フタタ、コナカを完全親会社とする株式交換で経営統合を決議
株式交換によるコナカとの経営統合に関するお知らせ
当社は本日開催の取締役会において、株式会社コナカ(以下、「コナカ」といいます。)と同社を完全親会社とする株式交換を行い、同社との経営統合を目指すことを決議しましたので、お知らせいたします。なお、当社は、株式会社AOKIホールディングス(以下、「AOKI」といいます。)から、公開買付けの方法による経営統合提案を受けておりましたが、これを謝絶することも併せて決議いたしました。
1.コナカとの経営統合決定に至る経緯
コナカと当社とは、平成15年1月24日付けで「業務提携及び資本提携契約」を締結して提携関係に入り、商品の共同仕入れ、社員教員、POSシステムの共通化等を通じて一定の成果を上げて参りました。しかしながら、紳士服市場の拡大が見込めない中、企業間競争の激化と顧客ニーズの多様化に対応することが必要であり、平成18年6月頃から、コナカとの間で、様々な提携強化策を検討しておりました。かかる状況下で、平成18年8月7日、AOKIから公開買付けの方法による経営統合提案を正式に受けた次第です。当社は、株式会社三井住友銀行(以下、「三井住友銀行」といいます。)をファイナンシャル・アドバイザーに起用し、AOKIのご提案を検討すると共に、提携先であるコナカに対しても、かかる状況の変化を踏まえ、経営統合提案の提出を求めました。AOKIからは、平成18年8月11日に同社経営統合提案についてのご説明を受け、コナカからも、翌12日に「経営統合についてのご提案」をご提出いただき、同日そのご説明も受けました。その上で、当社は、両社に対し、平成18年8月18日に両提案に対する当社の回答を行う旨ご連絡いたしました。当社は、三井住友銀行に、両社のご提案の分析と評価をお願いし、その意見書を受領いたしました。
当社取締役会は、三井住友銀行の意見書を参考とし、様々な角度から両社のご提案を含む当社の選択肢を検討した結果、コナカの経営統合提案を受諾することが、当社の企業価値を向上させ、当社株主の利益に適い、また、従業員等の利益にも合致するものであるとの結論に達し、コナカの経営統合提案を受諾し、株式交換によるコナカとの経営統合を目指すことを決定したものです。
2.コナカとの経営統合を選択した理由
当社は、昭和27年に当社相談役二田義松が創業し、同34年に紳士服小売業を開始して以来、九州を基盤とする紳士服小売チェーンとして発展を遂げてきました。当社は、独自の伝統と企業文化を有し、コナカとの緩やかな資本・業務提携を維持しつつ、自主独立経営を継続することも検討しました。しかしながら、所謂「団塊の世代」が退職年齢に到達しつつある一方で総人口も減少に転じるなど、市場が縮小傾向が明白になる中で、年商100億円強という当社の企業規模は、メーカーに対する価格交渉力の面でも、顧客のニーズに対応した商品開発力の点でも、不十分であることは否定できません。他方、同業企業間の競争は激しさを増すばかりであり、自主独立に拘って企業価値を毀損するリスクを放置することは、企業価値の向上を通じて株主等の利益を図ることを職責とする当社取締役会として選択するべきではないとの結論に至りました。
幸い当社は、AOKIから、従前の株価を大幅に上回る1株700円で公開買付けによる経営統合提案をいただき、また、当社の要請により、コナカからも株式交換による経営統合提案をいただきました。紳士服小売業の売上高上位企業4社のうち、青山商事株式会社(売上高1位)とはるやま商事株式会社(同3位)は、九州において当社と全面的に競合しており、当社との経営統合効果が見込めず、経営統合の対象として考慮すべき相手は、AOKI(同2位)かコナカ(同4位)のいずれかということにならざるを得ません。当社は、三井住友銀行をはじめとする外部アドバイザーの助言を受けながら、両提案のいずれが、当社の企業価値を向上させ、当社従業員及び株主全体の利益に適うかを慎重に検討いたしました。AOKIからの提案も誠実なものであり、当社としては、かかる提案をしていただいたことに大変感謝しております。しかし、当社取締役会としては、(1)3年半にわたる業務・資本提携を通じて、経営陣レベルでも従業員レベルでも、コナカと間で信頼関係が構築できていること、(2)社員教育やPOSシステムの共通化を初めとして、コナカとは経営統合の前提となる作業の相当部分がすでに進行しており、企業価値向上に向けたスムーズな経営統合が期待できること、(3)謹言実直で本業指向が強いという点で、コナカと当社との企業文化の親和性が高いこと、(4)コナカは既存店舗の業態変換は原則として考えておらず、「紳士服小売業」であるフタタに入社した従業員の期待を裏切らないこと、(5)経済的条件においても、コナカの提案する株式交換はAOKIの提案に劣るところはなく、「紳士服小売業」であるフタタ株式に投資していただいた当社株主に、コナカ株式の保有を通じて経営統合のシナジー享受の機会を保証できる点などにおいて、当社株主の利益に適うこと等を総合的に判断し、コナカの経営統合案を受諾することとし、株式交換契約を締結することとしたものです。
3.当社が受諾したコナカ提案の概要
当社が受諾したコナカの提案の概要は以下の通りです。
(1)株式交換による経営統合
両社の株主総会で株式交換契約が承認されることを条件として、株式交換の効力発生日前日の最終の当社の株主名簿(実質株主名簿を含む。以下同じ。)に記載されている当社株主(コナカを除く)に対して、当社の株式に代えて、当社各株主が所有する当社普通株式数の23分の10に相当する数のコナカ普通株式を交付します。この結果、当社はコナカの100%子会社になります。なお、コナカは、本年8月31日の最終の株主名簿に記載されている同社株主の所有普通株式1株につき1.1株の割合をもって分割することをすでに決定しており、この株式分割を前提として上記割合で株式交換を行います。
(2)店舗政策と雇用の維持
コナカのバックアップにより、平成21年1月期までに16~20店舗の新規出店と移転・建て替え等による既存店の活性化を進めます。紳士服小売業という本業による収益改善をめざし、業態転換を前提とせず、当社従業員の現在雇用状況をできる限り維持します。コナカは、当社全従業員の雇用が守られるように最大限の考慮と努力を払い、雇用の不安は生じさせません。現在の雇用条件も変更しません。「フタタ」の社名は残します。
(3)統合後の経営体制
当社代表取締役社長は引き続き二田孝文が務めます。株式交換の効力発生後速やかに、本田忠之(コナカの取締役兼当社専務取締役営業本部長)が、当社代表取締役に就任することを除き、現在の経営体制を継続します。
4.今後の予定
今後、両社にて株式交換契約の締結に向け協議してまいります。
以上