アドバンテスト、電子ビーム露光装置「F3000」を販売開始
電子ビーム露光装置「F3000」を販売開始
65nmルール以下、300mmウェハ対応の電子ビーム露光装置「F3000」を発売
株式会社アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:丸山利雄)は、65ナノメートル(nm)ルール以下の回路パターン、300mmウェハ対応の電子ビーム(EB)露光装置「F3000」を開発し、販売を開始しました。
近年、デジタルテレビ、DVDレコーダー等のデジタル家電に使用され、それらの高機能・高性能化の柱となっているシステムLSIは、多種多様化が進み世代交代も激しく、市場では、少量多品種への対応、受注から出荷までの工期短縮が求められてきました。しかしながら、ウェハ上に回路パターンを形成するのに現在主流である光露光方式では、微細化の進展による光マスクのコスト高騰、マスク製造日数の増加によるシステムLSI開発工期の長期化がより深刻な問題となっています。
アドバンテストは、このたび、電子ビーム直接描画方式により、65nmルール以下の回路パターンを、光マスクを用いない(マスクレス)で300mmウェハ上に形成するEB露光装置「F3000」を開発いたしました。「F3000」は、これまで培ってきた高解像電子光学系や高信頼性・高稼働率を実現するための機能に加え、高剛性ボディの採用等の各種改良を加えることにより、パターン微細化で問題となる露光位置精度および寸法精度が約20%向上(当社従来比)しております。
【 F3000の主な仕様 】
対応ウェハサイズ:300mm
最小線幅:40nm以下
寸法精度:7nm以下
重ね合わせ精度:20nm以下
露光方式:ブロック露光方式
ブロック選択個数:100個
ブロック倍率:60倍
【 価 格 】
25億円より(構成により異なる)
【 用語集 】
●光露光方式
回路パターンをウェハ上に形成するために、まず、パターンを4倍に拡大した光マスクを原版として作成し、スキャナないしステッパと呼ばれる装置により、ウェハ上に光マスクのパターンを繰り返し縮小転写する方式。
●電子ビーム直接描画方式
電子ビームを用いてウェハ上に、デバイスパターンを直接描画する方式。
●光マスクのコストとシステムLSI
大量生産のメモリ品種とは異なり、システムLSIは少量多品種の傾向がある。このため、微細化の進展とともに高価となる光マスクのコストの吸収比率が高く、システムLSIビジネスとして採算が取れない場合が発生する。
●ブロック露光方式
露光する際に、繰り返しの多いパターン群を抽出し、この単位(ブロック)毎にウェハ上に一括して電子ビームを照射する方式。これにより、一つ一つのパターンを個別に照射していく従来方式に比べて電子ビームの照射数を大幅に削減することが可能となり、露光時間を短縮できる。
以上
<製品に関するお問い合わせ先>
ナノテクノロジー第1事業部 CS部 販売推進プロジェクト 電話:0480-72-6300