中外製薬、HIVプロテアーゼ阻害剤「インビラーゼ錠500mg」を発売
HIVプロテアーゼ阻害剤「インビラーゼ(R)錠500mg」
9月15日に新発売
中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/社長:永山治](以下、中外製薬)は、HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)感染症治療薬であるHIVプロテアーゼ阻害剤「インビラーゼ(R)錠500mg」(一般名:メシル酸サキナビル)を、9月15日に新発売いたしますのでお知らせします。薬価は1錠422.30円(1日薬価:1689.20円)です。
日本において、1997年9月から販売を開始している「インビラーゼ(R)カプセル200mg」(以下、「インビラーゼ(R)」)は、英国ロシュ社が世界で初めて開発したHIVプロテアーゼ阻害剤です。「インビラーゼ(R)」は、米国で1995年12月に承認されて以降、世界80カ国以上で承認を取得しています。
「インビラーゼ(R)」の発売後、他剤との併用経験が蓄積されるにしたがい、「インビラーゼ(R)」とHIVプロテアーゼ阻害剤リトナビル(製品名:「ノービア(R)」)との併用により「インビラーゼ(R)」の血中濃度が顕著に上昇することが判明しました。このことから、米国保険福祉省(DHHS:Department of Health Human Services)のガイドラインによって、「インビラーゼ(R)」1回1000mg・リトナビル1回100mgを1日2回投与することが推奨されるようになり、この用法・用量は、欧州では2002年9月、米国では2003年12月に承認を取得しています。
一方、製造元であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社は、推奨された用法・用量で「インビラーゼ(R)」を服用した場合、1回の服用カプセル数量が多くなることから、患者さんの服用時の負担軽減および服用アドヒアランス(※)の向上を図るために「インビラーゼ(R)錠500mg」を開発し、米国で2004年12月、欧州では2005年5月に承認を取得しました。現在、「インビラーゼ(R)錠500mg」は世界50カ国以上で承認を取得しています。
今回新発売する「インビラーゼ(R)錠500mg」は、こうした海外での使用状況を踏まえ、2006年7月20日にHIVプロテアーゼ阻害剤リトナビルとの併用療法と併せて剤形追加の製造販売承認申請を厚生労働省に行っていたもので、2006年9月1日に承認を取得し、9月4日に薬価収載されました。
以上
(※) 服用アドヒアランス:患者さんが積極的に治療方針の決定に参加し、自らの決定に従って治療を実行(服用)し、それを続けていく姿勢を重視した用語
インビラーゼ(R)は、F.ホフマン・ラ・ロシュ社(スイス)の登録商標です。