富士写真フイルム、第一三共子会社「第一ラジオアイソトープ研究所」の全株式を取得
富士フイルム 放射性医薬品のリーディングメーカー 株式会社第一ラジオアイソトープ研究所の全株式を取得
メディカル事業を核医学画像診断・放射性治療薬領域へ拡大
富士写真フイルム株式会社(社長:古森 重隆、以下「富士フイルム」)は、第一三共株式会社(社長:庄田 隆、以下「第一三共」)の100%子会社である第一製薬株式会社(社長:森田 清、以下「第一製薬」)の子会社であり、放射性医薬品のリーディングメーカーである株式会社第一ラジオアイソトープ研究所(本社:東京、以下「DRL」)の発行済全株式を取得することを決定し、このほど第一製薬との間で株式譲渡契約を締結いたしました。株式譲渡日は平成18年10月2日を予定しており、DRLを富士フイルム株式会社(※1)の100%子会社として新たにスタートさせます。
(※1) 富士フイルム株式会社は、本年10月1日の富士写真フイルム株式会社の持株会社制移行にともない、その事業を継承して設立される新たな事業会社です。
DRLは、昭和43年の設立以来、わが国における放射性医薬品のパイオニアとして、幅広い検査・診断・治療に使用される多様な製品の研究・開発・製造・販売に取り組み、核医学診療の発展に貢献しています。放射性医薬品を用いた核医学検査は、疾病による臓器の形態変化が起きる以前の機能変化などを捉えることができる安全性の高い検査で、さまざまな脳疾患、心臓疾患や腫瘍の診断、治療方針の決定や予後の判定などに大きな役割を果たしています。
富士フイルムは、先進・独自の技術をもって、『人々のクオリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与していく』という企業理念のもと、メディカル事業を主要な事業領域の一つとしてグローバルに事業展開しています。具体的には、世界に先駆けて開発したデジタルX線画像診断システム「FCR」(Fuji Computed Radiography)を通じ、画像診断の画期的な進歩に貢献しています。また、近年はWeb技術を駆使して、各種モダリティ画像をネットワーク上で管理する医用画像情報システム(PACS:Picture Archiving and Communications System)「SYNAPSE」が世界中の多くの医療機関において導入され、高い評価を得ています。また、内視鏡製品は、独自の画像センサー「スーパーCCDハニカム」や画像処理技術により高画質を実現した「経鼻内視鏡」を中心とした特長あるラインアップが広く支持されるなど、メディカル事業の積極的な拡大を図っています。
医療の現場においては、高齢化による疾病の増加や検査数の増加により、検査の効率化、および、身体的負担が少なくてすむ検査、治療が求められており、その中で放射性医薬品を用いた核医学検査は重要な役割を果たすと考えられます。診断と治療の領域の連携が強まる中、早期発見、早期治療、テーラーメード医療の実現のために、機能診断の重要性がますます高まっています。今回の株式取得により、富士フイルムのメディカル事業領域をX線画像診断システムを中心とした形態画像の領域から、隣接分野である核医学画像(機能画像)診断薬、放射性治療薬へと拡大し、今後のメディカル事業の成長につなげるとともに、医療の質や効率の向上、人々の健康の維持増進、クオリティ オブ ライフのさらなる向上に貢献してまいります。
富士フイルムは、「メディカル・ライフサイエンス事業」をはじめとする重点事業分野を核とした新たな成長戦略を中期経営計画の基本戦略として掲げ、設備投資や研究開発の大幅強化とともに、積極的なM&Aの展開による新たな事業拡大を進めており、今回の株式取得もこうした成長戦略の一環です。
<株式会社第一ラジオアイソトープ研究所の概要>
商号 : 株式会社第一ラジオアイソトープ研究所
代表取締役社長 : 降矢 朗行
本社所在地 : 東京都中央区京橋一丁目17番10号
設立 : 昭和43年12月5日
資本金 : 1,400百万円
売上高 : 17,220百万円(平成18年3月期)
従業員数 : 420名(平成18年3月31日現在)
主要製品 : 脳イメージング剤(ニューロライト注射液第一、イオフェタミン(123I)注射液「第一」、ウルトラテクネカウ)、心イメージング剤(塩化タリウム-Tl201注射液、カーディオライト注射液第一、ミオMIBG-I123注射液)、骨・腫瘍イメージング剤(テクネMDP注射液、クエン酸ガリウム-Ga67注射液)、甲状腺疾患治療薬(ヨウ化ナトリウムカプセル)など