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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'03.12.Wed
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2007'02.16.Fri

日立、アイデアなどの独自性を保証するデジタル研究ノートの基本技術を開発

アイデアや実験データの独自性を保証するデジタル研究ノートの基本技術を開発

ノートに筆記する方式で研究記録を電子化して安全に保存


 株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、ノートに記録する方式で研究記録を安全に保存できる、デジタルペンを用いた研究ノートの基本技術を開発しました。開発した技術は、手書きの文書を自動的に電子化する「デジタルペン」*1と、電子文書がオリジナルであることを保証する「電子署名」*2技術を融合したもので、研究者のアイデアや実験データの独自性を証明することができます。企業や大学、国立研究機関における知的財産戦略の強化や、研究成果の独自性を重視する動きに対応した、次世代の研究ノート管理システムの基本技術として広く活用することに道を拓くものです。

 近年、国や産業界が先導している知的財産戦略強化の取組みや、学術界における研究論文の独自性重視の潮流から、研究段階で生み出されたアイデアの独自性や実験データの正当性を証明することの重要性が高まっています。これまで、企業や大学、国立研究所などの研究機関においては、日々の研究プロセスで生み出される実験データや新しいアイデアを、研究者が手書き文書でノートに書きとめることが通常行われています。ノートに筆記する方式で、手書き文書が安全に保存される研究ノートが実現できれば、将来、特許や論文に結実したときの独自性を客観的に証明することが可能となります。
 このような背景から、今回、日立では、手書きの文書を自動的に電子化する「デジタルペン」と、その電子文書が、その後、追記されることなく保存されていることを保証する「電子署名」を応用し、従来と同様、ノートに記録する方式で、研究記録を安全に保存できる「デジタル研究ノート」の基本技術を開発しました。
 今回、開発した技術の特徴は、以下の通りです。

1.デジタルペンを用いた記録内容の電子化とその管理
 筆記にはデジタルペンを使用し、専用ノートに書かれた筆跡を電子化してコンピュータ上に自動保存します。専用ノートには記載場所を特定する特殊なドットパターンが印刷されており、どの場所に書かれているかを自動的に認識します。ノート上に直接記載できない実験データのグラフなどは、別の紙にドットパターン付で印刷して研究ノートへ貼ることで、ノートとリンクして管理することができます。
2.電子署名を用いた記録内容の独自性の保証
 電子化されたデータに対して、独自性の保証に有効な電子署名を付加しています。ノートに記入する度に電子化された筆跡データに電子署名が付加されるため、ノートへの筆記の履歴も安全に保存することができます。これは、改ざん防止の効果も併せ持つことを示しています。
3.筆記日時、筆者情報による研究業務フロー遵守のチェック
 デジタルペンで書かれたデータには、筆跡のほか、使われたペンのID(識別情報)、筆記時刻の情報が含まれます。これに研究者や管理者といった役職情報を併用することにより、承認手続きが正しく行われているかをチェックすることが可能です*3。
4.筆記日時、筆者情報による研究記録の検索
 研究者名や研究期間をキーとして、コンピュータ上に保存された研究ノートの該当ページのデータを検索することが可能です。ノートのページを繰ることなく、必要な研究記録に素早くアクセスできます。 

 今回開発したデジタル研究ノートシステムの基本技術は、コンピュータ上で研究の記録内容の真正性を保証しながら保存するものですが、従来の紙とペンによる慣れ親しんだ方式で利用できることに加え、紙に記載した内容の独自性も保証することができます。書類を介した業務において、それが正しい手順で行われているかという検証も可能であり、研究業務のほか、官公庁、金融機関をはじめとする企業のコンプライアンス対応ソリューションなどへの幅広い応用が期待できます。

 本技術は、9月5日(火)から福岡大学で開催される「FIT2006 第5回情報科学技術フォーラム」で発表します。

*1 デジタルペン技術はアノト社(スウェーデン)によって開発され,日立などにより事業化されている技術です。
*2 ここでは、電子署名技術としてヒステリシス署名技術を用いています。このヒステリシス署名技術は日立、早稲田大学、横浜国立大学が共同で開発した技術です。電子化した筆跡データを登録する際、それまでの筆跡データに付与された署名データを引き継いで、署名間に連鎖構造を持たせながら新たな署名データを作り出していきます。これにより、特に長期間にわたり保存する文書の安全性が高まります。
*3 承認手続きは、担当者、管理者の順に行われるものですが、使われたペンのIDや署名を筆記した時刻の情報から、手続きが正しく行われているかを確認することが可能です。

以上



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