積水化学、光学シート用表面保護フィルムの生産能力を1.5倍に拡大
光学シート用表面保護フィルムの生産能力を1.5倍に拡大
―新製品開発により各種光学シートに対応―
積水化学工業株式会社(社長:大久保尚武、以下当社)の高機能プラスチックスカンパニー工業テープ事業部は、ポリエチレンをベースとした光学シート用各種表面保護フィルムを開発し、事業を展開しています。
これらの製品は独自の多層共押出製造プロセスにより、被着体への汚染や糊残りが非常に少ない、溶剤を一切使わず環境にやさしいなど、数多くの優れた特徴を有しています。この度、市場の急速な拡大と要求品質の高度化に応えるべく、下記のとおり新たなラインを増設するとともに、製品ラインナップを拡充します。これにより供給の安定化を図るとともに、さらなる事業拡大を目指します。
記
I.市場背景
現在、液晶ディスプレイをはじめとしたフラットパネルディスプレイ(以下FPD)にはさまざまな光学特性を有するシートが使用されており、これらの製造・輸送・加工などの各工程で光学シートの性能保持のために各種の表面保護フィルムが利用されています。
昨今、FPDの急激な生産量増加に伴い、表面保護フィルムの需要も大きく拡大を続けています。
II.光学シート用表面保護フィルムの生産能力を増強
この度当社は、FPD市場が今後引き続き成長することを見込み、お客様への製品供給力を向上すべく、本製品群の基幹工場である武蔵工場(埼玉県蓮田市)に、今年7月の稼動を目指し新ラインを増設することを決定しました。これにより、光学シート用表面保護フィルムの生産能力は現在の1.5倍になります。なお、ライン増設の投資額は約20億円です。
III.当社の光学シート用表面保護フィルムについて
当社は30年以上に渡り、多層共押出製法により、素材・表面状態・加工方法等などのお客様のニーズにマッチし、被着体への糊残りが少ない保護フィルムの開発・生産を行ってきました。
2004年に本格的な光学シート専用のクリーン環境で異物の少ない独自ラインを立ち上げ、現在はFPD市場にもさまざまな製品を提供しています。当社の光学シート用表面保護フィルムの主な特徴は以下の通りです。
1)低汚染性
共押出製法のため、素材に対する糊残りが大幅に少なくなっています。不純物の少ない配合で、汚染性が極めて低くなっています。
2)豊富な品揃え
光学シートの種類・材料・表面状態・加工方法にあわせて、さまざまな品揃えを用意しています。
3)高度なクリーン性
クリーンルーム生産により、外部からの異物混入やフィルム自身の異物を排除し、ミクロなキズ、へこみなどの素材への悪影響を低減します。
4)環境にやさしい
溶剤を全く使用していない・リサイクルがしやすい等、環境に充分配慮した製品です。
IV.光学シート用表面保護フィルムの新製品の開発について
当社はこれまでの製品ラインアップに加え、凹凸面など、被着体シートの表面状態によって粘着性能が不足していたものにも充分応えられるクリーンな強粘着タイプの新製品を開発しました。当社独自の粘着制御技術・成形技術を駆使し、従来共押出製法では適用できなかった被着体にも対応できる新製品を投入し、お客様の各種のご要望にお応えします。
V.展示会等のご案内について
光学シート用表面保護フィルム新製品を4月11~13日に東京ビッグサイトにて開催される「第17回ファインテック・ジャパン」に出展します。
また同展示会では他に「低臭・超低VOC両面テープLSV(以下LSV)」や他の電気・電子部材用テープなども展示します。LSVは車輌内装部材の固定用として、自動車業界におけるVOC13物質削減の要望に応える形で販売してきました。今後は自動車業界以外にも「環境」「安全」「快適」の要求に応える両面テープとして多用途への展開を目指します。
光学シート用表面保護フィルム新製品とLSVを当社の創立60周年記念商品として展開していきます。
以 上
(参考参考)表面保護フィルムの製造プロセス表面保護フィルムの製造プロセス
※添付資料を参照