ナショナルセミコンダクター、次世代携帯電話基地局アーキテクチャ向けのシリアライザ／デシリアライザ製品を発売
ナショナル セミコンダクター
世界初の±８００ｐｓファイバＤＣＭ精度保証のＣＰＲＩ ＳｅｒＤｅｓを発売
無線容量とカバレッジ向上のため、次世代の基地局アーキテクチャを可能にするＳｅｒＤｅｓ製品
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社（本社：東京都江東区木場２丁目１７番１６号、代表取締役ユーゲン・ヘルト、資本金：４２億７５０万円）は、次世代の携帯電話基地局アーキテクチャ向けの先進的なシリアライザ／デシリアライザ（ＳｅｒＤｅｓ）製品を発売したと発表しました。
高性能アナログ・シグナルパス製品のリーディング・プロバイダであるナショナルが発売した新しいＣＰＲＩ（Ｃｏｍｍｏｎ Ｐｕｂｌｉｃ Ｒａｄｉｏ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）ＳｅｒＤｅｓ製品ＳＣＡＮ２５１００は、±８００ｐｓのＤＣＭ（Ｄｅｌａｙ Ｃａｌｉｂｒａｔｉｏｎ Ｍｅａｓｕｒｅｍｅｎｔ）精度を保証するとともに、すべてのＣＰＲＩインタフェース信号電圧やジッタ特性の要件を上回る性能を持った世界初の製品です。加えて、デジタル信号処理を行う基地局にＲＲＨ（ｒｅｍｏｔｅ ｒａｄｉｏ ｈｅａｄ）を自動的に同期させるデュアル・オンボードＰＬＬ（フェーズ・ロック・ループ）機能を搭載しています。こうした機能は、さまざまなアンテナ技術を用いることによって、無線効率や運用のフレキシビリティの向上、無線容量とカバレッジの最大化、さらにはバックホールや施設用地、帯域関連のコスト低減を実現する、分散型基地局アーキテクチャを可能にします。
ＳＣＡＮ２５１００ ＣＰＲＩ ＳｅｒＤｅｓは、次世代のＧＳＭ、ＣＤＭＡ、Ｗ－ＣＤＭＡ、ＣＤＭＡ２０００、ＷｉＭＡＸ、ＴＤ－ＳＣＤＭＡなどの基地局アーキテクチャのほか、レーダー、衛星、試験機器、医療用イメージング、粒子加速器などの高性能データ伝送アプリケーションにも非常に適しています。
基地局のベンダやオペレータがデータやビデオのモバイル・ブロードバンド・コンテンツ配信のコスト効率を高めるには、既存のスペトラム内で無線容量の拡大やカバレッジ向上を図らなければなりません。現在の変調技術やコーディング技術は周波数やタイム・ドメインの面で理論上の容量的限界に近づいていることから、ベンダやオペレータは、モバイル利用者にＤＳＬのような魅力的な体験を提供できる方法として、スペース・ドメインまたはさまざまなアンテナを使用する分散型基地局アーキテクチャへと向かいつつあります。
分散型基地局アーキテクチャは、無線回路を基地局から個々のアンテナに移すことによって、無線エレクトロニクスを分散化します。そうしたＲＲＨは、中央基地局に対してインターコネクト遅延や同期の点で問題を引き起こすため、その解決が課題となっています。ＳＣＡＮ２５１００は、ナショナルが特許申請中の高精度ＤＣＭ回路と独立した送受信ＰＬＬを内蔵しており、コンポーネントの追加や複雑なシステム干渉を行わずに、遅延を正確に測定し、ＲＲＨを中央基地局にシームレスに同期させます。
メガバイトあたりのコスト低減を図りながら、携帯電話の無線容量とカバレッジの向上を目指す目標に向けた次の大きなステップは、「スマートな」マルチエレメント・ビームステアリング・アンテナやマルチ入力／マルチ出力（ＭＩＭＯ）アンテナをＲＲＨに実装することです。ただし、そうしたマルチアンテナシステムの場合、タイミング要件が一層タイトになる可能性があります。基地局とそうしたＲＲＨ間の遅延較正は、従来のロジック・アプローチでは正確に行うのが困難です。ＳＣＡＮ２５１００は、２００ｐｓもの小さなファイバ遅延変動をトレースするため、基地局～ＲＲＨ間、ＲＲＨ～ＲＲＨ間のファイバ遅延成分を±８００ｐｓの精度保証で正確に測定できるＤＣＭ回路を内蔵しています。特許申請中のこのＤＣＭ回路は、ＳＣＡＮ２５１００自身のデタミニステック（確定的）レイテンシの正確なレポーティングやオフチップ・システムの遅延測定も可能です。ＤＣＭ回路はトランスペアレントに動作し、ＣＰＲＩデータリンクを妨げることはありません。全温度範囲にわたってファイバ遅延変動をトレースする時など、必要に応じて、システム・ソフトウェアを使ってＤＣＭ回路を５ｍｓ（ミリ秒）ごとに起動させることも可能です。
ナショナルは、１１月１４日から１７日までドイツのミュンヘンで開催される展示会、Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃａのブース（ホールＡ４、ブース番号：５０６）で、ＳＣＡＮ２５１００のデモを行います。
ＳＣＡＮ２５１００ ＣＰＲＩ ＳｅｒＤｅｓの技術的特長
ＳＣＡＮ２５１００は、２４５７．６Ｍｂｐｓ、１２２８．８Ｍｂｐｓおよび６１４．４Ｍｂｐｓの３種の伝送速度を持ち、高精度の遅延較正や独立した送受信ＰＬＬ機能に加えて、優れた高速ミクスト・シグナル／クロック・マネジメントやコンディショニング機能も搭載しています。さらに、ジッタや電圧に関する高電圧、低電圧両方のＣＰＲＩ標準仕様値を上回る、プログラム可能なシリアル・トランスミット・ディエンファシス／レシーブ・イコライゼーション機能も装備しています。このほか、８ｂ／１０ｂエンコーディング、ライン・コード・バイオレーション、コンマ検出、ロック検出、信号のＣＰＲＩロスおよびフレームのロス、シリアル・ターミネーション、プログラム可能なＬＶＴＴＬまたは１．８Ｖ ＣＭＯＳパラレル・インタフェース、ＩＥＥＥ １１４９．１／６対応のＪＴＡＧ ＳＣＡＮテスタビリティなどの機能も内蔵しています。優れたジッタ特性、８ｋＶ ＥＳＤ（静電気放電）耐量、ホット・プラグ保護機能を備えたＳＣＡＮ２５１００は、光ファイバ、バックプレーン、長さが１５ｍ以上のケーブル向けの極めて安定したインターコネクト・ソリューションです。
また、オプションとして、ＳＣＡＮ２５１００と同性能で速度を落とした１２２８．８Ｍｂｐｓおよび６１４．４ＭｂｐｓのＳＣＡＮ１２１００も提供します。
最適なシステム・パーティショニングを実現するため、ＳＣＡＮ２５１００とＳＣＡＮ１２１００では、ハイレベルなＦＰＧＡコードとして、ＣＰＲＩフレーマ・プロトコルを提供します。カスタム化が可能なハイレベルのコードは、既存の低コストのＦＰＧＡに組み込み可能です。この最適なパーティショニングによって、難しいアナログＳｅｒＤｅｓ、クロッキングおよびＤＣＭの機能をＳＣＡＮ２５１００やＳＣＡＮ１２１００が担い、リコンフィギュラブルなＦＰＧＡがロジック機能を受け持つ形になります。その結果、最高のジッタ特性やタイミング特性が得られ、将来への適応性を持ったシステム設計が可能になります。
ＳＣＡＮ２５１００とＳＣＡＮ１２１００に関する詳細情報やサンプルの注文についてはそれぞれ、
http://www.national.com/pf/SC/SCAN25100.html、
http://www.national.com/pf/SC/SCAN12100.htmlをご覧ください。
ナショナルのインタフェース製品
ＬＶＤＳ（小振幅差動信号）技術のイノベータで、市場リーダーであるナショナルは、ワールドクラスのアナログ技術を用いて高速デジタル信号伝送を行う広範なインターコネクト・ソリューションを提供しています。これらのソリューションを使用することで、通信や産業用システムを含む様々な市場分野で高性能アプリケーションの開発が可能になります。ナショナルの通信用インタフェース製品は、高信頼性、低消費電力、低ノイズ、ケーブルやコネクタ関係の大幅なシステムコスト低減などを特長としています。Ｄａｔａｂｅａｎ社の２００５年アナログＩＣ市場シェア調査レポートによると、ナショナルは高速ＬＶＤＳ製品の世界最大のサプライヤです。ナショナルのインタフェース製品に関する詳細情報は、
http://www.national.com/JPN/appinfo/interface/をご覧ください。
＜供給＞
ＳＣＡＮ２５１００とＳＣＡＮ１２１００はすでに出荷が開始されています。
高解像度の製品画像は米国本社のフォト・ギャラリ、http://www.national.com/company/pressroom/gallery/network.htmlで入手できます。
このニュースリリース（製品画像付き）はナショナル セミコンダクター ジャパンのウェブサイト http://www.national.com/JPN/news/item/0,4140,629,00.html でもご覧いただけます。
＜商標＞
Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒはナショナル セミコンダクター コーポレーションの登録商標です。その他のブランドおよび商標または登録商標は、各社の所有に属します。
ナショナル セミコンダクター コーポレーションは、付加価値の高いアナログ・デバイスやサブシステムを創造し、世界の市場をリードするアナログ企業です。ナショナルはパワーマネジメントＩＣ、ディスプレイ・ドライバ、オーディオ・アンプ／オペアンプ、インタフェース製品およびデータ・コンバージョン・ソリューションを提供しています。主要アナログ市場はワイヤレス・ハンドセット、ディスプレイおよび医療、自動車、産業用、計測／測定向けアプリケーションなどの広範なエレクトロニクス機器です。本社はカリフォルニア州サンタクララで、２００６年５月２８日に終了した２００６会計年度の売上高は２１億６，０００万ドルでした。
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社（資本金 ４２億７５０万円）は、ナショナル セミコンダクター コーポレーションの全額出資の日本法人で、各種半導体、集積回路（ＩＣ）の輸入、販売を行っています。本社は東京で、大阪に支社を持っています。設立は１９６９年１１月、従業員数は約１３０名です。
ウェブサイト・アドレス：
ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社：http://www.national.com/JPN/
米国本社：http://www.national.com/
＜その他からのお問い合わせ先＞
ＴＥＬ： ０３－５６３９－７３００（大代表）
Ｅ－Ｍａｉｌ： jpn.feedback@nsc.com