松下、プラズマディスプレイパネルの無鉛化を全140機種で達成
全市場向け、全140機種で達成
世界初「プラズマディスプレイパネルの無鉛化」を実現
松下電器産業(株)は、世界で初めて、プラズマディスプレイパネル(以下PDP)の無鉛化を実現しました。プラズマテレビやプラズマモジュールの全機種(業務用やOEM、外販品も含む(*1))に使用されるPDPでの達成です。
当社は、プラズマテレビ「VIERAシリーズ」における今春の世界同時発売モデル(*2)など、2006年度の新製品から、PDPの無鉛化を進めていました。今秋、VIERAシリーズの最大インチサイズである「103v型」を市場導入したことで、2006年度プラズマテレビ新製品(2006年11月2日現在)の全140機種(37v型/42v型/50v型/58v型/65v型/103v型)などでPDPの無鉛化を実現しました。
今後、年末商戦に向けて、欧米市場をかわきりにグローバルにプラズマテレビの全ラインアップで達成したPDPの無鉛化を積極的にアピールし、プラズマテレビ「VIERA」の環境対応力を世界の薄型テレビ市場に強力に訴求していきます。
PDPに含まれる鉛は、PDPを構成する電極(*3)、誘電体層(*4)やシールフリット部(*5)など、材質の異なる複数の材料を順次ガラス基板に積層するために、各材料の軟化点(*6)調整に用いられていました。
鉛を使わない従来材料では、それぞれの材料の軟化点を最適な値に調整し、品質と生産の安定性を確保するのは難しく、代替材料の開発は非常に困難とされていました。
当社は、このたび、以下の2つの取組みによって無鉛材料の課題を克服し、世界で初めてPDPから鉛を全廃することに成功しました。
1)鉛に比較的近い特性を有する元素(*7)に独自開発した添加剤(*8)を配合したり、材料を構成するガラス成分以外の材料組成(*9)を見直すことによって、従来と同等の特性と信頼性を両立する新材料(電極、誘電体層など)の開発に成功しました。
2)生産工程においては、熱プロセスの諸条件(*10)などの総合的な見直しを図ることで、新材料における品質の確保と生産の安定性を両立しました。
これにより、全てのPDPの生産工場への導入を完了し、2006年度の新製品の全ての機種において、PDPの無鉛化を実現したものです。
当社は製品廃棄後の環境負荷物質(*11)による汚染の可能性を抑制するために、今後新たに環境負荷が懸念される物質についても、迅速な対応を目指すと共に、リサイクルしやすい製品開発を推進してまいります。
【 用語説明 】
(*1)業務用やOEM、外販品: OEMモニター(9シリーズ)/外販用モジュール(9シリーズ)
(*2)世界同時発売モデル: 欧米市場で3月に発売開始したPX60シリーズを皮切りに、世界市場において、うす型テレビ「VIERAシリーズ」の91機種(うちプラズマテレビは62機種)の、世界同時発売を実現。
(*3)電極: 透明電極と銀電極で構成される。これまで銀電極に鉛を含んでいた。
(*4)誘電体層: 電極を覆う透明なガラス膜。
(*5)シールフリット部: PDPを構成する2枚のガラス基板の周辺接着部位
(*6)軟化点: 含有するガラス成分が軟化する温度
(*7)特性を有する元素: ビスマスなどの金属元素
(*8)添加剤: 金属酸化物
(*9)ガラス成分以外の材料組成: 溶媒、溶剤など
(*10)熱プロセスの諸条件: 最高温度や加熱時間など
(*11)環境負荷物質: 鉛・水銀・カドミウム・六価クロム・ポリブロモビフェニル(PBB)、ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)。
以 上