アンリツ、屋外監視システム向けFBGセンサモニターを発売
高速測定により構造物の振動測定を実現
FBGセンサモニタSF3011A/SF3041A
アンリツ株式会社(社長:戸田 博道)は、歪や温度を光で検出するFBGセンサ(注1)用の測定器であるFBGセンサモニタSF3011A/SF3041Aを開発。4月16日から販売を開始いたします。
SF3011A/SF3041Aは、市販パソコンと組み合わせることにより、大型構造物のヘルスモニタリング(※1)、河川や下水道などの水位監視、重要施設のセキュリティ監視など幅広い分野で、FBGセンサを用いたセンシングシステムが構築できます。
SF3011A/SF3041Aは、MEMS技術(注2)を用いた独自開発の高速掃引光源(※2)モジュールを搭載。従来の掃引光源で使用されていたモータ駆動の掃引機能をMEMS光スキャナに置き換えることで、装置の低価格化と1.4ms(1msは1/1000秒)周期の高速測定を実現しました。1.4ms周期の高速測定を可能としたことにより、監視用途に加え、これまでのセンシングシステムでは対応できなかったビルや橋梁、トンネルなどの構造物のFBGによる振動測定も行え、地震発生時の挙動も把握できます。
SF3011Aは光入出力が1ポートタイプのモニタですが、SF3014Aは4ポート対応であり、4系統の光ファイバに接続されたFBGセンサを同時にモニタ可能。2機種を選択することにより、規模に合わせたFBGセンサシステムを構築することがきます。
[開発の背景]
FBGセンサは、「長期的な耐久性に優れている」、「電気的な雑音の影響を受けない」、「電源を必要としない」、「数十kmの遠隔監視が可能」という従来の電気式センサにない特徴を有しており、厳しい環境に設置される屋外監視システム用のセンサとして注目されています。
FBGセンサを用いたセンシングシステムを構築するには、光を出力し、FBGセンサでの光の反射波長の変化をモニタする「FBGセンサモニタ」が必要ですが、従来は、WDM光通信用に開発した高額なモニタ装置をFBGセンサ用に流用することが主流であり、「センシングスピードが遅い」という課題がありました。このため構造物の振動測定に難があり、建築業界などからは、建物や橋梁、トンネルなどの振動を測定できるFBGセンサモニタが強く求められていました。
そこで、アンリツは、MEMS技術を基盤に独自開発した高速掃引光源モジュールを搭載したFBGセンサモニタSF3011A/3041Aを開発。従来の掃引光源で使用されていたモータ駆動の掃引機能をMEMS光スキャナで置き換えることにより、装置の低価格化と1.4ms周期の高速測定を実現しました。1.4ms周期の高速測定により、これまでの装置では測定できなかった構造物の振動も測定でき、FBGセンサを利用したセンシングシステムの普及に貢献いたします。
[製品概要]
FBGセンサモニタSF3011A/SF3041Aは、MEMS技術を用いた高速掃引光源モジュール、サーキュレータ(※3)、光検出モジュール、信号処理ボードを備えた低価格のFBGセンサモニタです。標準添付の制御用プログラムをインストールした市販のPCと組み合わせることにより、ビルや橋梁、トンネルなどの大型構造物のヘルスモニタリング、河川や下水道などの水位監視、重要施設のセキュリティ監視など幅広い分野で、FBGセンサを用いたセンシングシステムが構築できます。
SF3011Aは光入出力が1ポートタイプのモニタですが、SF3014Aは4ポート対応であり、4系統の光ファイバに接続されたFBGセンサを同時にモニタ可能。2機種を選択することにより、規模に合わせたFBGセンサシステムを構築することがきます。
<システム概要>
* 関連資料 参照
<アプリケーション例>
* 関連資料 参照
<FBGセンサモニタの原理>
* 関連資料 参照
[主な性能]
* 関連資料 参照
[ソフトウエアの機能]
■制御用プログラム 初期設定機能、波形モニタ機能、データ格納機能
■データ表示プログラム ピーク波長データ表示、FBGスペクトラムデータ表示
■サンプルプログラム 5種類のサンプルプログラム(プログラムソース開示)
[対象市場・用途]
■ 橋梁、トンネル、建物、河川、セキュリティ等の、遠隔監視で利用されるFBGセンサのモニタリング
[営業情報]
■受注開始日 :4月16日
■予定販売台数 :100台(初年度1年間、国内のみ)
■価格 :FBGセンサモニタSF3011A 250万円
FBGセンサモニタSF3041A 350万円
[用語解説]
(※1) ヘルスモニタリング
時間経過により劣化が進行する構造物の健全性を監視すること。構造物に測定器(センサ)を取付けて計測し、その情報を基に、損傷検知等の診断アルゴリズムにより自動的に健全性判断を行う。
(※2) 掃引光源
ある範囲内の光波長を連続的に変化させることができる光源。
(※3) サーキュレータ
「行き」と「戻り」の光を分離する装置。FBGセンサ反射光の波長を計測する場合、「光を送る」、「反射した光を受け取る」を一本のファイバで行うため、二つの光を分離し、「戻り」の光のみを光検出モジュールへ導く必要がある。