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2007'01.24.Wed

ライオン、髪の太い日本人女性の悩み「広がり・ゴワつき」のメカニズムを解明

髪の太い日本人女性の悩み「広がり・ゴワつき」のメカニズムを解明

~複合的なダメージ要因により、毛髪内部に"不均一な構造・摩擦"が生じることで発生~


 ライオン株式会社(社長・藤重貞慶)ビューティケア研究所は、毛髪の内部構造・物性変化の研究により、髪の太い日本人女性の大きな悩みの一つである「広がり・ゴワつき」について、カラーリングやパーマなどいくつかのダメージ要因が重なると毛髪内部の潤滑成分が流出し、「毛髪内部が"不均一な構造"になって部分的に縮み、うねりが発生して広がること」および「毛髪内部で"摩擦"が発生してゴワつきと感じること」を解明しました。さらに、分子内に水酸基を多く持つ"ポリオール誘導体"に、毛髪内部の摩擦を低減し「広がり・ゴワつき」を抑制する効果が高いことを確認しました。

 なお、この研究成果は「第59回コロイドおよび界面化学討論会(2006年9月
13日~15日、北海道大学 高等教育機能開発総合センター)」において発表する予定です。


1.研究の背景

■日本人女性に多い太い髪の人は「広がり・ゴワつき」に悩んでいる
 女性の約7割は「自分の髪は傷んでいる」と感じており、ダメージに対する意識は年々上昇しています。特に日本人女性に多い太い髪の人は「広がり・ゴワつき」に悩む人が多く、「髪がはねてまとまらないので髪が硬そうに見えてイヤ」「ゴワゴワして、やわらかい感触にならない」というのが最も多い悩みであることが分かりました。

■「広がり・ゴワつき」は、髪の太さが「普通~太い」人が感じやすい
 当社ビューティケア研究所は、カラーリング・ドライヤー・パーマなどの[ダメージ要因]、毛髪の太さ・硬さなどの[髪質]、きしみ・パサつき・広がり・ゴワつきなどの[ダメージ症状]の関係を解析しました。その結果、「広がり・ゴワつき」は、毛髪の太さが、日本人の7割を占める「普通(70~90μm)から太い(90μm以上)」人で感じやすいことが分かりました。さらに、カラーリングに加えてドライヤー・パーマなどのダメージ要因が複合的に重なると「広がり・ゴワつき」が発生しやすいことが分かりました。
 そこで、当社ビューティケア研究所は、「ゴワついて広がる」毛髪の内部構造を解析するとともに、「広がり・ゴワつき」を抑制する技術開発を行いました。


2.「広がり・ゴワつき」発生のメカニズム

1)毛髪の「広がり」:複合ダメージにより、毛髪内部が"不均一な構造"になって部分的に縮み、うねりが発生することで広がる

 「広がり」の原因を解明するために、健康な毛髪の毛束を用い、カラーリングを2回繰り返し、さらにドライヤー処理を1回施すなどダメージを重ねた結果、ダメージを重ねると毛髪の形状はうねりを帯びて「広がり」、感触は「ゴワつく」ようになることを確認しました。
 そこで、ダメージ要因を複合的に受けた"複合ダメージ毛※1"の内部構造について高輝度X線回折※2により解析を行いました。その結果、"複合ダメージ毛"の毛髪内部には部分的に結晶性が低い(毛髪内部繊維の並びが乱れている)部位が確認されました。これより、毛髪内部のダメージは「不均一に発生すること」が初めて明らかになりました。また、"複合ダメージ毛"は、健康毛に比べて毛髪内部繊維(ミクロフィブリル)間の平均距離が減少しており、毛髪が縮んでいることが確認されました。
 また、毛径測定装置※3により、毛髪の扁平率を比較したところ、"複合ダメージ毛"は、単一ダメージ毛(カラーリングのみのダメージ毛)に比べて毛髪の扁平率が増加しており、うねりが出やすいことが分かりました。
 以上、"複合ダメージ毛"は、キューティクルがはがれた部位から内部のCMC(Cell Membrane Complex:細胞膜複合体)等の潤滑成分が流出して、毛髪内部が
 "不均一な構造"になって部分的に縮み、その結果、毛髪の扁平化を起こしてうねりが発生することで、毛髪が「広がる」ことを確認しました。

※1  カラーリングに加えてドライヤー・パーマなどのダメージ要因を重ねて受けた毛髪のこと。
    本研究では「パーマ1回+カラーリング2回+ドライヤー1回」処理を施したものを用いた。

※2  大型放射光施設のX線発生装置を用いた解析手法のこと。非常に強いX線を発生させて試料に当てることで、試料の微細な構造や物性などの情報が得られる。大型放射光施設と呼ばれるものは、世界にSPring-8(日本、兵庫県)、APS(米)、ESRF(仏)の三つしかない。SPring-8のX線の強さ(輝度)は、従来のX線発生装置から得られるX線の約1億倍で、世界最高の輝度である。

※3  光を当てながら毛髪を1回転させ、映し出された影の最も太い部分(毛髪の長径)と最も細い部分(毛髪の短径)を測定する。

2)毛髪の「ゴワつき」:複合ダメージにより、毛髪内部の潤滑成分が流出して毛髪内部で"摩擦"を生じ、毛髪内部繊維の動きが悪くなるためにゴワつく

 「ゴワつき」を感じる"複合ダメージ毛"の内部の物性については、宇都宮大学工学部の加藤貞二教授と共同で研究を進めました。走査型プローブ顕微鏡※4を用いて毛髪断面の摩擦力を測定した結果、"複合ダメージ毛"では、毛髪内部に摩擦力の高い部分があることを確認しました。
 これより、"複合ダメージ毛"は、内部のCMC等の潤滑成分が流出することで
"摩擦"が発生しやすくなり、その結果、毛髪内部繊維の動きが悪くなり、これが
「ゴワつき」感として感じられるようになると推察しました。

※4  プローブと呼ばれる先端の非常に鋭い探針を用い、試料表面に生じる物理的相互作用を探知し、原子オーダーで表面の3次元形状を測定したり、微小なエリアでの物性分析を行う分析機器。
    本研究では、同一表面内での摩擦力の大小の分布を知ることができる「摩擦測定モード」を使用した。


3.「広がり・ゴワつき」抑制の技術開発

日本人女性に多い太い髪の悩み「広がり・ゴワつき」を"ポリオール誘導体"が抑制することを確認

 複合ダメージ毛の「広がり・ゴワつき」を抑制するための研究開発を進めました。毛髪の「広がり・ゴワつき」は、毛髪内部のCMCなどの潤滑成分が流出して毛髪内部が"不均一な構造"になって部分的に縮むこと、および毛髪内部で"摩擦"が生じることにより発生することから、毛髪内部に浸透して内部構造を均一化し摩擦を低減させる物質を検討しました。
 その結果、分子内に水酸基を多く持つ"ポリオール誘導体"を用いると"複合ダメージ毛"の繊維間の摩擦が低減されることが分かりました。さらに、当社独自のDGA※5(毛髪構造補修成分)と組み合わせることで、「広がり・ゴワつき」が抑えられ、「やわらかくまとまる」ことが確認されました。
 "ポリオール誘導体"とDGAによる毛髪の「広がり・ゴワつき」抑制メカニズムは、"ポリオール誘導体"が"複合ダメージ毛"の毛髪内部繊維間を充足させて
潤滑油の役目をして摩擦を低減させ、DGAが傷んだキューティクルと毛髪内部繊維の乱れを整えることで"不均一な構造・摩擦"が解消され、「広がり・ゴワつき」を抑えると推察します。
 なお、当社は以上の技術を応用したヘアケア剤を今秋発売の予定です。

※5  ジグルコシル没食子酸。ブナ科の植物「没食子」などから抽出される「没食子酸」と「ブドウ糖」からなるポリフェノール誘導体。傷んだ髪表面のキューティクルのリフトアップ(めくれ)を抑え、毛髪内部繊維の乱れを整える。

以 上

<参考資料>

【第59回コロイドおよび界面化学討論会】 発表概要

・開催日  2006年9月13日~15日
・場 所  北海道大学 高等教育機能開発総合センター
・演 題  「損傷毛髪の内部修復技術とヘアケア剤への応用」
・発表者  伊藤 武利1)、青野 恵1)、景山 元裕1)、西田 勇一1)、高田 康二1)、湯澤 倫好2)、飯村 兼一2)、加藤 貞二2)
1)ライオン株式会社 研究開発本部 ビューティケア研究所
2)宇都宮大学 工学部 応用化学科


<お問い合わせ窓口>
消費者の方   お客様相談室 03-3621-6611



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