岩谷産業など、いつでも液化窒素を取り出せる「液化窒素サーバー(ミニピー)」を発売
多様なガス供給源を選べ、省スペースで液化窒素が取り出せる
『液化窒素サーバー(ミニピー)』を発売開始
岩谷産業株式会社(本社:大阪・東京、社長:牧野明次、資本金:200億円)、岩谷瓦斯株式会社(本社/大阪、社長/吉良佳浩、資本金:16億円)は、小型液化窒素発生装置のガス源を多様化し従来のPSA方式に加え、既存ガス窒素活用方式や膜分離方式を選べるという製品開発を行い、商品名「液化窒素サーバー(ミニピー)」として販売を開始します。5L/日~30L/日の液化窒素発生量に応じた5機種をラインナップ。
販売価格350万円~625万円。総販売元は岩谷産業。販売開始2007年4月1日。初年度販売目標200台。
■『液化窒素サーバー(ミニピー)』の特長
いつでも好きな時に極低温、マイナス197℃の液化窒素が取り出せる『液化窒素サーバー』です。従来機の小型液化窒素発生装置『ミニPSA』の窒素ガス供給源のバリエーションを3方式に拡充、(1)室内の大気を原料とするPSA方式窒素ガス発生装置,(2)顧客設備の窒素ガス供給配管,(3)圧縮空気を原料とする膜分離方式窒素ガス発生装置、から自由に選べる仕様といたしました。これにより、既存のガス供給設備・ラインの利用もできるようになり、ガス源に応じて初期費用とメンテナンスのコスト削減が可能になりました。また、従来に比べて更にダウンサイジングを推進、省スペース化を実現しました。(サイズ比較でMP-100N型、投影面積比約90%)
■少量液化窒素 需要の増加と、本製品導入の効果
近年 分析分野の高度化により試料の極低温保持、センサー部の冷却など一般研究所内での少量の液化窒素使用例が増えています。中でもその代表である分析計はクリーンルーム内での設置例が多く、従来の液化窒素をデュワー瓶(魔法瓶)に汲み置きし、人間が移動し装置に注ぎ入れる等の作業では、作業性・安全性とともにクリーンルーム汚染の問題をかかえていました。本製品は、作って、貯めて、いつでも取り出せ、自動供給にも対応しているため、これらの作業を一掃します。様々なお客様の使用環境に応じ、ランニングやメンテナンスコスト、機能的なレイアウトの最適提案も可能とし、少量の液化窒素ユーザーにとって悩みの種であった、液化窒素補充作業の削減による安全性の向上、液化窒素の受発注業務と残量管理を不要にするなど、職場の多様な環境改善に貢献するものです。
両社は、従来の検査・分析装置向け市場のみならず、各種研究機関・半導体工場・バイオ関連など、少量の液化窒素を使用する全ての市場への展開拡大を目指しています。
(補足資料)
1.開発背景
メーカーの岩谷瓦斯は、1972年より極低温冷凍機(商品名:クライオミニ)の開発販売を開始し、その極低温冷凍機技術はクライオスタット(極低温下実験装置)、クライオポンプ等に応用されています。従来機のミニPSAは、この独自の極低温冷凍機技術と窒素ガス発生機PSAを組み合わせ、従来無かった液化窒素の少量供給の手法を完成させました。
2.従来機の納入実績
1990年発売後、すでに分析計用途を中心に累計1,200台の実績があります。
3.代表機種 MP-30、50の仕様
※ 関連資料参照