キヤノンプレシジョン、超音波モータ駆動位置決めステージシステムの受注を開始
キヤノンプレシジョン(株) 繰り返し位置決め精度5ナノメートルの
超音波モータ駆動位置決めステージシステムの開発に成功、受注開始
キヤノンプレシジョン株式会社(本社:青森県弘前市、代表取締役社長:吉川實)は、従来の位置決めステージシステムの繰り返し位置決め精度10ナノメートルを、さらに1/2に微細化した繰り返し位置決め精度5ナノメートル※1の位置決めステージシステムの開発に成功し、受注生産を開始しました。
この位置決めステージシステムの最大の特長は超音波モータを駆動源としていることです。超音波モータは摩擦力によって駆動し、応答性が高く、高精度の起動・停止が可能なアクチュエータです。また、無通電の停止した状態であっても保持力があるので、電気を切った状態で摩擦力により完全固定され、負荷がかかっていても止まっていることができます。ステージの構成は、超音波モータとボールねじをリジットカップリングで直結し、エンコーダをステージに内蔵させた剛性の高いシンプルな構造のもので、エンコーダ分解能どおりの位置決め精度を達成します。保持力は49Nです。
従来の精度10ナノメートルステージでは内蔵エンコーダスケールが4μm(ミクロンメートル)でしたが、このスケールピッチを1/2の2μmにし、分解能を5ナノメートルとしました。この分解能5ナノメートルの停止位置決め精度を実現する為に、制御回路の高速化と制御ソフトウェアの改善によって速度制御性を向上させました。
システムを構成するのは、位置決めステージUS120-H5(テーブルサイズ120mm x 120mm、移動量50mm)と専用コントロールボックスUSC500(インターフェース:RS232C、逓倍器付属)になります。また、テーブルサイズ、移動量に関しては、お客様の仕様に合わせたカスタマイズに対応します。
高精細化、超微細化が進む次世代半導体、次世代光ディスク、光物性やナノインプリントなどの研究開発用途を中心に拡販して参ります。尚、本製品は2006年度精密工学会秋季大会(9/20~22、宇都宮大学)先端技術展示で弊社ブースにて展示を予定しています。
※:1ナノメートルは1ミリの百万分の1。