独BMW、「BMW 3シリーズ」からクーペを発売
ニュー BMW 3シリーズ クーペ プレスキット
本プレスキットの内容は、ドイツ国内市場向け(2006年6月現在)の仕様を基準として記載されており、その他の市場においては仕様、標準装備品、オプション設定などが異なる場合もあります。本プレスキットでは、車体寸法、エンジン出力などはBMW AG発表のデータとなるため、日本仕様とは異なる場合があります。なお、仕様は随時変更される可能性がありますので予めご了承ください。
1. ニューBMW 3シリーズ・クーペ (ショート・バージョン) 3
2. コンセプト:スポーティなルックス、駆けぬける歓び、独自のスタイル 13
3. デザイン:印象的、躍動感、独自性 16
4. パワー・ユニット:完璧な運動性能と洗練された走り 21
5. オートマチック・トランスミッション:躍動感あふれる駆けぬける歓びをもたらす高精度かつ素早いレスポンス 28
6. シャシーおよびサスペンション:パワーをパフォーマンスに変換 32
7. 四輪駆動システム:
クーペのためのBMW xDrive: 運動性能と安全性の完璧な組合せ 36
8. ボディシェルおよび安全性:頑丈でしかも軽量 40
9. 照明コンセプト:視界および視認性を向上する卓越した革新性 44
10.装備品:ドライバーのためにテーラーメイド 47
11.生産:品質、柔軟性、そして環境への配慮 52
12.歴史:常に特別なクルマを目指して―BMWのクーペ 55
13.エクステリアおよびインテリア寸法 61
1.ニューBMW 3シリーズ・クーペ:(ショート・バージョン)
典型的BMWでありながら、BMW 3シリーズのなかでは極めて特別なクルマ。
それはニューBMW 3シリーズ・クーペです。BMWは長きにわたる伝統を受け継ぐ、真に卓越した2ドア・アスリートを導入します。そして大きな関心を集めるこのセグメントに新たな基準を確立します。
BMW 3シリーズのセダン、ツーリングに続いてクーペが設定されるのは、これで3度目となります。今回のニュー3シリーズ・クーペには、これまで以上に違いと独自性が明確に表現されています。ボディの隅々まで行き渡るスポーティで伸びやかなラインは、誰の目にも、目にしたときから特別な個性を伝えます。
この新しいクーペは、エンジン・ルームの中にもBMWならではの高い基準が詰め込まれています。このモデルに搭載される3リッター直列6気筒エンジンには、ツイン・ターボチャージャー、ハイプレシジョン・ダイレクト・インジェクション(高精度直接燃料噴射装置)、オール・アルミ製クランクケースが新たに採用されています。最高出力225kW(306ps)のこの新しいエンジンは、BMW 335iクーペに真の卓越した性能と優れた燃費性能をもたらしました。BMW 3シリーズ・クーペには、この他にも、導入と同時にガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンが2種類ずつ用意されます。
後輪駆動方式、最適化された重量、バランスの取れた軸荷重配分、セグメント中で最も洗練されたサスペンション。欠かすことのできないこれらの要素によって、本物の魅力に溢れる走りを確かなものにしています。その上、ニュー3シリーズ・クーペには、インテリジェント四輪駆動システム、「xDrive」も装備可能になります。
BMW 3シリーズをひと目見るだけで、個性的なスタイル、キャラクター、駆けぬける歓びが伝わってきます。同じ3シリーズであっても、セダンやツーリングと2ドア・モデルは明らかに違います。Bピラーより後ろのセクションが違うだけでなく、フロント・セクションやインテリアにも外観上の独自性を見ることができます。
それと同時に、ニュー3シリーズ・クーペはセグメントにおいて、比類のない、高水準の俊敏性と運動性能を提供するモデルです。トップ・モデルだけに卓越したハンドリングや高性能が与えられるクルマでもありません。ニュー3シリーズ・クーペは、操縦性やそのパフォーマンスのみの魅力で、ドライバーにアクティブな走りを求めます。その走りによって、スポーティなキャラクターとスタイリッシュなルックスはひとつになります。デザインの随所からパワーとダイナミズムが湧き出る一方で、全体のルックスは洗練されたスタイルとエレガンスに満ちています。
パワー・ドームからリア・エンドまで、個性にあふれたデザイン
クーペ独自のルックスは、サイド・セクションに表現されています。このためにニュー3シリーズ・クーペは、フロントのショート・オーバーハング、ロング・ホィールベース、後方へ大きく寄せられたパッセンジャー・コンパートメント、低く傾いたAピラーと低いサイド・ウィンドウ、リアに向けて内側へ緩やかに流れるルーフ・ラインを採り入れ、独特のシルエットを生み出しています。大きく膨らんだホィール・アーチはパワーとパフォーマンスを示す独特のルックスを作り出し、ショルダー・ライン、キャラクター・ライン、サイド・シル・ラインの流れはこのクルマの伸び伸びとした躍動感と優美な外観を強調しています。
フロント・ホィール・アーチの上端からドア・ハンドルを経てリア・セクションへと続くキャラクター・ラインは、ショルダー・ラインと同様に、ボディの長さを強調し、優美さを引き立てています。後方に向けて側面を伸びやかに上昇する独特なサイド・シル・ラインは、光の反射を巧みに演出しながら前後のエア・ダムをつなぎ、独自性を強調します。
さまざまな表情を見せる曲面と複数のラインによる相互作用によって、デザイナーはこのモデルのサイド・セクションに躍動的なスタイルと個性を表現しました。例えばキャラクター・ラインは、リア・ホィール・アーチを超えて上昇しながら外へ広がるようにデザインされており、これが張り詰めた緊張感と高揚感をもたらします。
こうした三次元的な効果によって、見る人の視線はエンジン・パワーが運動性能へと姿を変えるリア・アクスル周りに引き寄せられます。またキャラクター・ラインとサイド・シル・ラインは、それぞれフロントに向かって楕円状にカーブを描くデザインになっています。特に斜め横から見ると、これらのラインによって前に進む躍動感が強調されていることがはっきりとわかります。
コロナ・リング付きバイ・キセノン・ヘッドライトを標準装備
フロント・エアダムやヘッドライト・ユニット、エンジン・フードのデザインもまったく新しくユニークなスタイルに生まれ変わりました。前から見ると、低くワイドで、スポーティなキャラクターを強調するデザインです。エンジン・フードには、Aピラーの根元からキドニー・グリル外側にかけて、パワー・ドームと呼ばれるラインが走ります。エンジン・フードの下の低い位置に、片側2灯式の丸型ヘッドライトが装着されています。このヘッドライトは上部が切り取られたようにデザインされており、あふれる自信とともに走りにすべてを注ぎ込む「表情」を作り出しています。
ニュー3シリーズ・クーペには、昼間走行用として着想・設計されたコロナ・リングを内蔵するバイ・キセノン・ヘッドライトが標準装備されています。印象的な光のリングによって、二つの効果が生み出されます。ひとつは周囲に明確に存在を示す効果、もうひとつは見る人に向けてこのクルマがBMWであることを伝える効果です。
発光ダイオード(LED)を使ったライト・ロッドのテール・ライトも、誰の目にも明らかなスタイルと印象をニュー3シリーズ・クーペに与えています。車両のサイドからリアにかけてスムーズに組み込まれたこのユニットは2分割式になっていて、トランク・リッドにも組み込まれています。リア・セクション全体のデザインも低くワイドな印象で、滑らかに伸びた水平なラインによって特徴付けられています。これらの要素と幅広のトレッドの相互作用によって、後方から見たときにもこのクルマの生まれ持ったスポーツ性能や印象を強調しています。
ニュー3シリーズ・クーペの独自性あるデザインには、全てにわたるディテールが貢献しています。例えばドア・ミラーの形状はクーペ専用にデザインされたもので、サイド・ラインをイメージさせるものです。サイド・ウインドウ・フレームのデザインも典型的なBMWのものですが、他のモデルとは明らかな違いがあります。Cピラー下部には、有名な「ホフマイスター・キック」があしらわれており、独特のアングルでショルダー・ラインにつながり、フロントへと伸びています。この滑らかに連続する一体感の効果を強調するため、サイド・ウィンドウ周りのクロム・トリムは初めて一体成形となり、このクーペのもつ洗練されたスタイルと価値を裏付ける優れた特徴を際立たせています。
インテリアに込められた気品ある躍動感
ニュー3シリーズ・クーペのボディにみなぎる躍動感と特別な雰囲気は、室内のあらゆるところにも受け継がれています。インテリアはパワフルな造形美と流れるようなラインによって占められ、起伏ある形状とさまざまな面が互いに溶け込んでいます。本格的な4人乗りとして設計されたニュー3シリーズ・クーペは、洗練された環境で速さを楽しむための完ぺきなクルマです。リアには独立型のシートが2座席装備され、その中央には前席の2つのシートを隔てるセンター・コンソールが延びてきており、内部に小物入れが用意されています。
ダッシュボードとサイド・パネルを水平に走るラインは、室内の広々とした印象をさらに強調します。メーター・パネルはドライバー指向のデザインになっており、サイド・パネルのアーム・レストはダッシュボードからリア・シートのバックレストにかけて、滑らかなラインを描いています。
室内に漂うこの独特の雰囲気は、ドア・トリムとサイド・パネルにオプション装備可能な照明機能によって完成します。このライトはトリム上部にライン状に組み込まれたダウンライトで、室内とサイド・パネル周辺を暖かな間接照明で照らし出します。ドア・オープナーやシフト・レバーなど、ドライバーや乗員が頻繁に操作するスイッチ類には、上品なメタリック調仕上げが施されています。インテリアをカスタマイズするため、ニュー3シリーズ・クーペには内装、ルーフ・ライナー、トリム・パネルに独自の配色を用意しています。
エフィシェント・ダイナミクスを実現する直列6気筒エンジン
ニュー3シリーズ・クーペには、ガソリン・エンジンが3種類とディーゼル・エンジンが2種類用意されます。もちろんBMWの典型である直列6気筒エンジンを縦置きし、後輪を駆動する伝統的な駆動コンセプトを選びました。しかしエンジン・フードの下には、目を見張るような画期的技術が満載されています。
その一例が、ニュー3シリーズ・クーペに初めて搭載されるハイプレシジョン・インジェクションとオール・アルミ製クランクケースを採用した3リッター直列6気筒ツイン・ターボ・エンジンです。実績ある自然吸気式6気筒エンジンをベースとした最高出力225 kW(306 ps)のこのパワー・ユニットは、エンジン開発の分野に新たな時代を切り開くものです。BMWとしては初めて、6気筒エンジンが本来持っている長所に過給効果をもたらす2基のターボ・チャージャーと第2世代の直接噴射技術を組み合わせ、燃費性能に大きなメリットをもたらすことができました。
こうした組合せの結果、明らかにエフィシェント・ダイナミクスの効果によるスリリングな走りを獲得しました。
335iクーペに搭載されるエンジンは、わずか1,300 rpmで400 Nmもの最大トルクを発生させます。従来型のターボ・エンジンよりも、自然なパワーとパフォーマンスを発揮し、7,000 rpmまで滑らかに衰えることなく吹け上がります。このパワーとパフォーマンスは、オンロードでの目を見張るほどの加速性能となって表れます。たとえば0-100 km/h加速タイムは5.5秒です。最高速度は250km/hに制限されています。
このような卓越したパワーとパフォーマンスにもかかわらず、直列6気筒エンジン搭載モデル中最高性能を誇るこの新型エンジンは、極めて優れた経済性も併せて提供します。335iクーペの燃料消費量は、EUサイクルによる複合サイクルで100 km 走行あたり9.5リッター(無鉛プレミアム・ガソリンを使用)です。こうした高い効率性の要因のひとつがエンジン全体の軽さです。6気筒ツイン・ターボ・エンジンの重量は、同じレベルの出力を発生させる8気筒エンジンと比較して約70 kgも軽く設計されています。もうひとつの要素はハイプレシジョン・インジェクションです。この組合せによって、燃費面において比類のない経済性を実現することができました。
シリンダー・ヘッドに組み込まれたバルブ間の中央にはピエゾ・インジェクターが装備されます。このインジェクターは、あらゆる作動条件下において正確な量の燃料を噴射し、日常走行においても優れた燃費性能と高い効率性を実現します。
最適化された重量、さらなるパワー
ニュー3シリーズ・クーペには、導入と同時に2種類の自然吸気エンジンも用意されます。いずれも出力、重量、燃費性能の最適なバランスを実現しています。330iクーペに搭載されるエンジンは最高出力200kW(272 ps)、最大トルク315Nmを誇り、0-100km/h加速では6.1秒を記録します。最高速度は335iクーペと同様250km/hに制限されています。
3リッター自然吸気エンジンには、この優れた性能と卓越した洗練性に、従来をはるかにしのぐ水準の効率性が一体化されています。EUサイクルによる平均燃料消費量は100 km 走行あたりわずか8.8リッターで、ニュー330iクーペの燃費性能は先代モデルよりも約12 %向上しました。
クランクケース、ベッドプレート、シリンダー・ヘッド・カバーの素材にマグネシウムを採用、さらに軽量クランクシャフトを組み込んでエンジンを大幅に軽量化しました。また、無段階可変バルブ・リフト機構「バルブトロニック」を装備したことによって、燃費性能も向上しています。
こうした改良は、2.5リッター直列6気筒エンジンにも加えられています。ニュー325iクーペに搭載されるエンジンは、最高出力160kW(218ps)、最大トルク 250Nmを発生し、同様に卓越したオンロード性能を発揮します。0-100km/h加速性能は6.9秒、最高速度は247 km/hです。EUサイクルによる平均燃費は100 km 走行あたり8.4リッターで、同じ性能クラスにおいて傑出した効率の良さを実現しています。
クーペに搭載されるディーゼル・エンジン - これまで以上の魅力
ニューBMW 3シリーズ・クーペには、魅力的な選択肢としてディーゼル・エンジンも用意されます。ニューBMW 335dクーペおよび330dクーペには、それぞれに卓越したパワー・ユニットが搭載されます。パワーと経済性を両立させただけでなく、当然のことながらディーゼル微粒子フィルターを標準装備しています。
特に335dクーペは、性能や経済性、環境面で最高の性能を提供します。世界で最も優れた動力性能を誇る6気筒ディーゼル・エンジンは、このセグメントで唯一といえるパワーとパフォーマンスを発揮します。可変式ツイン・ターボチャージャーを装備した3リッター直列6気筒ディーゼル・エンジンは、最高出力210 kW(286ps)、最大トルクは実に580 Nmにも達します。最高出力には4,400 rpmで達し、5,000rpmまでスムーズに吹け上がります。
スムーズで衰えることのないパワーは、躍動感あふれる加速性能をもたらします。ニューBMW 335dクーペは、0-100km/h加速をわずか6.1秒というタイムで駆けぬけます。また、最高速度はリミッターにより250km/hに制限されます。しかもこのBMWで最もパワフルな6気筒ディーゼル・エンジンは燃費性能にも優れ、EUサイクルによる燃料消費量は100 km 走行あたりわずか7.5リッターです。
その結果このエンジンも大きなメリットを提供することができ、BMWの理念である「エフィシェント・ダイナミクス」を色濃く打ち出すものとなりました。
このメリットに貢献した技術のひとつが可変ツイン・ターボチャージャーによる2段階式過給です。これはエンジン低回転域で小型のターボ・チャージャーが作動し、高回転域では大型のタービンが作動します。もうひとつの技術は、混合気を素早く精密に供給することを目指してピエゾ・インジェクターを採用した第3世代のコモンレール式燃料噴射装置です。
ニューBMW 335dクーペのディーゼル・エンジンには、もうひとつ大きな特徴があります。それはこの性能クラスで初となるオール・アルミ製エンジンです。エンジン本体は208 kgまで軽量化され、俊敏性とトータルの経済性の面で大きなメリットをもたらしました。
もうひとつの3リッター直列6気筒ディーゼル・エンジンは最高出力170 kW(231ps)を発生し、スポーティな2シーター・モデルにふさわしい性能を提供します。最大トルクは500 Nmで、いかなる条件でもダイナミックな駆けぬける歓びに必要な高水準のパワーとパフォーマンスを発揮します。0-100 km/h加速タイムは6.6秒で、最高速度250 km/hという数値を見てもわかるように、このディーゼル・エンジンのスポーティなキャラクターを印象深く証明します。
ニューBMW 330dクーペに搭載されるこのエンジンには、新開発の可変ターボ・チャージャーと最新世代のコモンレール式燃料噴射装置が組み合わされています。これによってEUサイクルによる平均燃料消費量は100 km 走行あたりわずか6.5リッターに抑えられ、経済性の面でも新たな次元を切り開きました。
スポーツ・ドライバーのためのマニュアル・トランスミッションとオートマチック・トランスミッション
ニューBMW 3シリーズ・クーペには6速マニュアル・トランスミッションが標準搭載され、それに代わるシステムとして素早いレスポンスを発揮するオートマチック・トランスミッションも用意されています。ニュー335dクーペの場合は、オートマチックが標準搭載されます。この新開発の6速オートマチック・トランスミッションは、高効率ハイドロリック・ユニット、新型トルク・コンバーター、極めて効率の高いソフトウェアを採用し、あらゆるエンジン回転域で素早くダイナミックな加速を可能にします。シフト・チェンジ時の反応速度はわずか10分の1秒で、この時間内に複数のギアをジャンプして変速することもできます。
このオートマチック・トランスミッションは、その時点で最も適正なギアを選択し、スムーズで安定した速度で走ることにより燃費性能も向上させています。また、マニュアル・シフト機能も内蔵されています。この機能は、ステアリングに組み込まれたパドル・スイッチを操作して行います。マニュアル操作でシフト・チェンジをすれば、躍動感あふれるスポーツ走行を体験できます。
最高の精度を目指した最先端のサスペンション
ニューBMW 3シリーズ・クーペには、エンジンの持つ純粋なパワーと、そのパワーを路面へ伝えるための優れたトランスミッションを組み合わせています。またエンジンをフロントに搭載し後輪を駆動する標準駆動方式によって、走行条件や走行速度に関係なく最高の俊敏性、方向安定性、安全性の高いハンドリングを確保しています。さらにほとんどのパーツにアルミ製部品を使用し、スプリング・ストラットで強化されたダブルジョイント・タイバー・アクスルをフロントに装備し、リアには5リンク・アクスルを装備したニューBMW 3シリーズ・クーペは、このクラスで最先端のサスペンションが採用されています。低い重心、最適な前後軸荷重配分、専用にセッティングされたダンパーも、この2ドア・高性能モデルに相応しい走りのクォリティをもたらしています。
ラック&ピニオン式油圧パワー・ステアリングは高い精度を誇ると同時に、路面の状況を的確にドライバーへフィードバックする能力を備えています。さらに後輪駆動方式を採用しているため、エンジンの駆動力がハンドリングに影響を及ぼすこともありません。
ニューBMW 3シリーズ・クーペには、このモデル専用に設計されたアクティブ・ステアリングがオプション設定されています。走行状況に応じてステアリング操作に必要な力を最小限に抑えることができる他、高速走行中には正しい走行ラインを正確に保つことができます。
ニューBMW 3シリーズ・クーペには、17インチ・ホィールの装着を前提にした大径ディスク付きの高性能ブレーキ・システムが標準装備されています。このブレーキ・システムの特徴は、卓越した制動力、フェード現象を起こさない品質の高さ、摩耗を最小限に抑えている点です。また、ブレーキ・パッドの状況を常時監視し、必要に応じて摩耗を警告するためBMWが自動車メーカーとして世界で初めて採用したブレーキ・パッド摩耗インジケーターも装備されています。
さらなる安全性と運動性能のため強化されたDSC
高効率ブレーキ・システムは、特定の目的のために開発された画期的機能を持つダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)の支援を受けます。最新世代のDSCには、ABS制御機能だけでなく、滑りやすい路面を走行しているときにホィールごとにブレーキをかけ安定した姿勢を維持させる機能、ブレーキの過熱によって制動能力が低下したときに補正する機能も備えています。ドライ・ブレーキング機能は、濡れた路面でも最適な制動力を確保するために貢献します。ブレーキ・スタンバイ機能は必要に応じて急ブレーキをかける際に備えるための機能です。ダイナミック・ブレーキ・コントロール(DBC)は、特に強い制動力が必要な状況でブレーキ圧を最大まで高めます。コーナリング・ブレーキ・コントロール(CBC)は、コーナリング中のブレーキングで横滑りやスピンが起こりそうなときに作動します。またオプションのアクティブ・ステアリングを装備した場合、摩擦係数の異なる路面を走行しているときにDSCと連動して素早く精密にステアリングを制御し、必要に応じて車両の安定性を確保します。
荒れた路面や滑りやすい路面では、統合されているオートマチック・スタビリティ・コントロール(ASC)が最適なトラクションを維持します。またダイナミック・トラクション・コントロール(DTC)は、ホィールごとにブレーキを作動させるためのDSCの限界値を引き上げます。これによって、ぬかるんだ雪道でも駆動輪をわずかに空転させながら、スムーズに加速させることができます。
さらにDTCは、駆動輪を空転させながら走るようなスポーティでアクティブな走りを楽しむ上でも役立ちます。コーナリング中に車両の姿勢をコントロールしながらドリフトさせることも可能になります。ニューBMW 3シリーズ・クーペのドライバーが、自分の意志でDSCを作動解除することもできます。
3シリーズ・クーペ専用インテリジェント4WDシステム「xDrive」
ニューBMW 3シリーズ・クーペに初めて、BMW独自のインテリジェント四輪駆動システム「xDrive」を用意しました。標準駆動(後輪駆動)のパワートレインに代わるこのシステムは、荒れた路面や滑りやすい路面でも最適なトラクションと走行安定性を提供するものです。エンジンのパワーは電子制御によって前後のアクスルに配分され、摩擦係数の低い路面でも最適なパワーを伝達するだけでなく、アンダーステアやオーバーステアの挙動に対しても適切に反応することで運動性能を強化します。
ニューBMW 3シリーズ・クーペには、17インチ・アロイ・ホィールとランフラット・タイヤ(225/45 R17)が標準装備されます。その他にタイヤ空気圧を常時監視し、適正空気圧値よりも30 %以上低下するとドライバーに警告するタイヤ・プレッシャー・コントロール(TPC)も装備されます。
最先端のボディ構造:より軽く、より安全に
画期的な素材と定評ある素材を巧みに組み合わせ、最新の製造技術を利用して、軽さと剛性に優れたニューBMW 3シリーズ・クーペのボディシェルを作り上げました。このボディシェルはセダンよりも約10 kg軽量化されています。また運動性能を強化するため、クーペのサイド・パネルには最新のプラスチック素材を使用し、フロント・エンドの重量を最適化しています。このプラスチック製サイド・パネルは従来のスチール製よりも約50 %軽量化されています。
この新たな素材が開発されたことで、生産工程はより簡略化されました。新型フロント・サイド・パネルは従来のプラスチック製コンポーネントとは異なり、個別に塗装する必要がなく、塗装を行った後で組み立てる作業も不要になりました。また熱に対する形状安定性に優れ、熱膨張や吸湿性も最適化されているため、ボディシェルと一体で通常の塗装処理を行うことが可能となりました。塗装仕上げされた完成車のサイド・パネルは、今までのスチール製と比較しても外観上の違いは見られません。
そのほかのスチール製コンポーネントにも、新しい生産方法が導入されました。この新型クーペの場合、初めてBピラーの補強に温間成形によって製作された超高張力鋼管を採用しています。このチューブと、ドア、シート、左右Aピラーの間に位置するダッシュボード・バルクヘッドの組み合わせにより、キャビンの変形を最小限に抑えます。
もうひとつの補強策は、側面衝突の衝撃をフロア・パネル経由で車両の反対側に伝える機能です。またバルクヘッドを支える補強材には、非常に強い強度を備える画期的な多層鋼を採用しています。
車両のフロント部分に設けられた変形ゾーンは、前面衝突の際に最大限乗員を保護する機能を果たします。前後方向に設置されたサポート・バーや補強材、トランク・ルームのフロアやリア・パネル、サイド・パネルに使用された強化パネルは、後面衝突時の衝撃による影響を最小限まで抑えます。
オールラウンドな乗員保護性能
負荷を受ける構造部とクラッシュ・ボックス、変形ゾーンは、適切な寸法で精密に設計されたもので、衝撃から乗員の居住空間を効果的に保護します。室内においては、ひとつのセーフティ・ユニットによって集中制御される乗員拘束機能や各種安全機能が、乗員一人一人の安全を守ります。前席エアバッグ、腰部および胸部保護用サイド・エアバッグ、カーテン式ヘッド・エアバッグ、ベルト・ラッチ・テンショナー、ベルト・フォース・リミッターは、衝突の状況や強さに応じてセンサー制御のセーフティ・エレクトロニクスによって作動します。
夜間走行の安全性を確保するため、ニューBMW 3シリーズ・クーペにはバイ・キセノン・ヘッドライトが標準装備されています。このシステムには、アダプティブ・ヘッドライトとコーナリング・ライト機能をオプションで追加することができます。テール・ライトには印象的なデザインのライト・ロッドが組み込まれており、夜間の高い安全性を提供します。2段階点灯式アダプティブ・ブレーキ・ライトは、後方からの追突を予防するためのシステムです。アダプティブ・ブレーキ・ライトは、ドライバーが急ブレーキをかけるとブレーキ・ランプが通常よりも明るく、広い範囲で点灯し、後続車のドライバーにブレーキングを促します。
4人乗りで広い空間を持つインテリア
エンジンのパワーとダイナミックな特性によって、ニューBMW 3シリーズ・クーペは特にスポーティでアクティブな走りを好むドライバーにアピールします。
このクルマがもたらす駆けぬける歓びは、ドライバーだけでなく同乗者にとっても素晴らしい体験であるはずです。ニューBMW 3シリーズ・クーペは、真の4シーターとして設計・開発され、すべてのシートでくつろぎながら走りを楽しむための理想的な条件を整えています。
センター・コンソールをリア側にも延長したため後席のシートは分割され、2つの独立したシートになっています。また低いシート・ポジション設計であるためヘッドルームは広く、動きの自由度も増しています。フロント・シートにはコンフォート・エントリー機能が組み込まれており、簡単に後席へ乗り込むことができます。バックレストのロック解除レバーは、人間工学上最も適切な位置としてバックレスト外側の最上部に配置されています。
トランク容量はセグメント中で最も大きく、440リッター(335iは430リッター)を確保しています。ドア・トリムに組み込まれている折畳み式収納ボックスも十分な広さを備えています。この収納ボックスはニューBMW 3シリーズ・クーペに初めて採用された特殊な装備で、所持品を車外から見えないように収納でき、ドライバーや同乗者のプライバシーを守ることができます。
さらなる快適さのための画期的な技術:オートマチック・シートベルト・ハンドオーバー
前席のシートは長距離走行で優れた快適性を提供するとともに、ワインディング・ロードや強い横加速度の作用するコーナーでは乗員の身体を左右から的確に支えます。新開発のオートマチック・シートベルト・ハンドオーバーは、ドライバーと助手席の乗員にシートベルトを文字通り「手渡す」ことで、着用を促す装備です。ドライバーがドアを閉め、ステアリング脇のイグニッション・スイッチにリモコン・キーを差し込むと作動します。ベルト本体が後方に離れたBピラーに収納されるのは、クーペ・スタイルの典型です。ベルト・ハンドオーバー・ユニットは、シート着座センサーの機能を利用して作動します。したがって、助手席側ユニットは助手席に乗員が座っている場合に限って作動します。このユニットは使用しないときにはサイド・パネルへ収納されるため、インテリア全体の調和を損なうこともありません。
ドア・オープナー・ハンドル、グラブ・ハンドル、シフト・レバー・カバー、吹き出し口グリルのアジャスター、標準装備される本革巻きスポーツ・ステアリングのトリム・リングには、いずれもパール・グレーのクローム仕上げが施されています。このカラーはニューBMW 3シリーズ・クーペのために専用に開発されたもので、スターター・スイッチのトリム・リングにも使われています。
ガソリン・エンジンまたはディーゼル・エンジンのどちらを搭載している場合でも、ドライバーはエンジンを始動させるときにこのスイッチを押す必要があります。コックピットのデザインも、ニューBMW 3シリーズ・クーペのスポーティでドライバー志向のキャラクターを引き立てます。ドライバーの目にまず映るものは、スピードメーターとタコメーターです。335iクーペの場合、目盛りはそれぞれ280 km/h、8,000 rpmまで刻まれています(その他のモデルでは260 km/h、7,500 rpm)。
個性的で他にはない装備
安全性に関連する装備や快適性に関連する装備が数多く組み込まれたニューBMW 3シリーズ・クーペは、ほんのわずかな距離を走るだけで驚くほど楽しい体験ができるモデルです。個性化のために用意された無数のオプションは、自分だけの一台を作りあげる可能性をドライバーに提供します。充実した標準装備品をさらに補うため、ニューBMW 3シリーズ・クーペにはハイテク・オーディオ・システムやナビゲーション・システム、テレマチック・サービスのための装備が用意されています。またラグジャリー・パフォーマンス・カーのために厳しい基準に基づいて開発された各種装備品も選ぶことができ、セグメント中でも高い評価を獲得しつつあります。これらの装備品も、ニューBMW 3シリーズ・クーペの独自のキャラクターを際立たせるために貢献します。
