クラレ、耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」の生産体制強化で約100億円投資
耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>の生産体制強化
当社が独自技術により開発した耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>は、2000年の事業化以降、電気・電子分野を中心に順調に拡大してきました。さらにその特長を生かし、自動車部品など新分野への広がりが期待されています。
今後の需要拡大に対応するため、今般<ジェネスタ>樹脂、およびその主要原料モノマーであるノナンジアミンの増設を行い、生産体制を大幅強化することを決定しました。
<ジェネスタ>は、当社が世界で初めて工業化したノナンジアミン(炭素数9 のジアミン)を使用した新しいポリアミド樹脂(PA9T)です。この<ジェネスタ>は芳香環と高級脂肪族鎖からなるユニークな化学構造の半芳香族ポリアミドで、耐熱性、低吸水性、摺動性、耐薬品性などに優れた特長を持っています。
近年、電気・電子部品分野では、欧州のRoHS 指令に代表される環境規制の強化に伴い、「鉛フリー」化が急速に進んでいます。携帯電話、パソコン、スマートメディアなどコネクタ用途を中心に、SMT(表面実装技術)対応の高耐熱材料として<ジェネスタ>の需要が急拡大しています。
さらに今後は、自動車分野のベアリングリテーナー・各種ギア、燃料配管、ラジエータ部品など、耐熱性・高摺動性等が要求される部分への採用が期待されています。
こうした需要拡大を受けて、当社は現有の樹脂生産設備のデボトル増強(年産4,500トン⇒5,500トン2007年8月完工)を実施していますが、さらに大きな市場の伸びが予想されることから、樹脂および原料モノマーの増設投資を行い、樹脂の総生産能力を2010年までに年産12,500トンに拡大することとしたものです。
※生産体制強化の概要など詳細は添付資料参照