STマイクロ、45nm低消費電力CMOS設計プラットフォームを発表
STマイクロエレクトロニクスは、次世代低消費電力45nm CMOS設計プラットフォームを発表
45nmライブラリおよび45nmデモンストレーションSoCデバイスの初回テープアウトを含み、
超低消費電力を実現するSoCソリューション向け
設計プラットフォームをいち早く実現
世界的な半導体メーカーであるSTマイクロエレクトロニクス(http://www.st-japan.co.jp/、NYSE:STM、以下ST)は、低電力、ワイヤレス無線および携帯型民生アプリケーションのための次世代システム・オン・チップ(SoC)製品開発に関して、45nm(0.045μm)CMOS設計プラットフォームの詳細を発表しました。
複数のスレッシュホールド・ボルテージのトランジスタをオプションに持ち、65nmテクノロジーでの設計に比較してシリコン面積を半分に縮小できます。
併せて、動作中のスピードを20%高速化、あるいはリーク電流を50%軽減することができ、また保持モードではリーク電流を数次のオーダーで低減可能です。
この後者のオプションは、バッテリ駆動時間が重要な要素となる携帯機器の設計者に大きなメリットとなります。
最先端の45nm低電力CMOSプラットフォームはすでに、高集積の45nmデモンストレーションSoCデバイスの設計またはテープアウトに使われています。このチップ設計には高度なデュアル・コアCPUシステムおよびそれに接続されたメモリの階層が搭載されており、45nmプロセス技術ノードにおいて必要とされる洗練された低消費電力技術で、これまでにない性能を超低消費電力で実現するという特徴があります。
45nmプロセス技術の多くの特徴とモジュール方式のメリットを活かした新しい低電力設計プラットフォームは、STのクロル工場(フランス、グルノーブル近郊)にて開発され、クロル2アライアンスが運営する300mmウェハ施設において検証されました。
STの製造および技術開発担当上級副社長であるLaurent Bossonは次のようにコメントしています。「業界をリードするメーカーにとって低電力45nm CMOS技術に早期に着手することは、次世代の3G / 4G携帯マルチメディア端末の開発といった、新しいワイヤレス機器および携帯型民生機器向け製品開発において不可欠です。STが提供する低電力45nm CMOSプラットフォームを用いて開発されたシリコンは、超高性能と低消費電力を組み合わせたアプリケーションを実現します。」
その他45nmプラットフォームと同様に、STの低電力45nmプロセスは、高密度および高性能に必要なすべての先進的モジュールを備えています。これらの重要なモジュールには、重要な配線層のための193nm液浸リソグラフィー、浅いトレンチ分離およびトランジスタ・ストレッサ、ミリセカンド単位のアニール工程による高度な接合技術、低誘電率の銅の金属間誘電体が含まれ、相互接続の静電容量低減を実現します。さらに使用可能な2つのセル・ライブラリのうち、一方は高性能向けに、もう一方は低消費電力向けに最適化されているため、設計者は幅広いオプションを選択できます。
45nm設計プラットフォームは、STおよびそれぞれのEDA企業の個々の技術開発グループが共同開発した設計ソリューションにより、Cadence社、Mentor Graphics社、Synopsys社およびMagma社といった業界トップのCADツールによりフルサポートされます。そのため、ユーザは業界標準の使い慣れたツールにより、高度なSoCソリューションの設計を即座に開始することができます。
45nmライブラリおよび設計プラットフォームに関するさらに詳しい技術情報について
・複数のライブラリ要素を設計レベルで選択でき、同じ設計ブロックで使用できるため、プラットフォームのユーザは最適な性能および消費電力を非常に柔軟に実現できます。この機能により、高性能製品および消費電力が重要な製品に使用するチップを迅速に開発できます。
・1平方ミリメートルあたり最大1600 Kゲートの高密度を実現し、かつ0.14ミクロンのメタルピッチで6~10層のメタル層と1.1Vのコア電圧を実現しています。
・消費電力低減技術には、アダプティブVdd、低Vdd稼動、電源遮断、保持モードにおける、低スタンバイ電流、バック・バイアスその他を含みます。
・フルレンジの1.8V I/Oセル。
・超高密度メモリ:6トランジスタSRAMセルを使い、面積を0.25平方ミクロンにまで小型化したシングルポート・メモリ。
・SRAMと比較して3倍の密度を持ち、組込みDRAMに変わりうる完全互換性を持つ低コスト・プロセスを開発中です。
・超集積化シングル・チップ・システムのニーズに対応するためにアナログおよびRF IPコア(知的財産権で保護されたコア)といった幅広いポートフォリオを開発中であり、マイクロプロセッサ、DSPといった高度なデジタルIPも提供する予定です。
さらにこのプロセスは、歩留まりの高いマルチ・メガビットSRAM試験回路および1.1Vから最小0.9Vの供給電圧で動作するフル機能のSRAM試験回路などにおいてすでに優れた実績があります。
本プレスリリースは以下のURLでもご覧いただけます。
http://www.st-japan.co.jp/data/press/t2168f.html
■STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com