三井不動産レジデンシャル、緊急地震速報を活用したマンション地震防災システムを開発
緊急地震速報を活用したマンション地震防災システムを開発
「パークホームズ府中セントラルプレイス」を皮切りに都内新築分譲マンションに標準装備
■三井不動産レジデンシャル株式会社は、気象庁が提供する緊急地震速報(*注1)を活用したマンション地震防災システムを開発いたしました。「パークホームズ府中セントラルプレイス」を皮切りに、今後分譲開始する平成20年1月以降竣工の都内新築マンションに標準装備いたします。
■背景
自然災害が多発し、防災情報に対する社会的関心が高まる中、減災効果の可能性の大きさから、気象庁が提供する新しい地震情報「緊急地震速報」の実用化への期待が高まっています。
こうした状況を踏まえ、三井不動産レジデンシャルでは、緊急地震速報を活用した地震防災システムを開発し、新築分譲マンションに導入することといたしました。なお、東京都内以外のマンションへの導入については今後検討して参ります。
■地震防災システムの概要・特徴
<システムの概要>
(1)地震発生時に気象庁から緊急地震速報が発表されると、マンション内の受信システムが情報を受信、解析。
(2)解析した「予測震度」、「大きな揺れが到達するまでの時間」をもとに、震度4以上の地震に関し、各住戸および共用部において音声などで警報発信。
(3)エレベータは最寄り階に自動停止、共用部オートロック扉を自動制御。
【システム概念図】
* 関連資料 参照
<システムの特徴>
(1)早期にエレベータが最寄り階に停止することで、閉じ込め事故等の被害を軽減。
(2)避難や救護経路確保のため、共用部オートロック扉を一時的に解錠。
(3)気象庁からマンションまでは、NTTコミュニケーションズのIPv6マルチキャスト(*注2、3)により情報配信。さらに、緊急地震速報専用回線とすることで、配信システムの負荷増大等による情報配信の遅延、セキュリティ等の問題を低減。
■ご入居者への啓蒙
システムの開発に併せ、緊急地震速報そのものに対する理解を深め、情報を入手した際に適切な危険回避行動を取っていただくため、ご入居者向けに「緊急地震速報利用マニュアル」を作成する予定です。
■三井不動産レジデンシャルは、すまいとくらしのベストパートナーとして、今後も、安全で安心な住まいと暮らしを創造して参ります。なお、三井不動産グループでは、新築分譲マンション以外にも、オフィスビルなどへの緊急地震速報の活用について今後検討して参ります。
注1)緊急地震速報
地震発生直後に、震源に近い地震計でとらえた観測データを解析して、震源や地震の規模(マグニチュード)を直ちに推定し、これに基づいて各地での主要動(大きな揺れ)の到達時刻や震度を推定、主要動が到達する前に知らせることを目指した情報のこと。主要動が到達するまでの短い時間ながら、火元の確認や身の安全を図るなど、何らかの対策を講じることができるものと期待されている。
今年8月から先行的な提供が開始されているが、「内陸の浅い場所で発生する地震では情報の提供が揺れの到達後となってしまう」など技術的な限界もあり、現在は、鉄道やエレベータの制御など、情報を混乱なく利用できる分野・事業者等に限定されている。また、マンションに導入可能となるのは、緊急地震速報の本格運用が開始される予定の平成19年春以降。
注2)IPv6
インターネットプロトコルの次世代版(Version6)となる通信プロトコル。現在、一般的に使用されているIPv4 に比べ、大量のIP アドレスを利用することが可能。
注3)マルチキャスト
ネットワーク上にある、決められた複数のネットワーク端末に対して、データを一斉に配信する技術。一対一で行うユニキャストと比べて、効率的にデータを配信。