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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'03.16.Sun
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2007'01.30.Tue

メディネット、米社とがん免疫細胞療法に係る樹状細胞加工プロセスの共同開発に着手

メディネット、米国MaxCyte社と
がん免疫細胞療法に係る樹状細胞加工プロセスの共同開発に着手


 株式会社メディネットは、平成18年8月、MaxCyte社(MaxCyte, Inc.、米国メリーランド州、社長兼CEO;Douglas A. Doerfler)と、樹状細胞(i)の抗原提示能力向上を目的とした独自の細胞加工プロセスに係る共同開発に着手いたしました。

 樹状細胞は、がん細胞に由来するたんぱく質を貪食し、それをがん抗原としてTリンパ球に提示することにより、がん細胞を特異的に攻撃するTリンパ球を誘導する働きをします。したがって、樹状細胞療法(ii)においては、いかにして大量のがん抗原を樹状細胞に取り込ませるかが、強力かつ特異的なTリンパ球を大量誘導し、より有効な治療結果が得られるかどうかに大きな影響を与えます。

 MaxCyte社は、独自の細胞加工技術を基に、あらゆる細胞に対して、様々な物質を効率的に細胞内に導入することが可能な自動装置を開発し、その事業化に成功しています。同社の技術を用いて、より効率的に樹状細胞にがん組織を導入することにより、従来の方法に比べて樹状細胞の高い抗原提示能が示され、がん細胞を特異的に攻撃するTリンパ球がより多く誘導されることが基礎実験において明らかとなっています。また、既に動物実験では、同社の技術により加工した細胞を用いた樹状細胞療法で、増殖、成長したがんに対する顕著な治療効果を示すデータが、学術論文(iii)として報告されています。

 本共同開発では、MaxCyte社の技術とメディネットがこれまで培ってきた細胞加工に係る技術・ノウハウの双方を用いた新たな細胞加工技術によるヒト由来の樹状細胞の抗原提示能の顕著な向上及びがん細胞特異的ヒトTリンパ球の活性上昇について、半年程度の期間で検証してまいります。

 また、ヒト樹状細胞の抗原提示能力の確実な向上が実証された暁には、次の段階として、本共同開発の主目的である当技術を用いた樹状細胞療法の臨床適用に向けて、細胞加工プロセスを伴う樹状細胞療法の安全性と有効性を検証するための臨床研究を開始する予定です。現在に到るまでの知見では、がん組織自体を用いた樹状細胞療法は、特に術後再発予防を中心として、がん治療における高い有用性が見込まれており、本共同開発が、がん免疫細胞療法の大きな進歩に貢献し得るものと期待しています。


MaxCyte社について:
 MaxCyte社は、独自の技術開発と幅広い外部との提携により、細胞医療に関わる研究開発を積極的に進めており、既に臨床段階に到達した候補薬を複数保有しております。同社の細胞加工技術は、細胞医療の臨床応用に際して、その成功を左右する安全性、細胞加工の処理量、再現性等の課題を克服しているものです。その技術の応用可能性は幅広く、同社は既に、提携企業・大学研究者と共同で、がん、呼吸器疾患、代謝異常、及び感染症等の疾患に対する治療パイプライン、さらに、3つの治療薬候補を開発しており、これらの中には既に臨床試験のフェーズI/II段階に達しているものもあります。
 ⇒URL: http://www.maxcyte.com/

以上


i 樹状細胞(Dendriti Dendritic Cell; DC)
 免疫細胞の1つで、樹枝状の形態を呈しており、高い抗原提示能を有する。血液、体液中をたえず移動し、種々の組織に分布する。癌細胞やウイルス感染細胞などの異物を貪食し、それらを分解して細胞表面に特異抗原を発現することで、リンパ球を介して効率的に免疫反応が誘導される。

ii 樹状細胞療法
 樹状細胞を用いた免疫細胞療法であり、体内でがん細胞を特異的に攻撃するTリンパ球を誘導し、攻撃させる治療方法。がん抗原ペプチドまたは患者自身のがん組織等を利用し、あらかじめがん抗原を認識させた樹状細胞を投与する樹状細胞ワクチン療法と、貪食作用を保持した、言わば未熟な樹状細胞をがん病巣に直接注入する樹状細胞腫瘍内局注療法などがある。他の免疫細胞療法と同様に、患者への身体の負担は非常に軽微である。

iii Jonathan M. Weiss, Cornell Allen, et al “Efficient Responses in a Murine Renal Tumor Model by Electroloading Dendritic Cells With Whole-Tumor Lysate,” Journal of Immunotherapy, 2005; 28: 542-550

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