愛知製鋼、超微小のナノテスラ磁界検知センサを開発
世界初・超微小のナノテスラ磁界検知センサを開発
愛知製鋼株式会社(本社:愛知県東海市、社長:森田章義)は、磁気検出能力(分解能)を一挙に従来比で約1000倍高め、世界で初めて小指サイズで±0.5nT(ナノテスラ)の超微小磁界を検知できる高感度MIセンサの開発に成功した。1nT(1ナノテスラ=10億分の1テスラ)は微小磁界の代表である地磁気のさらに5万分の1以下の超微小磁界である。
当社では、世界に先駆けてMI(磁気インピーダンス)センサを開発し、これまで携帯電話用のモーションセンサや自動車用電子コンパスなどに実用化してきた。MIセンサは、93年に名古屋大学の毛利佳年雄教授が発見したスピン共鳴を基礎とした新しい原理の磁気センサで、理論的には1nT以下の超微小磁界の検知が可能であるが、これまで製品化した携帯電話用センサの磁気検出能力は±300~500nT程度であった。
今回の開発の成功は、独自開発した高感度磁気ヘッドの採用と低ノイズ電子回路の開発によるものであり、検出能力の驚異的な高感度化によって食品に混入した微小な金属異物の検知や、凶器を探知するセキュリティゲート、交通車両の検知を行うトラフィックカウンターなど実用化の飛躍的な拡大が期待できる。
食品異物検知では、豊橋技術科学大学(田中三郎教授)の技術指導の下にアドバンスフードテック株式会社(本社:愛知県豊橋市、社長:鈴木周一)と共同で高感度MIセンサ(型番MI-CB-1DK)を利用した新方式の「食品異物検知装置」の実用化に成功し、従来方式では対応できなかったアルミ包装や高塩分食品の異物検知を可能にした。
また、交通車両検知では、名古屋大学などと共同でトラフィックカウンターを試作し、そのフィールド試験において走行中の自動車の台数、スピード、大型/小型の判別などに成功している。これらの新機能は、近い将来に事故防止やITS分野において実用化していくものと期待される。
記
1.商品名:高感度MIセンサ(型番MI-CB-1DK)
2.仕 様:寸法35×11×6mm
感度 0.75V/μT,周波数 0.1~1kHz,電源 5V
検出範囲 2μT,分解能 1nT(精度±0.5nT) @ 0.1~10Hz
3.販売開始:2006年12月
4.開 発:アイチ・マイクロ・インテリジェント株式会社(愛知製鋼株式会社の子会社)との共同開発
5.お問合せ先:愛知製鋼(株) 電磁品事業本部
(tel052-603-9029、fax052-603-9831)
住所:〒476-8666 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地
ホームページ: http://www.aichi-mi.com/
以 上