日本テクトロニクス、東京大学の最先端量子ドット研究に任意波形ゼネレーター２台を提供
テクトロニクスの任意波形ゼネレータが東京大学で進める最先端の量子ドットの研究で採用
高速・高分解能・高波形品質の任意波形ゼネレータＡＷＧ７１０Ｂ型が、人工原子を制御する研究を加速
日本テクトロニクス株式会社（代表取締役社長 鈴木 有國 ＴＥＬ ０３－６７１４－３１１１）は、本日、東京大学の樽茶清悟教授の研究室で進められている量子ドットの量子力学的性質を制御するための研究で、テクトロニクスの任意波形ゼネレータＡＷＧ７１０Ｂ型２台が採用されたことを発表します。
現在、量子力学の理論を応用して、究極のセキュリティと言われる量子暗号や、夢のコンピュータと言われる量子コンピュータの実現に向けた研究が世界的な規模で進んでいます。東京大学の樽茶教授は、１個の電子を厳密に制御できる量子ドット（人工原子）を世界で初めて作り出すことに成功した研究者として広く知られています。樽茶研究室では、この量子ドットがもつ量子力学的性質を制御することによって、情報の演算を可能にするオン・オフの状態を作り出し、量子計算を実現するための研究を進めています。量子ドットは半導体素子であり、チャネル内の電子を１個ずつ制御できる特殊なＦＥＴ（電界効果トランジスタ）であるため、量子ドットを制御するには、ナノ秒を下回る超高速信号でＦＥＴのゲート電極を制御することが必要です。また、制御パルスの波形や配列も、できるだけ正確に測定する必要があります。
この課題を解決するために、テクトロニクスの任意波形ゼネレータＡＷＧ７１０Ｂ型が選択されました。超高速信号の要求に応えるため、立ち上がり時間１７５ｐｓ以下が保証される広帯域出力オプションを採用し、高速・高品質の波形を自在に作り出せるようにしました。ＡＷＧ７１０Ｂ型を採用した理由について樽茶教授は、「世界中で同様の研究を進める研究者達が複数の機種を評価してみた結果、テクトロニクス社の発振器が最も波形品質が高く、機能・性能的にも要件を満たすことが分かりました。また、立ち上がり時間だけを考えるならば他にも該当機種はありましたが、私達がこだわった波形の品質を考慮すると、ＡＷＧ７１０Ｂ型は、我々が求める要件を満たしていました」と述べています。このように、ＡＷＧ７１０Ｂ型の立ち上がりの速さだけでなく、様々な波形を作り出す機能や操作的な取り扱いの容易さなどが評価されて採用にいたりました。
実験は極低温下で行う必要があり、ＡＷＧ７１０Ｂ型の出力端からクライオスタット冷媒によって試料を低温に保つ装置）までの２ｍを、波形品質を保ったまま波形を伝送し、研究データの収集を行っています。そこで「従来のゼネレータと比べてデータがきれいに採れる」という感想を頂いています。樽茶教授は、量子ドットを４個程度並べたものまで視程に入れて研究を続けられており、量子コンピュータの実現に向けた研究に、内外から大きな期待が寄せられています。
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テクトロニクスは、計測およびモニタリング機器メーカとして、世界の通信、コンピュータ、半導体、デジタル家電、放送、自動車業界向けに計測ソリューションを提供しています。６０年にわたる信頼と実績に基づき、お客様が、世界規模の次世代通信技術や先端技術の開発、設計、構築、並びに管理をより良くできるように支援しています。米国オレゴン州ビーバートンに本社を置くテクトロニクスは、現在世界１９か国で事業を展開しています。詳しくは、 www.tektronix.com をご覧ください。日本テクトロニクスは、米テクトロニクスの１００％出資の日本法人です。詳しくは、 www.tektronix.co.jp をご覧ください。
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