日本IBM、情報システムの問題判別を効率化するソリューション「PDアクセラレータ」を提供
情報システムの問題判別を効率化するソリューションを提供
-オートノミック機能を活用し、解析時間を60%短縮-
日本IBM(社長:大歳卓麻、NYSE:IBM)は、オートノミック・コンピューティング(自律型コンピューティング)の技術を活用して、情報システムで障害などが発生した際の問題判別を効率化するソリューション「PDアクセラレータ」を8月31日から提供開始いたします。価格は最小構成*で200万円(税別)からとなります。システムの規模にも因りますが、お客様環境の試行では、人手による解析に比べて、問題判別に要する時間が60%削減できました。
最近では、企業内で複数かつ多種のソフトウェア、ハードウェア、ストレージ、サーバーを使用することが一般的になっています。このように複雑化した異機種混合環境においては、情報システムに何らかの障害が発生した場合の原因究明が困難になってきています。IBM(R)独自の調査では、障害発生時にはITオペレーションの80%が問題の特定および診断に費やされるという結果が出ています。障害の原因究明にはまず、各システムから出力されるログを解析し、問題の所在を判断する必要があります。その際、種類の違う複数のシステムを使用している企業では、それぞれのシステムから形式(フォーマット)や内容の異なるログが出力されるため、システム管理者に大きな負担がかかっていました。
このような課題を解決するため当社は、各システムから出力されるログを、一つの共通フォーマットに変換・統合して分析するためのツールを活用したソリューション「PDアクセラレータ」を提供いたします。具体的には、システム障害が発生した際に、各システムに記録された異なる形式のログをGLA(Generic Log Adaptor)と呼ぶツールを使って、標準化された形式(CBE=Common Base Event)に変換します。さらに、LTA(Log and Trace Analyzer)という解析ツールを活用し、CBEに統一されたログの相関関係をグラフによって視覚化することで、効率的な問題判別を実現します。システムの規模にも因りますが、お客様環境の試行では、人手による解析に比べて、問題判別に要する時間が60%削減できました。
今回、IBMが提供するソリューションの概要は次のとおりです。
(1)PD Accelerator Basic
PDアクセラレータソリューション構築支援のエントリーパックです。
既存のシステム環境に変更を加えることなく、簡便に問題判別の効率化を実現します。
(2)PD Accelerator with Monitoring
(1)に加え、システム稼働状況の監視用ソフトウェアであるIBM Tivoli(R) Monitoring(ITM)**を活用します。ITMが常時システムをモニターしているため、問題が発生した際の迅速な対応が可能です。
(3)PD Accelerator for IT Service Management
(1)に加え、企業内に散在するさまざまなIT資源の構成情報を統合管理するIBM Tivoli Change and Configuration Management Database(CCMDB)***を活用します。IT資源間の相関関係や変更履歴情報を基に障害原因として疑わしいログを自動選別しそのログ間の相関分析を行うことができます。疑わしいログにのみ焦点を当てて分析を行うことができるため、問題判別の生産性をより向上させることが可能です。
なお、当ソリューションは9月13日にIBM箱崎事業所で開催されるAutonomic Computing Day 2006で紹介・デモを行います。
以 上
IBM、Tivoliは、IBM Corporationの商標。
*最小構成とは、PD Accelerator Basicを採用し、アセスメント、導入作業を含み約1週間のケースです。また、ソフトウェア、ハードウェアはソリューションに含まれません。別途ご購入が必要です。
**IBM Tivoli Monitoringはバージョン6.1以上が対応可能です。
***IBM Tivoli Change and Configuration Management Database(CCMDB)日本語版は、2006年 9月29日よりダウンロード開始、2006年10月20日よりメディアの出荷開始の予定です。
IBM Autonomic Computing Day 2006に関しては、
http://www.ibm.com/jp/autonomic/event/acday2006/index.shtmlをご覧ください。