大日本印刷、液晶用カラーフィルターをシャープの亀山工場にインプラントでの供給開始
大日本印刷 インクジェット方式による第8世代液晶用カラーフィルターをシャープ亀山工場にインプラントで供給
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、インクジェット方式による世界初の第8世代(2160mm×2460mm)液晶用カラーフィルターの量産化技術を確立し、今年9月よりシャープ株式会社(以下:シャープ)亀山第2工場にインプラントでの供給を開始します。
今回のインクジェット方式によるカラーフィルターの製造技術は、フューチャービジョン社※における研究開発の成果を、業界に先駆けていち早く量産化に成功したもので、DNPは、この技術を活かして、シャープの亀山第2工場の早期量産を支援するとともに、液晶テレビ向けカラーフィルターのシェア拡大を図って行きます。
【背景と概要】
地上デジタル放送の普及進展に伴い、大型液晶テレビの需要が急速な拡大をみせており、液晶パネルメーカー各社は、テレビ向け液晶パネルの供給能力を増強しています。DNPは、これに併せて、カラーフィルターの生産能力を高め、安定した供給体制の構築を進めるとともに、さらに次世代を見据えた取り組みとして、高品位で低コストのカラーフィルターが製造できるインクジェット方式にいち早く着目し、5年前からプロセス技術開発を行い、独自技術による実用化を進めてきました。
その一方でDNPは、フューチャービジョン社のインクジェット方式のカラーフィルター製造に関するプロジェクトにも参画してきました。今回、同じプロジェクトに参画していたシャープと協力することで、フューチャービジョン社の研究成果を発展させた、インクジェット方式による世界初の第8世代液晶用カラーフィルターの量産化技術を確立しました。
DNPは、100%出資子会社である株式会社DNPカラーテクノ亀山を設立し、シャープのカラーフィルター製造ラインを譲り受けるとともに、亀山第2工場内でのカラーフィルター製造を開始します。生産規模は月産3万シートです。
DNPは、新会社設立のほか、これまで独自に進めてきたインクジェット方式の第6世代及び第8世代ラインの増強計画も予定通り実施し、液晶パネルメーカーへの供給体制を強化する方針で、液晶カラーフィルター事業の一層の拡大を通してLCD業界へ貢献を図っていきます。
【DNPの液晶カラーフィルター生産能力】
今回の新会社設立により、DNPの第6世代以上のカラーフィルター生産能力は、既に稼働中の黒崎工場第1期ライン(第6世代、月産4万シート)、建設中の黒崎工場第2期ライン(2006年10月稼働予定、第6世代、月産6万シート)、計画中の新ライン(2007年中稼働予定、第8世代、月産4万シート)と合わせ、月産185万枚(32インチ液晶パネル換算)となり、大型液晶パネル向けでは世界最大の供給能力になります。
【新会社について】
社名 :株式会社DNPカラーテクノ亀山
社長 :佐藤 良夫
所在地 :三重県亀山市白木町幸川464番(シャープ亀山第2工場内)
資本金 :4億円
設立日 :2006年9月1日
稼動時期 :2006年9月1日
事業内容 :インクジェット方式による第8世代液晶カラーフィルターの製造
※ フューチャービジョン社について
株式会社フューチャービジョン(本社:東京都港区 社長:島 亨 資本金:25億4千万円)は、民間企業24社が出資し、2002年4月に設立した、大型液晶テレビの製造に関して革新的な製造技術を開発する、経済産業省主導の国家プロジェクト実施会社です。2002年4月より活動を始め、国内液晶産業の圧倒的な国際競争力獲得を目標とし、30インチ以上のハイビジョン対応高精細液晶テレビの低価格化を実現するための製造技術の確立を目指し、独立行政法人産業技術総合研究所が宮城県仙台市泉区に設立した最新鋭の開発拠点での研究開発を推進しています。DNPとシャープは、フューチャービジョン社に出資するとともに、インクジェット方式のカラーフィルター製造に関するプロジェクトに参画しています。