大日本印刷、ネットワーク対応の個人データ一元管理型ICカード発行システムを開発
大日本印刷 ネットワーク対応の、個人データの一元管理型ICカード発行システムを開発
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、管理サーバーで個人データを集中管理できるICカード発行システムを開発し、本年10月から販売を開始します。
【背景】
近年、相次ぐ情報漏洩事件やそれに対応した個人情報保護法の施行など、情報セキュリティ体制の強化を求める要請を受けて、セキュリティシステム利用を目的としたICカードの社員証・学生証を導入する企業・学校が増えています。DNPはこれまで100社を超える企業・学校に、ICカード発行システムを納入していますが、その中で、複数の支部でカードを発行しているが、セキュリティの観点から、使用する個人データを本部で集中管理したいという要望が寄せられています。DNPはこのニーズに応えて、複数拠点の発行システムから管理サーバーに格納されている個人データを利用してカードを発行する新しいタイプのソフトウェア『CARDISSUE(TM)(カーディッシュ)』を開発しました。これを最新のフルカラーカードプリンタ『CX-320』と組み合わせ、個人情報保護に最適な個人データの一元管理型ICカード発行システムとして販売します。
【システムの特長】
1.カード発行ソフトウェア『CARDISSUE(TM)(カーディッシュ)』
CARDISSUE(TM)はカードプリンタでICカードの発行作業を行うためのソフトウェアで、パソコンにインストールして使用します。他のカード発行ソフトウェアと比較した特長は以下の通りです。
個人データの集中管理:
・複数のカード発行拠点で利用する個人データを管理サーバーで一元管理できます。個人データの発行システムへのダウンロードはできませんので、持ち出し対策に効果的です。
拡張性:
・導入企業の要求に応じて柔軟にカスタマイズ可能です。例えばソフトウェア起動時のログインの基本仕様はIDとパスワードだけですが、導入企業のセキュリティポリシーに合わせて、生体認証や管理者カードによる認証などを追加することが可能です。
・社内・学内の認証局のPKI証明書発行システムなど、システム開発会社が開発するシステムとの接続が容易です。
その他:
・管理番号などを二次元バーコードに変換してカードに印刷することが可能です。
・対応するICカードは非接触ICカードFeliCa(R)及びMIFARE(R)です。
今後、接触型ICカードのDNP Standard(R)-9、MULTOS(TM)、Java Card(TM)、非接触型ICカードのType-Bカードへの対応を予定しています。
2.フルカラーカードプリンタ 『CX-320』
CX-320は、DNPが平成9年3月に世界初の昇華再転写方式※カードプリンタを発売してから、4世代目となる最新のフルカラーカードプリンタで、以下の機能が追加されました。
・RoHS指令※に対応し、部品の無鉛化を実現しました。
・インクリボンに取り付けたICタグにより、セッティング時のリボン種別の検知や、使用時の残量検知を自動的に行います。
・パソコンとの接続インターフェースを従来のSCSIからUSBへ変更しました。
【販売価格】
カード発行システムの価格は、FeliCa(R)対応版365万円(税別)、MIFARE(R)対応版345万円(税別)です。
システムには、CX-320本体、CARDISSUE、デスクトップパソコン、15インチモニター、MOドライブ、イメージスキャナ、OAタップ、設置教育費を含みます。
ソフトウェアのカスタマイズは、別途費用となります。
【販売目標と今後の展開】
今回開発したICカード発行システムの売上は、2009年3月までの3年間で300セット、10億円を見込んでいます。
今後DNPは、CARDISSUE(TM)を廉価なダイレクト方式※カードプリンタCX-120(モノクロまたはフルカラーのいずれかに、インクリボンで切り替え可能)へ対応を予定しています。
※昇華再転写方式:
昇華方式は、加えるエネルギー量によって対象物に転写するインキの量を変化させることができ、黄・赤・青それぞれ256 階調、黒2階調、全体で1,677万色の表現が可能なプリント方式。CX-320の解像度は300dpiと、カードプリンタとして最高レベルであり、これらにより、高品位プリントが可能。
再転写方式は、中間転写フィルムに逆像でプリントした後、熱転写するプリント方式で、これにより、カード周辺部に白いフチのない全面プリントが可能となる。また、塩ビ(PVC)以外の環境配慮素材のカードへも対応可能。
※RoHS指令:
EU(欧州連合)の、電気・電子機器へ特定有害物質(鉛、カドミウム、六価クロム、水銀、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の含有量が一定量を超えないよう制限する指令。2006年7月1日の施行以降は、EU地域で販売される電気・電子機器は、同指令への対応が必須となる。
※ダイレクト方式:
サーマルヘッドが直にカードに触れて印刷を行うプリント方式。
以 上
※FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
※MIFAREは、フィリップス ロイヤル エレクトロニクスN.V.の登録商標です。
※DNP Standardは、大日本印刷株式会社の登録商標です。
※MULTOSは、StepNexus Limitedの商標です。
※Javaおよび全てのJavaに関する商標は、米国およびその他の国における米国Sun Microsystems,Inc.の商標または登録商標です。