宇部興産、ガス分離膜用ポリイミド中空糸製造設備を10月から増産
ガス分離膜生産設備の増産を決定
―バイオエタノール脱水用途拡大に対応―
宇部興産(株)(社長:田村浩章)は、窒素分離膜やアルコール脱水膜の需要増に対応するため、宇部ケミカル工場内においてガス分離膜用ポリイミド中空糸製造設備の増産を決定、2007年10月より生産量を倍増する。
また、これに伴いガス分離膜モジュール製造設備を一部堺工場へ移設、2工場体制にてモジュール生産能力を年間2万本から4万本に拡大する。
宇部興産の事業の中でも20年を越える長い歴史をもつガス分離膜事業は、従来は石油精製工業や化学工業向け水素回収用途の水素分離膜モジュールが販売の中心であった。
しかし近年、タイヤ充填用窒素など新たな用途が数多く見出された窒素分離膜モジュールが、世界的な安全に対する認識の強まりから、化学プラント・石油・石炭の防爆用途を中心として需要が大きく増えている。
また、宇部興産は世界で唯一、有機膜でアルコールを脱水できる特殊技術を確立しており、この技術によって生産しているアルコール脱水膜が、ガソリン添加用バイオエタノールの需要急増により、欧米を中心とした大型エタノール精製プラントへ相次ぎ導入されつつある。これに対応するために、アルコール脱水膜の生産能力の拡大が急務となった。
宇部興産では、従来からの水素分離膜、除湿膜、酸素富化膜に加え、窒素分離膜とアルコール脱水膜を中心に事業の拡大を進めていくが、今後はバイオガス、ランドフィルガスのメタン濃縮、二酸化炭素回収、高純度水素分離など、環境問題の解決に寄与する分離膜事業も幅広く展開していく予定。
以上
【参考】(*添付資料参照)
1)ガス分離膜モジュールの構造(窒素分離膜)
2)窒素分離膜装置
3)アルコール脱水膜設備