三菱ガス化学、「スピログリコール」及び「ジオキサングリコール」併産装置を新設
「スピログリコール」及び「ジオキサングリコール」併産装置の新設について
三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小高英紀)は、水島工場(岡山県倉敷市)において、スピログリコール(SPG)及びジオキサングリコール(DOG)の併産装置を新設することを決定いたしました。設備能力は、SPG、DOG併せて年産1,500トンであり、2008年2月から商業運転を開始する予定です。
SPG、DOGは何れも、当社が製造するネオペンチルグリコールの中間体であるヒドロキシピバールアルデヒドを原料として、当社が新規に開発した製造法により生産します。
SPGの主用途は酸化防止剤で、熱安定性・耐揮発性に優れた特性から、スパンデックスや工業用途のポリプロピレンに使用されており、スパンデックス市場の成長にあわせた需要増大が期待されます。一方、DOGは電子・光学材料分野で使用されるUV硬化型樹脂を主用途としています。アクリル酸と反応させた上でUV照射すると、優れた低収縮性、高密着性、高ガラス転移点、透明性を示すことから、DVD等のUV接着剤として使用されているほか、今後は家電製品等のUVコーティングやUVインクジェットとしての需要も期待されます。
従来、SPG及びDOGは、当社の子会社である(株)日本ファインケムで少量を製造・販売しておりましたが、当社において従来法と比較してより効率的かつ低コストで製造できる新プロセスの開発に成功したことから、日本ファインケムでの製造を停止し、当社で本格的に事業化することにしたものです。また、当社ではSPGを原料とするポリエステル樹脂も開発しており、同樹脂の優れた耐熱性や透明性を活かし、耐熱包装材や光学フィルム向けの機能性樹脂として事業化することを検討しております。
当社は、各種塗料樹脂の原料となるネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパンを中核として多価アルコール事業を展開しておりますが、今後はこれらの汎用品に加え、SPG及びDOGなどの特殊品を積極的に開発・上市することで、多価アルコール事業を更に強化・拡充してまいります。