シャープ、トウモロコシを原料とした速乾性の新・植物系樹脂塗料を開発
従来比※11/2の乾燥時間と、塗装工程の簡易化を実現。
亀山第2工場製AQUOSから採用
トウモロコシを原料とした速乾性の新・植物系樹脂塗料(デンプン塗料)を開発・実用化
シャープは、関西ペイント株式会社(以下、関西ペイント:大阪市・小林正受 社長)と共同開発したトウモロコシのデンプンを主原料とした植物系樹脂塗料(デンプン塗料)※2をさらに進化させ、乾燥時間を1/2に短縮し、塗装工程の簡易化を実現した速乾性の新・植物系樹脂塗料の開発・実用化に成功しました。
植物系樹脂塗料は、石油などの化石資源を原料とする一般的な塗料に比べ、地球温暖化を抑止し、環境負荷を軽減できます。
シャープと関西ペイントは、2004年より植物系樹脂塗料の共同開発に取り組み、2005年12月に世界で初めて家電製品のプラスチック部品に塗装する技術を開発し、2006年から液晶テレビAQUOSのスタンド部分の塗料に採用しました。この塗料は、主剤と硬化剤の二つの液を混合し化学反応により主剤を固化させるので、乾燥時間がかかるため生産ラインが長くなるなど、課題がありました。
新・植物系樹脂塗料は、従来型植物系樹脂塗料に使用していた硬化剤を使用せずに、主剤と溶剤のみから構成されています。溶剤が揮発することで主剤が固化するので、乾燥時間が1/2に短縮され、塗装工程も大幅に削減しました。これまでの植物系樹脂塗料の耐久性や、光沢・質感などを低下させることなく塗装性能を大幅に向上させたもので、広い製品分野に採用することが可能になりました。
10月から世界同時発売の液晶テレビAQUOS※3のスタンド部分に採用し、今後、当社は冷蔵庫・エアコン・洗濯機など白物家電への採用を、また関西ペイントは、新たな市場分野への展開を図ってまいります。
当社は、今回開発した技術を「廃プラスチックのクローズドマテリアルリサイクル技術開発」「植物系プラスチックと廃プラスチックのブレンド技術開発」に続く、「環境調和型プラスチック材料技術」と位置づけ、さらに環境負荷を低減する家電製品の創出に取り組んでまいります。
※1 従来型植物系樹脂塗料比
※2 本特許は関西ペイントが保有。応用特許を両社がそれぞれ出願中
※3 LC-52GX1W/52GX2W/46GX1W/46GX2Wに採用
詳細はこちら→http://www.sharp.co.jp/corporate/news/061006-a-2.html