IPA、10月のコンピューターウイルス・不正アクセス届出状況を発表
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[10月分]について
独立行政法人 情報処理推進機構(略称 IPA、理事長:藤原 武平太)は、2006年10月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
今月の呼びかけ:「心当たりのないメールは、興味本位で開かずにすぐ捨てよう!!」
――― 迷惑メールでウイルスなどの被害に遭わないように!! ―――
最近、見知らぬ差出人からの心当たりのないメールを受け取り、メール本文中に記載されているホームページのアドレスをクリックすることにより誘導されたホームページの表示に従ってクリックした結果、ウイルスを取り込まされる被害に遭ったなどの相談がIPAに多く寄せられています。(3.相談受付状況 事例(i)参照)
届いたメールが自分に関係ないものと知りつつ興味本位で添付ファイルを開くことは、ウイルスに感染するなどの被害に遭う可能性が高くなります。また、単なる広告メールのように見せかけて利用者を騙し、クリックさせてウイルスやスパイウェアなどを取り込ませるなど、手口が巧妙になっています。
ひとたび感染するとパソコンを乗っ取られたり、あるいは、個人情報が漏えいするなどの被害に遭う危険性があります。そもそも、どこの誰から届いたかわからない、自分に関係のないと思われる怪しいメールは、本文を開いて見ることをせず、すぐに捨てることが有効な対策となります。
怪しいメールには以下のようなものがあります。このようなメールが届いても、リンクや添付ファイルをクリックすることなく、原則、すぐに捨てるようにしましょう。
その他、迷惑メールに使われる件名の実例
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迷惑メールなど、注意が必要なメールはその性質などにより概ね4つの種類に分類されます。
以下に4種類それぞれの主な特徴を記載します。また、これらの中には、ウイルスメールが紛れ込んでいる場合もあるので注意が必要です。
(1)無差別広告などの迷惑メール
事 例
・件名から推測して自分が興味のない分野の広告と思われるメール
・同じところから繰り返し送られてくるメール
これらの中には、本文中にホームページのアドレスが記載されていて、それをクリックすることで関係のないホームページへ誘導され、ウイルス感染等の被害に遭う場合があります。
(2)差出人はいろいろ変わっているが本文が同じ内容のメール
事 例
・差出人は異なっているが、同じ件名でメール本文が同じ内容のメール
・差出人も件名も異なるがメール本文が同じ内容のメール
これらは、大量メール配信によって感染を拡げるウイルスによるメールの可能性がありますので、開くとウイルス感染する恐れがあり注意が必要です。
(3)差出人が見知らぬ人で、内容にも覚えがないメール
事例
・自分のアドレスを登録した覚えのないところから来る広告などのメール
・懸賞に当選したなどの件名で届くメール
これらは、ただで景品を取得できるように見せかけ、そのためには個人情報の入力が必要などと表示し、入力すると結果的にメールアドレスや氏名、住所などの個人情報を詐取されてしまう場合があります。
(4)差出人は知り合いであるが、件名が妙なものや普段と何か違うと感じられるメール
事 例
・普段日本語でしかやりとりをしていない人から届いた本文が外国語のメール
・普段添付ファイルを送ってこない人から届いた添付ファイル付きのメール
これらは、差出人を詐称するウイルスが送信しているメールの可能性が高く、添付ファイルを開くと被害に遭う場合があります。したがって、上記のようなメールが届いた場合は、差出人に電話等で内容を確認し、問題ないことがわかった上で開くようにしてください。
以上の例の内、いわゆる迷惑(広告)メールには、「配信不要の場合はこのアドレスへ返信メールにて連絡してください。」等のメッセージの記述とともに連絡先のメールアドレスが文末に記載されていることがあります。このメッセージを信用して、配信拒否のための返信メールを送信することは、無差別に送ってきている相手に、わざわざ自分のメールアドレスが実在していてちゃんと使われていることを知らせることになり、さらに迷惑メールが増えるなど、悪用される可能性を増やすことになります。決して返信するなど考えずに、心当たりのないメールには一切対応せず、無視することが重要です。
1.コンピュータウイルス届出状況 -詳細は別紙1を参照-
ウイルスの検出数(※1)は、 約117万個と、9月の約105万個から11.5%の増加となりました。また、10月の届出件数(※2)は、3,696件となり、9月の3,551件から4.1%の増加となりました。
※1 検出数 :届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数:同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・10月は、寄せられたウイルス検出数約117万個を集約した結果、3,696件の届出件数となっています。
検出数の1位は、W32/Netskyで約78万個、2位はW32/Strationで約22万個、3位はW32/Mytobで約4万個でした。
■W32/Stration の蔓延に注意
2006年8月に発生した W32/Stration の亜種が9月に引き続き10月も多数出現し、出回っていますので、注意が必要です。
このウイルスは、メールの添付ファイルにより拡散します。その添付ファイルを開くとウイルスに感染することになり、アドレス帳に保存されているメールアドレス宛に同様のウイルスメールを送信することになってしまいます。
また、亜種の中には、ウイルスの作者が用意したと推測されるサイトへアクセスさせ、勝手に感染した PC にスパイウェアなどをダウンロードする機能を持ったものなどもあり、情報漏えいが生じるなどの被害に遭う可能性があります。
さらに、ルートキット(*1)も同時にコンピュータにインストールするため、感染してからでは発見することが困難になります。また、見た目にわかる症状もでないため、感染していることに気付かずに、ウイルスメールを撒き散らし続けることになってしまいます。
感染してからでは対処が困難になるなど、被害が拡大する恐れがありますので、メールの添付ファイルを安易に開くことは決してしないようにしてください。
*以下詳細は添付のオリジナルリリースをご参照ください。