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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2007'03.06.Tue

ロシュ、がん治療薬「Tarceva」の膵がん適応でCHMPに承認申請用データの再審査を請求

2006年9月5日バーゼル発

Tarcevaの膵がん適応に関するCHMPの見解に対し、
ロシュが欧州医薬品庁に再審査を請求

数年振りにがん患者に有意な延命効果を示した治療


 ロシュは本日、画期的がん治療薬であるTarceva の膵がん適応に関する欧州医薬品委員会(CHMP)から受けた否定的見解に対し、承認申請用データの再審査を請求したことを発表しました。

 この申請は、Tarceva(erlotinib)とgemcitabine との併用療法による進行性膵がんの一次治療を適応としていました。膵がんは他のがん種と比較し、診断確定後1年以内の死亡例が多く、最も悪性度の高いがんのひとつです(注1)。膵がん患者の治療選択肢は限られており、Tarceva は、数年振りに膵がん患者に有意な延命効果を示した治療薬です。

 ロシュ・グローバル医薬開発ヘッドのエドワルド・ホルドナーは、「膵がんの患者さんには、臨床試験で明らかな延命効果が確認され、すでに米国において本適応で承認されているTarceva のような薬剤による新たな治療選択肢が必要となります。CHMP に対して、このような観点から、彼らの見解に対して再審査を請求しています」と述べています。

 Tarceva は、2005年11月、gemcitabine との併用療法による進行性膵がんの一次治療を適応として米国食品医薬品庁(FDA)からすでに承認を受けています。米国およびEU での承認申請は、gemcitabine 単独療法と比較し、Tarceva とgemcitabine の併用療法が統計学的に有意に生存期間の延長(22%改善)を証明した第III相臨床試験(PA3)(注2)のデータに基づいています。さらに、Tarceva とgemcitabine の併用療法を受けた患者の1年生存率が24%であるのに対し、gemcitabine 単独療法の場合は19%でした。

 ロシュとそのパートナーは、膵がんにおけるTarceva の治療を実現することに注力しています。
 ロシュ主導による転移性膵がん患者を対象としたTarceva とgemcitabine の併用療法におけるAvastin の上乗せ効果を調べる無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(AVITA またはBO17706)を含む、多くの臨床試験計画を実施しています。また、Tarceva は、少なくとも1レジメン以上の化学療法が無効であった、局所進行性または転移性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し、米国およびEU で承認、販売されています。

 2005年10月、進行性膵がんの患者の一次治療としてTarceva とgemcitabine の併用療法が、欧州保健当局に申請されました。2006年4月、中外製薬は、進行性または再発性のNSCLC患者を対象とするTarceva の製造販売承認申請を厚生労働省に行いました。


PA.3 試験について(注2)

 569名の患者が参加した、重要な無作為化第III相臨床試験(PA.3)は、クイーンズ大学に本拠を置くカナダ国立がん研究所の臨床研究グループによって行われました。この二重盲検比較試験では、局所進行性または転移性の膵がん患者におけるTarceva の有効性を評価しました。

 PA.3 の結果から、以下の点が明らかとなりました。

・ 進行性膵がんの患者におけるTarceva とgemcitabine の併用療法では、gemcitabine 単独療法と比較して、22%の生存期間の延長が認められた。
・ Tarceva とgemcitabine の併用療法を受けた患者の1年生存率が24%であるのに対し、gemcitabine 単独療法の場合は19%であった。
・ Tarceva とgemcitabine の併用療法を受けた患者は、統計学的優位に無増悪生存期間の延長を示した(30%改善)。
・ Tarceva とgemcitabine の併用療法は、、血液毒性の増加が認められず、忍容性が認められた。試験で観察された発疹と下痢はTarceva の主な副作用であり、軽度から中程度であった。
・ Tarceva とgemcitabine の併用療法は、単独療法と併用療法の両方における他の試験と同様な安全性プロフィールを示した。


膵がんについて
 膵がんは、欧州では罹患数が第10位のがん(注3)です。すい癌の発症の主な危険因子は、高齢、喫煙、高脂肪食、糖尿病、慢性膵炎、特に遺伝性膵炎、膵がんの家族歴などが挙げられます(注4)。症状は膵臓のどこに腫瘍があるかによって異なります。主な症状は体重減少、腹痛、および黄疸です(注1)。この病気は死に至るまでが早く、過去10年間における生存率を上げるための試みは成功していません。


Tarceva について
 Tarceva(erlotinib)は、ヒトの上皮増殖因子受容体(HER1)のシグナル伝達経路を標的にする低分子の薬剤です。EGFR として知られるHER1 は、このシグナル伝達経路の重要な要素であり、さまざまながんの形成と増殖に大きな役割を果たしています。Tarceva は細胞内のHER1 シグナル伝達経路のチロシンキナーゼ活性を抑制することにより、がん細胞の増殖を阻害します。
 1日1回経口投与にて、Tarceva は肺がんにおいて高い延命効果(42.5%)を示した唯一のEGFR 阻害剤です。現在、ほとんどの肺がん患者は化学療法を受けていますが、化学療法はその毒性のために患者を衰弱させる場合があります。Tarceva は特異的にがん細胞を標的にすることにより化学療法とは異なる作用機序を有し、化学療法で現れる典型的な副作用が軽減されています。

 Tarceva は、少なくとも1レジメン以上の化学療法が無効であった、局所進行性または転移性の非小細胞肺がん(NSCLC)の患者の治療用に、米国およびEU で承認されています。

 Tarceva は、2005年11月2日、局所進行性の切除不能または転移性の膵がんに対するgemcitabine との併用療法での一次治療として、米国食品医薬品庁(FDA)の承認を受けました。

 Tarceva は、現在、OSI Pharmaceuticals、ジェネンテック、およびロシュによる早期NSCLCを対象とした適応拡大臨床試験プログラムで評価されています。さらに、Tarceva はNSCLC の治療におけるAvastin との併用療法についても臨床試験が実施されています。卵巣がん、細気管支肺胞上皮がん(BAC)、結腸・直腸がん、膵がん、頭頸部がんおよび神経膠腫(脳)などの他の固形がんにおける臨床試験も行われています。


ロシュについて
 ロシュは、本社をスイスのバーゼルに置く、医薬品と診断の領域で活躍する世界トップクラスの研究開発型ヘルスケア企業グループです。疾病の早期発見、予防、診断、治療のための革新的製品およびサービスのサプライヤーとして、ロシュ・グループは人びとの健康とQOL の改善に多方面で貢献しています。ロシュは診断薬分野では世界第1位、がんおよび移植関連分野ではトップサプライヤー、ウイルス分野でもマーケットリーダーとなっています。2005年度の売上は、医薬品事業領域では273億スイスフラン、診断薬事業領域は82億スイスフランでした。世界150カ国に約7万人の社員を擁し、多数のパートナー企業と戦略的アライアンスや研究開発契約を締結しており、またジェネンテックと中外製薬両社の株式の過半数を取得しています。
 ロシュ・グループに関するさらに詳しい情報は、 http://www.roche.com/ でご覧下さい。


 本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。

詳しくは、それぞれ下記をご覧下さい。
 がんについて: www.health-kiosk.ch
 がん領域におけるロシュについて: www.roche.com/pages/downloads/company/pdf/mboncology05e_b.pdf
 ジェネンテックについて: www.gene.com/
 OSI Pharmaceuticals について: www.osip.com


参考文献:

注1.Steward, B W and Kleihues, P. 2003. World Cancer Report. World Health Organisation and the International Agency for Research on Cancer, IARC Press/Lyon, p248

注2.Moore MJ, Goldstein D, Hamm J, et al. Erlotinib plus gemcitabine compared to gemcitabine alone in patients with advanced pancreatic cancer. A Phase III trial of the National Cancer Institute of Canada Clinical Trials Group [NCIC-CTG]. (Abstract #1, ASCO 2005)

注3.De Braud F, Cascinu S, Gatta G. 2004, May. Cancer of Pancreas. Critical reviews in oncology/hematology, 50(2):147-55

注4.Truninger K (ed). 2002, Aug. Risk groups for pancreatic and bile duct carcinomas. Schweizerische Rundschau fur Medizin Praxis, 17;89 (33):1299-304

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