ファイザー、「排尿障害に関する意識調査」結果を発表
ファイザー『排尿障害に関する意識調査』
40歳以上の5人に1人は過活動膀胱(OAB)の疑い
自覚症状があっても 受診するのは少数派
ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岩崎博充 資本金:648億円)は、排尿障害に関する意識と実態を明らかにする事を目的に、全国の40代以上の男女900人(40・50・60代以上の各年代の男女150人ずつ 計:900人)を対象に、インターネットによる『排尿障害に関する意識調査』を実施しました。
今回の調査の結果、40歳以上の約5人に1人が、尿意切迫感などの不快な排尿症状を自覚していることが明らかになりました。しかしながら、多くの方が「自分の症状はそれほど深刻ではなく、歳をとると誰でも起こることで、受診する程の病気ではない」と考えており、医療機関への受診は、なかなか実行されていない事がわかりました。 また、疾患名の認知率や疾患そのものに対する認識は低く、受診経験のある方は少数派でしたが、テレビやインターネット、雑誌、新聞などから、疾患情報を得ることで、「近い将来受診したいと思う」方が増える可能性も示唆されました。
◆過活動膀胱(OAB)*注が疑われる「尿意切迫感」が週に1回以上ある人は、全体の18.4% と、およそ5人に1人の割合でした。
◆過活動膀胱(OAB)の認知率は5.2%でした。
◆尿意切迫感に悩む方は、日常生活が制限されたり、メンタル面での悩みを抱えたりと、QOLに様々な悪影響を及ぼしている事がわかりました。
◆過活動膀胱(OAB)の受診率は7.7%でした。
◆受診のきっかけとして、症状の自覚と、疾患の理解が大きな影響を与えています。
*注:過活動膀胱(OAB)とは
過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)とは、「尿意切迫感を主症状とし、しばしば頻尿や夜間頻尿を伴い、時には尿失禁を引き起こすことのある症状疾患」と、2002年の国際禁制学会で提唱された新しい病気の概念です。また、国内の40歳以上の男女の12.4%にあたる約810万人もの人がその症状に悩んでいるとされています。
今回の調査結果より、過活動膀胱(OAB)は治療可能な疾患であるにも関わらず、病名の認知不足や理解も進んでいない事が原因で、多くの人が"歳のせいだから"とその治療を諦めている事がわかりました。一方で、過活動膀胱という疾患を理解することで受診意向が高まる可能性があることも示唆されました。
ファイザー株式会社では、ウェブなどを活用した過活動膀胱の疾患啓発活動により、過活動膀胱の症状で悩んでいる方の早期受診を促していきたいと考えております。
疾患啓発ウェブサイト 「過活動膀胱膀胱(OAB)解決サイト」 http://www.oab-info.com
『排尿障害に関する意識調査』結果より *調査概要は、文末に記載しています
1)尿意切迫感などの排尿障害の有無
回答した900名の中、18.4%(166名)の方が、「急におしっこがしたくなって、我慢するのが難しいことがある(週に1回以上)」と回答しました。40歳以上のおよそ5人に1人が、日常的に尿意切迫感で悩んでいるということになります。男女共に同程度の割合で、年齢とともに増加していました。
これら尿意切迫感に悩んでいる166名の89.1%は、その他の症状(昼間、夜間の尿回数、尿失禁経験)にも該当すると回答しています。
その他の排尿障害の経験では、頻尿(おしっこをする回数が多いー起きている間、1日8回以上)30.7%、就寝後の排尿(ほとんど毎日、夜寝てから朝起きるまで1度以上排尿のために起きなければならない)29.7%、尿失禁(急な尿意で我慢できずに尿を少しもらしたことがある)15.2%と回答しています。
2)日常生活の支障度(複数回答)
尿もれや急な尿意で日常生活のどのような事に困ったり、ストレスを感じたりしているのかについて調べたところ、多くあげられたのは、「どこに行くにもトイレのことを気にかけねばならず、わずらわしい」と回答した方が最も多く、9.3%でした。次いで、「就寝中の尿意のため睡眠不足気味である」 7.3%、 「ふと不安を感じたり、情けなくなったりする」6.3%、「外出(レジャー・団体活動等)がおっくうになってしまう」6.1%でした。
「急におしっこがしたくなって、我慢するのが難しいことがある(週に1回以上)」と回答した方で、なんらかの支障があると回答した方は、58.4 %(166名中97名)でした。
尿意切迫感に悩む方は、日常生活が制限されたり、メンタル面での悩みを抱えたりと、QOLに様々な悪影響を及ぼしている事がわかりました。
3)排尿障害となった原因(自己分析-複数回答)
なんらかの排尿障害の症状を自覚している方 478名に対して、突然の尿意や、尿もれの原因についての認識について尋ねたところ、多くの方が「歳のせい」56.1%と諦めていたり、「水分の取りすぎ」33.5%、「筋肉のゆるみ」28.2%と回答しています。特に女性の回答では、「出産」、「更年期障害」、「筋肉のゆるみ」が多く選択されていました。
4)尿意から開放された場合の希望行動(複数回答)
なんらかの排尿障害の症状を自覚している方 478名に対して、「もし尿意や尿もれの問題が一切なくなり、気にしなくて良くなったら、真っ先にやってみたい事」を尋ねたところ、「国内・海外旅行」25.5%、「好きなだけ水分を摂る」15.9%、「好きなだけ眠る」14.0%、「スポーツ、体操、遠方への散策」13.8%と続き、アクティブに過ごしたい気持ちとともに切実な希望が上位に並びました。
女性では、「好きなだけ水分を摂る」、「スポーツ、体操、遠方への散策」が男性より多く、男性に比べて日常生活で制限を受けていることが推察できます。
5)過活動膀胱(OAB)の認知率
尿もれや頻尿の原因となる疾患の認知率を調べたところ、過活動膀胱(OAB)の認知率は5.2% (47名、どういう病気が知っている1.4%、病名のみ知っている3.8%)、切迫性尿失禁32.6%、間質性膀胱炎 12.5%、性器脱 12.3% と比較して最も低い認知率でした。(どういう病気が知っている、病名のみ知っている、を加えた数値) また、疾患に関わらず、女性は、男性より認知率が高くなっています。
尿意切迫感に悩む方(166名)の、認知率は 9.6%(16名、どういう病気が知っている3.0%、病名のみ知っている6.6%)で、それ以外の方(734名)の認知率 4.2%(31名、どういう病気が知っている1.1%、病名のみ知っている3.1%) と比較して高い認知率となっています。
6)過活動膀胱(OAB)の自覚
過活動膀胱(OAB)を「どういう病気が知っている」、「病名のみ知っている」と回答した47名中3名(6.4%)が過活動膀胱であると自覚していました。
全ての方(900名)に、過活動膀胱(OAB)の主な特徴をあげた上で、「あなたは過活動膀胱(OAB)であると思いますか?」と質問をしたところ、156名(17.3%)の人が「はい(診断されている場合も含む)」と回答しています。既に自覚していた3名より大幅に増加したことから、過活動膀胱の症状の理解により、病気への自覚が高まるものと考えられます。
7)疾患関連情報の入手経路と認知情報(複数回答)
過活動膀胱(OAB)を「どういう病気が知っている」、「病名のみ知っている」と回答した47名の過活動膀胱(OAB)に関する情報の入手経路について尋ねたところ、「テレビ番組」48.9%、「インターネット」34.0%、「雑誌の記事」31.9%、「新聞の記事」25.5%、「医療従事者から」23.4%と続きました。
過活動膀胱(OAB)に関して知っていた項目では、「尿が十分たまる前に膀胱が勝手に動いて尿が漏れてしまうこともある」68.1%、「尿がさほどたまっていなくても急に我慢できない尿意、頻尿、夜間も数回トイレに行くなどの症状がある」59.6%、「加齢が原因となることもある」48.9%などが上位に並びました。
8)過活動膀胱(OAB)の受診状況と受診のきっかけ
「あなたは過活動膀胱(OAB)であると思いますか?」の質問に「はい(診断されている場合も含む)」と回答した156名(17.3%)中では、過活動膀胱(OAB)について「現在、受診中である」 5名、「過去に受診・相談したことがあるが、今は受診していない」 7名でしたので、受診歴のある方は、7.7%でした。(156名中12名) 一方、「まだ受診していないが、近い将来したいと思う」25%(39名)、「受診したことは無い。また、当面しないと思う」31.4%(49名)、「受診したことは無い。今後はどちらともいえない」 35.9%(56名)でした。
医師に「現在、受診中」、「過去に受診・相談したことがある」、「近い将来したい」と回答した51名に、きっかけを尋ねたところ、「尿がさほどたまっていなくても急に起きる我慢できない尿意、頻尿、尿失禁などの気になる症状があったから」が、多く選択されています。(「きっかけとなった」23.5%、「ややきっかけとなった」51.0%) 次いで「新聞、テレビなどの報道から思い当たるふしがあったから」(「きっかけとなった」5.9%、「ややきっかけとなった」27.5%) でした。このことから、受診のきっかけには、本人が症状を自覚することと、報道などの情報で疾患を理解することが大きな影響を与えていることが考えられます。
9)過活動膀胱(OAB)の未受診の理由
医師に「受診、相談したことは無い、また当面しないと思う」、「今後はどちらともいえない」と回答した105名に、その理由を尋ねたところ、「自分の症状はそれほど深刻ではない」(「全くそのとおり」25.7%、「ややその通り」57.1%)、「年をとると誰にでも起こることなので」(「全くそのとおり」13.3%、「ややその通り」66.7%)、「過活動膀胱(OAB)がいまひとつよく分からないので」(「全くそのとおり」19.0%、「ややその通り」53.3%)といった理由が多く指摘されました。このことから、症状がありながらも、本人が病気と考え、医療機関への受診は、なかなか実行されていない事がわかりました。
排尿障害に関する意識調査」 概要
調査実施日: 2006年4月14日~4月16日
対 象: 全国の40歳以上の男性・女性 900名
40歳代 :男性150名、女性150名(33.3%)
50歳代 :男性150名、女性150名(33.3%)
60歳以上 :男性150名、女性150名(33.3%)
実施方法: インターネット調査