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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.27.Wed
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2007'04.23.Mon

東レ、超高感度基盤を用いたヒト発現遺伝子解析用のDNAチップシリーズを発売

高感度DNAチップに 高密度のヒト発現遺伝子解析用チップラインアップ加わる
- 新規診断用遺伝子および創薬ターゲット発見のためのキーツール登場- 


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原定征、以下「東レ」)は、この度、超高感度DNAチップ“3D-Gene”基板を用いた、ヒト発現遺伝子解析用の新シリーズ、“3D-Gene” Immunity & Metabolic Syndrome 9kおよび“3D-Gene” Digestive Cancer 9kを開発しました。このDNAチップシリーズは東レが製造・発売・販売元となり、11月中に発売の予定です (技術詳細は http://www.3d-gene.com/ に掲載)。

 東レは “Innovation by Chemistry”(革新と創造の経営)を推進しており、これまで超高感度DNAチップ“3D- Gene”基板を開発してきました。本年4月には、酵母全遺伝子解析用チップ“3D-Gene” Yeast Oligo chip 6kを発売し、その高性能さにおいて多くのユーザーから高い評価を受けております。

 また一方で、ヒトの検査・診断用途で京都大学との共同研究により食道ガン診断用遺伝子、腎ガン予後予測(*1)用遺伝子などを見出し、両者を組み合わせて高感度で信頼性が高い「検査・診断用DNAチップ」の開発を進めています。当社は、本チップが予防医療の進展やテーラーメイド医療実現につながる革新的な検査・診断ツールとして実用化され、受診者・患者のQOL向上に大きく貢献するものと期待しています。

 今回開発した“3D-Gene” 9kシリーズは、日本が世界をリードする免疫、メタボリックシンドローム(*2)、ガンを対象とした研究分野において、診断用遺伝子や創薬ターゲットの探索を含むヒト発現遺伝子解析研究に大きく寄与するものです。“3D-Gene” Immunity & Metabolic Syndrome 9kはヒトの免疫機構およびメタボリックシンドロームに関連する遺伝子約9000種を網羅し、免疫学、内分泌代謝学の基礎研究から、アレルギーや自己免疫性疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの疾患研究までをサポートするDNAチップです。また“3D-Gene” Digestive Cancer 9kは同じく9000種の遺伝子を搭載し、消化器ガンを中心に広くガン関連遺伝子を検出できるDNAチップです。

 “3D-Gene” 9kシリーズは、従来の“3D-Gene”同様、樹脂基板上に凹凸構造の発現遺伝子検出部を有することに加え、検出部にサブブロック構造(*3)を導入することで、従来よりも1.5倍の高密度である“3D-Gene” 9kシリーズにおいても、高い検出力、再現性、定量性を保持しています。このサブブロック構造により、さらに高密度のDNAチップ開発が可能となり、近日中にもヒト全遺伝子解析用DNAチップの発売も予定しています。

 東レは一連のシリーズ商品を大学や企業などの研究機関に提供することにより、新規診断用遺伝子の同定を含む日本の医学研究を加速化するとともに、“3D-Gene”をテーラーメイド医療のキーツールとしての「検査・診断用途」DNAチップへと発展させ、東レの戦略的育成事業(*4)であるライフサイエンス事業の基幹事業の一つとして、バイオツール事業を大きく育ててまいります。


<補足説明>

(*1)予後予測
 ガン診断においては、ガンであるか否かを診断するだけでなく、診断後の転帰を予測することによって治療方針の決定を支援することが重要です。本共同研究に見出した腎ガン予後予測用遺伝子について、手術時発現プロファイルを検出、判定することによって、腎ガン患者が5年後に生存する可能性が高い群に属するか、低い群に属するかを90%以上の確率で予測することが可能です。

(*2)メタボリックシンドローム
 2005年4月に策定された日本における診断基準では、栄養過多や運動不足による腹部肥満、内臓脂肪の蓄積を必須項目として、同時に高血糖、脂質代謝異常、高血圧のうち、2項目以上の症状が存在する場合をメタボリックシンドロームとします。このような状態では、脂肪細胞の機能異常による内分泌因子の異常が起こり、血栓症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、動脈硬化などの疾患が発症する可能性につながるとされています。現代の日本人の健康上の大きな課題であり、昨今、その診断、治療の方法について活発に議論されています。

(*3)サブブロック構造
 “3D-Gene”基板は検出部に柱状構造を有しており、この柱状構造の間隙を利用して攪拌子の役目をするビーズを転がし、ハイブリダイゼーション溶液を攪拌することで、遺伝子の検出力を向上させています。今回開発した“3D-Gene” 9kシリーズでは柱数が従前の1.5倍以上に増加したことから、柱間が従前の基板よりもやや狭くなります。この“3D-Gene” 9kシリーズ基板においてもビーズ攪拌によるハイブリダイゼーション効率を維持するために、ビーズが転がる領域を確保する画期的な基板設計を行っています。詳しくは http://www.3d-gene.com/ をご覧下さい。

(*4)東レの戦略的育成事業
 東レは、長期経営ビジョン“AP-Innovation TORAY 21”において、「先端材料で世界のトップ企業を目指す」ことを謳っておりますが、その長期事業展望において、当社の事業を基盤事業(繊維、プラスチック・ケミカル)、戦略的拡大事業(情報通信材料・機器、炭素繊維複合材料)、戦略的育成事業(ライフサイエンス、環境(水処理))の3つに分類し、「戦略的育成事業」においては、2010年以降、情報通信材料・機器や炭素繊維複合材料に続く次の収益拡大の柱とするために、経営資源の傾斜配分に加え、M&Aや事業提携を含め、戦略的に育成・拡大することとしています。その中でも、医薬、医療に続く第3の柱として、DNAチップやタンパク質解析チップなどを中核に、バイオツール事業を大きく育ててまいります。


以上

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