立し、現在多くの主要商品が中国市場でもシェアNo.1を獲得するなど、確固たる事業基盤確立と顧客からの高い信頼を築いてきました。北京五輪、上海万博などを控え、今後、着実な成長が予想される同市場において、更なる競争力強化、事業拡大のため、このほど中国大連市に、冷熱・コマーシャル機器のコア部品である熱交換器の製造を集約し、一貫生産する日系企業初の大規模熱交換器製造会社および、コンプレッサの開発の現地化を加速する、中国企業と共同では日系企業初の開発センターを設立します。
◆中国大連市経済技術開発区内に日本企業初の大規模熱交換器製造会社を設立
三洋電機は現在、中国大連市経済技術開発区内に、冷熱・コマーシャル事業の製造・販売拠点として、ショーケースや厨房機器といった食品システム関連機器を担当する「大連三洋冷鏈有限公司」(以下 大連三洋冷鏈)、パッケージエアコンを担当する「大連三洋空調機有限公司」(以下 大連三洋空調機)、吸収式冷凍機やガスヒートポンプエアコン(以下 GHP)を担当する「大連三洋制冷有限公司」(以下 大連三洋制冷)、コンプレッサを担当する「大連三洋圧縮機有限公司」(以下 大連三洋圧縮機)の4社を有しており、これら主要4社の売上高が450億円以上となる確固たる事業基盤と信頼を中国市場において築いています。
三洋電機は、今後も順調な成長が予想される同市場において、「大連三洋冷鏈」「大連三洋空調機」「大連三洋制冷」の将来の生産量拡大に備え、中国大連市経済技術開発区内に、3社の冷熱機器のコア部品である熱交換器を集約・一貫生産する大規模工場(正式名称「大連三洋高効制冷系統有限公司」)を新設します。新会社では、高効率・厳密な品質管理の製造方式を導入することで、低コストかつ高品質な部品をジャストインタイムで供給します。
また、新会社は、上記3社内で個別に製造している熱交換器に加え、外部加工委託している部品についても内製化をします。これにより、熱交換器の素材、部品の一括購入によるコストダウンが可能となり、商品のコスト競争力が更に強化されます。将来的には外部からの受託生産も予定しています。
一方、現工場は、熱交換器を生産していたスペースが有効活用でき、製造(組立)に特化集約する事で、今後の中国市場のニーズ、需要拡大に迅速な対応ができる体制を目指していきます。
今回設立する熱交換器工場は、2006年7月より工場の建設工事を開始し、翌2007年4月の生産稼動を予定しています。敷地面積40,900m2、建物面積22,176m2、総投資額は200百万人民元(約28億円)となる見込です。初年度2007年度は22万台、2011年度には2007年度比3.2倍の70万台の生産を予定しています。
◆大連三洋圧縮機内に日系企業初の中国企業との共同によるコンプレッサ開発センターを設立
現在、スクロールコンプレッサを製造・販売する「大連三洋圧縮機」内において、中国国内向け顧客からの要望に迅速に対応するため、2004年4月に、これまで日本で改良設計を行ってきた一部の機能を同社に移管し、技術本部を設立いたしました。
また2005年度には、日本でも生産していた業務用半密閉コンプレッサおよび、低温用スクロールコンプレッサの生産設備をすべて同社に移設完了しており、この2つの商品は、三洋にとって、同社が唯一の生産拠点となっています。
そしてこの度、日系企業初の中国企業との共同による総合的なコンプレッサ技術開発を行うための新技術棟が同社敷地内に完成し、コンプレッサ開発センターとしての環境が整いました(現地での開所式は、6月8日に実施する予定です)。
当開発センターの設立によって、顧客対応派生機種開発のスピードアップ化がはかれるとともに、中国人技術者のレベルアップがはかれ、日本においては、次世代の技術開発へ集中する事が可能となります。
今後、国内は、基本機種の技術援助・ライセンス許可、設計審査、機種登録管理などを担当します。一方、当開発センターは顧客情報の入手と商品化検討、基本機種に対する改良設計やコストダウンを含む派生機種開発、日本への開発結果のフィードバックが役割となります。
新技術棟は5階建て、延べ床面積12,000m2、現在の技術本部の人員は40名で、年内には60名体制にまで増員する予定です。
今後の中国 冷熱コマーシャル事業展開について
三洋電機は、熱交換器工場とコンプレッサ開発センターの設立を起点として、食のコールドチェーン構築、空調事業の総合展開、日本・中国連携によるコンプレッサ事業のグローバル展開、医療・研究分野でのバイオメディカル事業拡大により、中国を冷熱コマーシャル事業の第2の拠点に育て、2010年には2000億円以上の事業規模を目指します。
【報道関係お問合せ先】
三洋電機株式会社 コーポレートコミュニケーション本部 広報ユニット
TEL:06-6994-3546
■大連三洋熱交換器工場の概要
■大連三洋コンプレッサ開発センターの概要
■大連三洋圧縮機の概要
■大連三洋冷鏈の概要
■大連三洋空調機の概要
■大連三洋制冷の概要
※上記は添付資料を参照
