富士写真フイルム、上海市にTFT液晶用カラーフィルター製造会社を設立
富士フイルム 上海広電電子(SVA)と合弁で上海市にTFT液晶用カラーフィルター製造会社を設立
-急成長する中国液晶市場においてカラーフィルター事業を強力に推進!-
富士写真フイルム株式会社(社長:古森 重隆、以下富士フイルム)はこのたび、中国における家電・電子部品大手である上海広電電子股■有限公司(本社:中国上海市、董事長:顧忠恵、以下SVA)と、中国上海市にTFT液晶用カラーフィルター(以下CF)製造の合弁会社として、上海広電富士光電材料有限公司を設立する契約を締結いたしました。
上海広電富士光電材料有限公司は、中国における初の大型TFT液晶用カラーフィルター製造会社です。新会社は、SVAのグループ会社であるSVA-NEC向けを中心に、急成長を続ける中国液晶ディスプレイ市場へ、ノート・モニター・TV用大型CFの供給を進めてまいります。
新会社の資本金は100百万US$、出資比率はSVA 75%・当社 25%で、設備投資総額は約270百万US$を見込んでいます。
新会社の生産ラインは第5世代ガラス基板(1,100×1,300mm)を採用し、生産能力は70千枚/月を予定しています。2007年11月の生産開始を目指し、量産時の人員規模は約500名となります。
CFは、フルカラー表示を可能にするレッド・グリーン・ブルー(R・G・B)の画素と画像のコントラストを高めるためのブラックマトリックス(BM)で構成されています。さらにCFと対向ガラス基板の間隔を均一に保つためには、フォトスペーサー(PS)が必要です。新会社では、BMとPSを富士フイルム独自技術として定評のある「トランサー方式※1 」により製造し、R・G・Bの画素は富士フイルムの液晶向けカラーフィルター用カラーレジスト「カラーモザイク※2 」を用いた「スリットコート方式※3 」で製造する「ハイブリッドCF生産方式」を採用します。これにより、「トランサー方式」の特長である高精度・高感度・高均一性を最大限に生かしつつ性能とコストの両立を図っています。
※1 PETフィルム上にあらかじめ均一に形成された感光性レジスト(顔料分散液)層を、ドライラミネーション方式でガラス基板に転写し、露光・現像のプロセスを経てCFを作製するシステム。高精度・高感度・高均一性の特長を持ち、取り扱いが簡便で、大型基盤に最適。
※2 透過型、半透過型、反射型などあらゆる液晶ディスプレイ用途に対応。原色系、補色系や液晶セルギャップを制御するフォトスペーサーなどの機能性材料を幅広く取り揃えた液晶向けカラーフィルター用カラーレジスト。
※3 スリットコーターと呼ばれる塗布機で、ガラス基板上に直接感光性レジスト層を形成し、露光・現像のプロセスを経てCFを作製するシステム。比較的多くのG5CFラインで採用実績がある。
また富士フイルムは、約40億円を投資し、新会社での量産開始に先立ち中国子会社である富士写真フイルム(中国)投資有限公司に研究開発部門を新たに設置いたします。同部門にてCFを中心とする液晶関連新技術および新製品の研究開発を推進し、中国国内における液晶技術の発展に貢献するとともに新会社量産ラインの早期立上げをサポートしてまいります。
富士フイルムは、液晶ディスプレイをはじめとするフラットパネルディスプレイ材料事業を中核事業の一つと位置付け、研究開発および生産能力拡大のための継続的な投資を行っています。
また、SVAグループは、中国の通信機器・家電・ディスプレイ・電子部品などの分野における代表的企業です。今回SVAという有力な合弁パートナーを得て、今後中国市場におけるフラットパネルディスプレイ材料事業の拡大に全力で取り組むとともに、中国IT産業の発展に貢献してまいります。
合弁会社の概要(*添付資料参照)
※■印は「人」偏に「分」という文字です。