富士重工業ボーイング787構造組立を世界の先陣きって開始
富士重工業は、6月27日、航空宇宙カンパニー半田工場新組立棟(愛知県半田市)において、次世代旅客機ボーイング787 ドリームライナーの中央翼の組立を開始した。今回の組立開始は、世界の787プログラムの先陣をきってであり、787開発における重要なマイルストーンである。
この組立開始にともない、6月29日、ボーイング社787 プログラム・マネージャーのマイクベア副社長をはじめとするボーイング社幹部、世界の主要構造パートナー代表、国内航空関連機関および企業から多数の出席のもと、記念式典を挙行した。
中央翼は、主翼と胴体を結合する構造の要であり、さらに787 では旅客機で始めて主要構造に炭素繊維複合材を多用するため、開発要素の大きい取り組みとなっていた。今回のプロジェクトでは、富士重工業がこれまで培ってきた設計や製造の技術、ノウハウを結集させるとともに、ボーイング社や他のパートナー、ならびに海外のサプライヤーとのグローバルな連携をこれまで以上に強化しながら開発に取り組んでいる。
中央翼の組立は、今年4 月に竣工した半田工場新組立棟で行われ、使用される複合材部品などは半田西工場や国内外のサプライヤーから供給される。完成した中央翼は、輸送船で中部国際空港まで運ばれ、そこからボーイング747 型機を改造した専用大型貨物機に積み込まれ、来年早々から米国に空輸される計画となっている。
富士重工業は、複合材部品や中央翼を含む主翼の開発・製造を得意技術としており、これまでも、防衛庁や、ボーイング社を始めとする民間の、数々の航空機の開発製造に携わってきた。
今後もボーイング787 への取り組みを通じて、自社の技術をさらに磨き、世界の航空機産業に確固たる地位を築くよう努めていく。