光岡自動車、ファッションスーパーカー「大蛇(オロチ)」を発表
大蛇【オロチ】の主旨と考え方
I なぜ、大蛇【オロチ】を「ファッション スーパーカー」と呼ぶのか?
スーパーカーの定義とは何でしょうか。特にあるわけではないと思います。1970年~80年代のイタリア、イギリス、ドイツ、アメリカで発売されたMR、FRのスポーツカーもしくはGTのクルマを誰からともなくそう呼んだのではないでしょうか。
そのスーパーカーを分類すると大きく2つに分けられると思います。1つは、エンジンシリンダー数・馬力数を競い、レースで培った技術を投入した高性能を追求するクルマ。
そしてもう一つは最低限の出力のエンジンを搭載し、「流して走る」事を目的とされたスーパーカーが存在しました。
特にイタリアはスーパーカーの宝庫と言うべき有名なデザイナーが競うように発表していました。イタリアといえばファッションの国。その国のクルマはファッションセンスに優れた人達をより引き立て服装やアクセサリーを着こなすようにクルマも「かっこよく」乗りこなしていました。
ただ一つ、世界で「スーパーカー」と呼ばれるクルマには共通点があります。エクステリア(外観)の特徴です。「地を這うような低い車体」「特徴的なボディラインを持つデザイン」生産国に関係なく、誰もが一目見ると「スーパーカー」と呼ぶエクステリア(外観)のデザインを持って、存在感を主張しているクルマ。それが「スーパーカー」でした。
当社がこの度、発表する大蛇【オロチ】は、デザイン重視のクルマです。老若男女クルマに詳しくない人が、一目見ても「スーパーカーだ。」「かっこいい。」と認識するクルマ。ファッションを楽しむように、自分の生き方や、センスを投影し、表現できるクルマを「ファッション スーパーカー」と私たちが名付けたのです。
それでは、この「ファッション スーパーカー」の良い点はどこ?
当社がそれをどう考えているかと申しますと。
新旧問わず、高性能重視のスーパーカーは、レーシングカーのような爆音を出し、最高速は300kmを越えました。しかしながら、とても誰でもが運転できるものではありません。
150km以上速度を出さなければ安定せず、一般道の速度では足回りが固すぎて1時間の運転で疲れてしまう。重いクラッチ、重いハンドル。その様なスーパーカーが多くあります。確かにそういったクルマを乗りこなすのもクルマの価値、面白さの一つだと思います。
当社の大蛇【オロチ】は、合理性や、アスリートのような運動性能を持ったクルマにしようと考えた事はありません。全てが揃った優等生でなくてもいい、70年代の世界のスーパーカーが持っている「特別で独創的な何か」を持ったクルマでなくてはならない。
それは、スペックや数値の理論では説明できない人間の心をえぐるような感覚。
ファッションのように「「かっこよさ」を着こなし、ロマンチックな非日常を過ごす喜びに似ています。だから大蛇【オロチ】のデザインは、刺激的でわかりやすく、情熱的でなくてはならないのです。
大蛇【オロチ】は、スーパーカーの情熱的なスタイルを持ち
「必要最低限の出力のエンジンで、さほど燃費を気にしなくても良いスーパーカー」
「ハンドルも適度に軽く、オートマチックミッションでシフトチェンジを気にしなくても良いスーパーカー」
「パーツ代も、メンテナンス費用も高額にならないスーパーカー」
にしたいと考えました。
大蛇【オロチ】は、エクステリア(外観)は存在感を主張し、誰もが振り返る、飾って絵になるデザインを持っている、日常に使用できるスーパーカー。
そのようなクルマ「ファッション スーパーカー」を制作することを目標にしました。
II スーパーカー ブーム
以前日本には、スーパーカー ブームとよばれた時期がありました。1970年中盤~末にかけて漫画や、アニメ、カード、玩具、文具など多くのグッズが売り出され、日本各地でスーパーカーショーが開催されました。子供から大人まで「憧れ」のまなざしでスーパーカーを見ていました。
当社でも77年頃、富山県の本社でスーパーカーショーを開催しました。小学生から高校生まで免許を持っていない子供たちが自転車で集まり、写真を撮り、当社の社員が社屋に入れないほどの人だかりとなりました。店舗が閉まる時間帯でも、ガラス越しに覗く人たちが減る事はありませんでした。
「かっこいい」「乗ってみたい」・・・「憧れ」がクルマにありました。
この熱狂的な盛り上がりは、そのまま「クルマへの憧れの大きさ」だったと思うのです。
III 「クルマへの憧れ」を復活させたい
2001年 大蛇【オロチ】は、東京モーターショーで初デビューを飾りました。その時大蛇【オロチ】を見に来ていただいた一般のお客様の数の多さ、盛り上がりは、77年のスーパーカーショーを思い出させるものでした。当社では予想もしていない出来事でした。
近年、クルマに憧れを持つ人が少なくなっていると聞きます。子供もクルマは便利なモノとなり、電化製品のような感覚に近いと感じます。ミニカー玩具も乗用車タイプのものが売れないそうです。
免許を持っている若者は、コンピューターゲーム、携帯電話が欲しいモノの上位となり、クルマを所有していることが「かっこいい」とは思われなくなったと感じます。
バブル崩壊後、スーパーカーはあまり姿を見なくなりました。高額すぎる価格と維持費又、日本の国産乗用車のハッチバック、4ドアセダン、ミニバンと実用性の高いクルマに高性能なエンジン、足回りを搭載したグレードの登場によって、速さはスーパーカーとほとんど差がなくなり、高性能で高品質、低価格と優等生のクルマが出来上がりました。
それを否定するつもりは全くありません。それを成し遂げるには多くの技術や資金が必要ですし、クルマの進化には不可欠なものです。そしてなにより、クルマの選択や趣味は自由で楽しいものです。
しかしながら、今、日本が失ってしまった「クルマへの憧れ」や「夢」は実用の中からは生まれにくいと思います。「あっ」と驚く、目を追ってしまう要素が必要です。それはクルマに乗っていない人、興味が少ない人から生まれるものもあるからです。
現代のクルマのように完璧とは言いがたい、70~80年代当時のスーパーカーですが子供たちの目は一心不乱に「クルマを憧れ」として追いかけていました。
大蛇【オロチ】は、2001年の東京モーターショーデビュー以来、多くの方々から激励をいただき、数十名の方からご購入希望をいただきました。
当社や、大蛇【オロチ】が「クルマへの憧れ」を再び作るといった大きな事は出来ません。
ただ「復活のきっかけ」になればと考えるのです。
そして、私たちは、どのメーカーよりもクルマという商品を通して、自由な楽しさ、夢を提供したいと考えています。
IV 「メイド イン ジャパン」のスーパーカーを目指して
「メイド イン ジャパン」の売りは、高性能で高品質、低価格です。しかしながら海外のクルマのような自由度はありません。商売ベースでクルマを作るとスーパーカーはやってはいけない事業となります。それは世界の自動車メーカーの歴史を見ても明らかで、作りたいクルマを作る。とはいかないのです。
当社のような小さな会社にとっても、大蛇【オロチ】を開発し、市販させることは社内の反対も多く、難産でした。現在の当社で生産可能台数を考えると、開発費の回収はできません。
海外で製作し、日本に輸入する方法を取れば、日本の型式認定は取得しなくても良く、安易で済みます。しかしながら当社の大蛇【オロチ】では「メイド イン ジャパン」日本製にこだわりました。
では、なぜ日本製にこだわるのか。
一つは、商売として成り立たないスーパーカーのような自由度の高いクルマは、日本では生まれないからです。それを日本で発売することは小さな会社だから出来ることで、意義があると考えました。
もう一つは、今の時代、日本の職人で作ることが必要であると感じたからです。工業製品の多くが海外で作られ、日本に輸入されています。日本の職人技とも言える仕事は少なくなっているのではないでしょうか。
この大蛇【オロチ】は、富山の工場で、職人による手作業で組み立てられます。そのようなクルマは日本には存在しません。
V 職人による組立のクルマ大蛇【オロチ】は、完全受注生産 400台です。
大蛇【オロチ】は、完全受注生産の体制を取ります。
前述のとおり、生産は、職人による手作業の組立になります。フレーム構造の基本設計をスペースフレームとした大きな理由は、その生産性を踏まえ、検討した結果です。
400台という台数は、およそ4年間の生産台数です。400台目のお客様は、申し訳ございませんが、4年先までお待ちいただくことになります。
古典的な製法ではありますが、スペースフレームにボディを載せるクルマには、それ独自の乗り味が存在します。
最新型のクルマとは異なるボディのしなやかな動きなど言葉では言い表せない感覚です。
VI おわりに
スペースフレームの乗り味に、現代の性能と、必要最低限の出力を持ったエンジン、装備を大蛇【オロチ】は持っています。
大蛇【オロチ】には、フロントにメーカーの証ともいえるエンブレムを装着していません。
「ファッション スーパーカー」は、自由な精神も持ち合わせています。
「ファッション スーパーカー」大蛇【オロチ】は、新たな1つのジャンルのクルマとして成立を目指して発表いたします。
■本件に関するお客様へのお問合せ先をご掲載願います。
・・オロチ専用 フリーダイヤル 0120-676-244
・・オロチ専用ホームページ http://www.mitsuoka-orochi.com/ をご掲載下さい。
以上
大蛇【オロチ】の年内 広報活動について
【10月 予定 】
2日(月) 発表会 六本木ヒルズアリーナ
7日(土) パレード 三重県 津~鈴鹿、スーパーカーパレードに参加
14日(土) イベント 岐阜県 岐阜市モーターフェスティバル・コルモラーニ2006
15日(日) inぎふに参加
28日(土) イベント 栃木県 ツインリンクもてぎヒストリック・オートモービル・
29日(日) フェスティバル・イン・ジャパンに参加
【試乗会について】
マスコミの皆様向け試乗会は、型式認定取得後を予定しております。現状では11月末から、12月の初旬ごろを予想しておりますが、試験スケジュールによりますので変更の場合は、ご了承ください。
必ず、当社よりご案内をさせていただきます。
【発表会後の試乗、車両貸出について】
現在、ナンバー取得車両は、全てテスト車両の為、試乗・車両貸出はできません。
車両撮影に関しましては、当社からの持ち込み、展示場の近辺にてお受けいたします。
ただし、車両数は限られておりますのでスケジュールは希望をお伺いし、調整をいたします。
よろしくお願い申し上げます。