ホンダ、二輪ロードレース最高峰クラスに挑戦する800ccプロトタイプマシンを発表
Hondaの子会社である(株)ホンダ・レーシングは、現地時間10月30日午後6時30分にスペインのバレンシアサーキットにて以下を発表いたしましたので、その内容をご案内いたします。
二輪ロードレース最高峰クラスに挑戦する800ccプロトタイプマシンを発表
Hondaは、2006年二輪ロードレース世界選手権最終戦が開催されたスペインのバレンシアサーキットにおいて、2007年シーズンに参戦する800cc・4ストローク・V型4気筒エンジン搭載のニューマシンRC212Vのプロトタイプを発表しました。ロードレースの最高峰クラスであるMotoGPは、レギュレーション(*1)の変更により、2007年より排気量の上限が990ccから800ccへと変更になります。
RC212Vという名称における“RC”はHondaの4ストロークグランプリマシンを意味し、“212”は21世紀における二代目グランプリマシンを意味しています。また末尾の“V”には、(1)V型エンジン、(2)VICTORYの頭文字という意味を持たせています。
初代の4ストロークMotoGPマシンとなった、RC211V(990cc・V型5気筒エンジン)は、デビューシーズンの2002年と2003年、そして990cc最終シーズンとなる2006年にライダー及びコンストラクターの両世界選手権タイトルを、2004年はコンストラクタータイトルを獲得しており、990ccクラスにおける最多優勝回数(48回)を達成したマシンです。
■RC212Vベーシックコンセプト 大熊孝則 (株)本田技術研究所RC212V開発責任者
~ライダーの意のままに~
MotoGP第二世代とも言える800ccマシンの開発にあたり、高次元のハンドリングとマシンのコントロール性の追求を最大の目標として掲げました。それらを実現するために、排気量が縮小されたパワーユニットにはレイアウト効率の良いV4を採用することとし、単にトップパワーのみを追求するのではなく、ラップタイムの向上に重要な出力特性にこだわり、低・中回転域での扱いやすさと高回転域での全開加速における出力の両立を、制御系の進化を含めて実現させています。また車体側では、ライディングの自由度を高めるため、RC211Vで培ったマス集中パッケージをより進化させ、クイックなハンドリング特性を目指しています。
また、マシンの外観も我々の目標とした運動性能と空力性能を両立する、新時代に相応しいアグレッシブ且つ斬新さを表現しています。2007年シーズン開幕まで、またシーズン中もマシンを進化し続けて参ります。
■RC212V プロトタイプ スペック
全長 2050mm
全幅 645mm
全高 1125mm
ホイールベース 1440mm
最低地上高 125mm
車両重量 148kg以上
エンジン形式 水冷 4ストローク DOHC4バルブ V-4
総排気量 800cc
最高出力 N/A
フレーム形式 ツインチューブ
タイヤ(フロント) 16.5インチ
タイヤ(リア) 16.5インチ
サスペンション(フロント) テレスコピック式
サスペンション(リア) ニューユニットプロリンク
燃料タンク容量 21リットル
*1・・・ FIMレギュレーション(規則) 4ストロークに関する変更部分のみ
・排気量は800cc以下(現行は990cc以下)
・最低重量は2気筒以下133kg、3気筒140.5kg、4気筒148kg、5気筒は155.5kg、6気筒以上163kg(現行は3気筒以下135kg、4・5気筒145kg、6気筒以上155kg)
・楕円ピストンは使用禁止(現行は楕円ピストンは1ランク上の重量カテゴリーを適用)