J.D.パワー、「2007年日本自動車ファイナンス調査」結果を発表
自動車ファイナンスの満足度ランキング、
ローン利用者の満足度はフォルクスワーゲン・ファイナンシャル・サービス・ジャパンが2年連続1位、
ディーラーの満足度ではBMWジャパン・ファイナンスが第1位
2007年日本自動車ファイナンス調査(AFS)
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D. パワー)は、2007年日本自動車ファイナンス調査(Automotive Financing Study、略称AFS)の結果を発表した。
今年で4回目となる当調査は、自動車ローンやリースを取扱うファイナンス会社に対する満足度を、(1)自動車ローンを正規ディーラーで契約した新車購入者の視点および(2)正規ディーラーの視点において測定するものである。
当調査の結果は、自動車ローンを提供しているファイナンス会社に対して、ローン利用者およびディーラーの満足度向上に向けた戦略を立てるための指針を提供することを目的にまとめている。
◆ディーラーのきめ細かい対応がローン利用者の満足度向上につながる◆
自動車ローンをディーラーで契約した新車購入者のファイナンス会社に対する総合的な顧客満足度は、「契約手続」(40%)、「商品力」(39%)、「(ディーラーの)営業スタッフ」(22%)の3つのファクターで構成されている(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。各ファクターの総合満足度に対する影響度は昨年の調査からほとんど変化がなかった。
当調査では、各ファクターの複数の詳細項目に対する評価をもとに総合満足度スコアを1,000ポイント満点で算出し、顧客満足度ランキングをまとめている。その結果、フォルクスワーゲン・ファイナンシャル・サービス・ジャパンが昨年に引き続き第1位となった。総合満足度スコアは785ポイントだった。すべてのファクターでランキング対象となったファイナンス会社の中で最も高い評価を得ている。第2位には昨年から順位を一つ上げ、三菱オートクレジット・リース(742ポイント)が入った。第3位はスバルファイナンス(736ポイント)だった。
今回の調査では、ローン利用者が借入先を決定した時期について尋ねている。その結果、ディーラーにおけるローン契約者の72%は、購入車の決定と同時に借入先を決めていたことが明らかになった。しかし、このような顧客の総合満足度は、事前に借入先を決定していた人よりも低水準に留まっている。
この背景として、特定の借入先を決めずにディーラーへ来店した顧客は、借入の詳細について未検討のままディーラーの営業スタッフから勧められるローンを選択する傾向が強く、自身で十分な納得感を得にくいことが指摘できる。したがって、こうした購入資金に迷いがある顧客に対してこそ、ディーラーの営業スタッフがよりきめ細かい対応をすることが、全体の顧客満足度の向上につながるものと推察される。
以上の分析は、正規ディーラーで2006年1月から6月の間に新車(除軽自動車)を購入し、ディーラーで自動車ローンを契約した1,890人からの回答に基づいている。*1
◆ディーラーの満足度は今年もメーカー系ファイナンス会社が優位に◆
自動車ディーラーの視点から見たファイナンス会社に対する満足度では、「(ファイナンス会社の)営業スタッフ」(32%)、「業務関連手続・対応」(30%)、「経営/販売への貢献度」(22%)、「クレジット商品」(16%)の4つのファクターが総合的な満足度を構成している(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。各ファクターの複数の詳細項目に対する評価をもとにディーラーのファイナンス会社に対する総合満足度スコアを算出した。
その結果、BMWジャパン・ファイナンスが顧客満足度ランキング第1位となった。同社の1位は今回が初めてで、スコアは735 ポイントだった。ファクター毎の評価では、「営業スタッフ」と「業務関連手続・対応」でランキング対象となったファイナンス会社の中でトップの評価を得ている。第2位にはトヨタファイナンスが入った(720 ポイント)。昨年から順位を一つ下げたものの、「経営/販売への貢献度」と「クレジット商品」ではトップだった。次いで、三菱オートクレジット・リースが昨年から評価を大きく上げて第3位となった(697 ポイント)。
業界全体では、今年も昨年に続き、キャプティブ系ファイナンス会社(自動車メーカー系ファイナンス会社)がランキング上位を占めた。ファクター毎の満足度評価を見ても、すべてのファクターでノンキャプティブ系(非自動車メーカー系ファイナンス会社)を上回っており、特にファイナンス会社の営業スタッフの対応と提供している商品で高い優位性を示している。
また、利用が増えると予想される商品・サービスについて聞いたところ、半数近くのディーラーが「残価設定型ローン」を挙げた。今後もファイナンス会社各社が顧客の返済負担を考慮した商品を開発することが期待される。
以上の分析は、全国の自動車ディーラーの代表者424人から回答を得ているが、1ディーラーにつき最大3ファイナンス会社まで評価してもらっているため、実際の回答数は1,009件となっている。*2。
*1:2006年日本自動車セールス満足度(SSI)調査。2006年7月から8月にかけて郵送調査を実施。
*2:2006年日本自動車ディーラー満足度(DAS)調査。2006年7月から10月にかけて郵送調査を実施。
<株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
<J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズ(NYSE:MHP)は、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D. パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2006年の売上高は63億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。