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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'03.10.Mon
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2007'03.02.Fri

イーソル、英ARM社にマルチコアプロセッサー対応「T-Kernel」の評価版を提供開始

英ARM社のMPCore(TM)マルチプロセッサをサポートした、 
マルチコアプロセッサ対応T-Kernelと開発環境をイーソルが試作 

~ARM11(TM)コアベースMPCoreマルチプロセッサのメリットを最大限に活かしながら
 リアルタイム性の保証と柔軟なソフトウェア構成を可能にする、新テクノロジーを採用 ~


 イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)と英ARM社(本社:英国ケンブリッジ市、 日本法人:横浜市港北区、代表取締役社長:西嶋 貴史)は、イーソルのT-Kernel「eT-Kernel(TM)」によるARM11(TM)コアベースの MPCore(TM)マルチプロセッサのサポートを進めており、マルチコアプロセッサ対応T-Kernel「eT-Kernel Multi-Core Edition」 として評価版の提供を開始したことを発表します。マルチプロセッサ対応MP T-Kernel は現在T-Engineフォーラム(会長: 坂村健 東京大学教授)が標準化しており、イーソルはこのMP T-Kernel仕様に準拠して試作しました。また同時に、MPCore マルチプロセッサとeT-Kernel Multi-Core Editionを使用するソフトウェアの開発環境として、eT-Kernel Multi-Core Edition と密に統合化された開発スイート「eBinderR」の拡張を進めています。これらを使うことで、マルチコアプロセッサのメリット である低消費電力かつ高性能な組込み機器開発を、eT-Kernel Multi-Core Editionが提供するサービスとeBinderに含まれる 豊富な開発ツールを利用し、効率的に進めることができます。これらの組み合わせは、民生エレクトロニクス機器、車載機器、 モバイル機器、OA機器などの高機能製品の開発に最適です。

 Ambarellaの「A1プラットフォーム」は、次世代の映像信号圧縮技術であるH.264/AVC映像信号圧縮技術をベースとする、完全統合型のSoCです。このA1プラットフォームを採用することで、HDビデオカメラはもちろんのこと、これまでクオリティの両立が難しかった、高品位の動画と静止画の記録、再生が可能なハイブリッドカメラの開発が可能となります。A1プラットフォームは、HDビデオで標準となっているH.264/AVCのコーデックのほか、動画・静止画処理専用のプロセッサ、イメージセンサー、オーディオ圧縮機能、システムインタフェース機能など、必要な機能がすべて一つのチップに搭載されています。加えて、1ワット以下の低消費電力とリーズナブルなコストを実現しています。また、A1プラットフォームは、 ARM926コアプロセッサを搭載しており、このARMコアがシステム全体の制御を司っています。複雑なプロセスが要求される H.264ビデオ圧縮技術を実装し、競争力のあるチップサイズとコストを実現したA1プラットフォームは、すでに複数の大手カメラメーカーに採用され、現在製品化のための評価が進められています。A1プラットフォームは、ユーザのニーズに応じて、搭載される機能や性能の組み合わせを変えた複数のバリエーションが用意されています。

 ARM11コアベースのMPCoreは、非対称型マルチプロセッシング(AMP:Asymmetrical multi-processing)と対称型マルチプロセッシング(SMP:Symmetrical multi-processing)の、両方のソフトウェア構成をサポートしています(※注1)。eT-Kernel Multi-Core Editionは、こうしたMPCoreの特性を活かして「Single Processor Mode(SPM)」と「True SMP Mode(TSM)」と呼ぶ独自のスケジューリングモードを実装し、SMPとAMPのそれぞれのメリットをひとつのリアルタイムOSで提供することを可能にしました。このスケジューリング機能により、拡張性や高いスループットといったSMPがもつメリットと、高いリアルタイム性やソフトウェア資産の再利用などAMPがもつメリットの、両方を兼ね備えたシステムを開発できます。またeT-Kernel Multi-Core Editionは2つのオープン仕様のインタフェースをサポートしており、 T-KernelおよびT-Kernel/Standard Extensionが提供する標準APIと、POSIX 1003.1, 2003準拠のAPIを提供しています。

 こうしたeT-Kernel Multi-Core Editionが提供する機能により、SMP型システムはもとより、シングルプロセッサ向けまたはAMP型システム向けに開発された既存ソフトウェアをMPCore上で再利用しやすくなります。プログラム間の通信には、実行されるCPUコアの違いを問わず、タスク間で利用されるものと同じ通常の通信/同期APIを使うことができるため、既存のソフトウェア資産の移植が容易です。またひとつのOSにより提供されるため、OS間通信にかかる時間を省くことができ、高速な協調動作が可能です。これらの機能は、MPCoreが持つキャッシュのコヒーレンシ(一貫性)制御機能や進化した通信機能を最大限に活用することで実現しました。

 MPCoreとeT-Kernel Multi-Core Editionを使用するソフトウェア開発時には、eBinderを使うことができます。シングルプロセッサを使用するときと同じ、タスク単位の反復型開発モデルを継承しながら、それぞれのCPU コア上で実行されている個々のプログラムのデバッグや、協調動作するプログラム間やシステム全体の解析などが透過的に行え、 PC一台で効率的な開発ができます。またeBinderには、コード効率が優れたARM RealViewRコンパイラが付属します。

 ARM11コアをベースとしたMPCoreマルチプロセッサは、シングルプロセッサとマルチプロセッサ間でのソフトウェア資産の移植性に優れた、スケーラブルなソリューションを提供します。競合するマルチスレッド式プロセッサと比べて、優れた性能や低消費電力性、より簡単で予測可能なスループットを実現しています。ARMは、組込みシステム業界において最も広く採用されているCPUアーキテクチャで、サードパーティ・プログラムのARM Connected Communityを通じて包括的なサポートを提供しています。システム設計者は、ARM Connected Communityを通じて、ARM PowerdRシステム設計に必要なすべてのものに容易にアクセスできます。

 イーソルは、T-Engineフォーラムの幹事会員として、eT-Kernel Multi-Core Editionのテクノロジーを T-Engineフォーラムに還元し、現在T-Engineフォーラムで開発が進められているマルチプロセッサ対応MP T-Kernelの標準仕様の作成に貢献していきます。

注1)非対称型マルチプロセッシング(AMP:Asymmetrical multi-processing)とは、複数のCPUコアを持つシステムにおいて、それぞれの CPUコアの役割を固定化し、それぞれのコア上で別々のプログラムを処理させる機能分散型のソフトウェア構築方法です。一方、対称型マルチプロセッシング(SMP:Symmetrical multi-processing)とは、それぞれのCPUコアの役割を決めず、単一のプログラムを複数のコアで処理する負荷分散型のソフトウェア構築方法です。AMPでは、従来のシングルプロセッサを使用した場合とほぼ同じように、プログラム内の処理の実行順序が予測可能な環境で動作するため、個々の処理のリアルタイム性を保証することができます。一方SMPでは、アプリケーション全体のスループットを向上させることができますが、プログラムが複数のCPUコアに動的に分割して処理されるため、個々の処理によってはリアルタイム性を確実に保証できない場合があったり、優先度ベースの従来のタスクスケジューリング方式に頼った既存プログラムでは、 CPUコアが空いている場合に、低優先度のタスクが実行されてしまうなど、同期・排他方法に起因する問題が発生する場合があります。

 ・eT-Kernel Multi-Core Edition詳細
  http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel_multicore-edition.html


* eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
* ARM、ARM Powerdは、英ARM社の登録商標です。ARM11、MPCoreは、英アーム社の商標です。

 「ARM」とは、ARM Holdings plc、その事業会社であるARM Limited、各地域の子会社であるARM INC.、ARM KK、ARM Korea Ltd.、ARM Taiwan、ARM France SAS、ARM Consulting (Shanghai) Co. Ltd.、ARM Belgium N.V.、AXYS Design Automation Inc、AXYS GmbH、ARM Embedded Technologies Pvt. LtdおよびARM Physical IP, Inc.の全部または一部を意味します。

* TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
* ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
* μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
* TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
* 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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