FDK、エネルギー損失を低減させたHighQタイプの高周波積層チップインダクタを開発
0603サイズでHighQタイプの高周波積層チップインダクタの開発に成功!
(※製品画像あり)
高周波積層チップインダクタ「AML0603E」
FDK株式会社(社長:杉本俊春)は、携帯電話などの高周波回路の信号系部品として、世界最高レベルのQ値*特性を持つ高周波積層チップインダクタ「AML0603Eシリーズ」を開発いたしました。 本シリーズは、0603サイズとして従来品に比べ高周波帯域におけるエネルギー損失を20~30%低減させたHighQタイプの高周波積層チップインダクタです。
近年、携帯電話は、利便性の追求から高機能化、小型化が急進しています。通話、データ送受信などの基本機能に加え、デジタルTVチューナ、GPSモジュールなどの多くの機能が付加されています。それに伴い携帯電話の個々のモジュールの小型化、モジュールに使用されるチップ部品には高性能化が要求されており、さらに、これらに使用されるインダクタ部品についても小型化とエネルギー損失の低減が要求されています。
当社は、これらのニーズに応えるため、業界に先がけて0603サイズを開発・提供してまいりましたが、CAE(コンピュータ利用による設計開発システム)によるシミュレーション設計技術、ファインセラミックス材料技術、積層プロセス技術などの活用により、直流抵抗の上昇を可能な限り抑えながら、Q値特性を向上させた「AML0603Eシリーズ」を開発しました。本シリーズをPAモジュールのRF回路等で使用することにより、従来の0603タイプを使用した場合と比べ、パワーアンプの効率が向上し、消費電力の低下等の特性改善が図れます。
本シリーズは、さまざまなバリエーションに対応するため、インダクタンス値が高周波回路で多く用いられる2.0nH~12nHの範囲で、20機種ラインアップしました。携帯電話を始めとする無線通信市場に向けて、06年末より量産を開始する計画です。なお、本シリーズは、10月3日から7日まで幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2006に出展いたします。
*Q値とは
インダクタの特性を表す係数のひとつ。Q値が高いほど、損失が小さく高効率なインダクタとされる。高周波デバイスにインダクタを組み込んだ場合においては、消費電力の低下に効果がある。
<AML0603シリーズ仕様比較>(*添付資料参照)